劇画は僕のタイムマシン
「小説は私のタイムマシーンだ。ページをめくれば、どこでも、どの時代にも旅することができる。とても贅沢で、かけがえのない時間」
女優の小泉今日子さんが、ご自身の書評集でこうお書きになっていました。僕の場合は劇画、とくに時代劇画を読んでタイムトラベルを楽しんでいます。作中に江戸時代特有の専門用語がでてくると、関連書物を漁って意味や歴史を調べてみたり・・・。そんな時間旅行をしている一瞬一瞬に、心が豊かに満たされていることを実感しています。
現代はネットやAIが発達して豊かになったように見えます。でも、失ってしまったものも沢山ありますよね。現代社会が忘れてしまった、人と人との絆。ふれあい、狂気、野生・・・。こういったものが恋しくて、僕はあてのないタイムトラベルを繰り返しているのかもしれません。
中学生には衝撃だった、あのシーン
はじめまして。ブログ運営者の斉藤ルッチです。アラフィフ世代。ごくごく平凡な勤め人です。離婚歴あり。犬猫好き。最近はコツメカワウソにもハマっています。劇画は全般好きですが、一番好きなのは「鬼平犯科帳」に代表される時代劇画です。
僕が劇画に出会ったのは中学生の頃。さいとうたかを先生の時代劇画でした。女性の裸がババーンッと出てくるんですよ。親に隠れてこっそり読んでいたことを憶えています。
本格的にハマッたのは社会人になってから。蕎麦屋さんに置いてあった鬼平犯科帳を読み始めたら、止まらなくなってしまいました。その都度、蕎麦屋さんやネカフェに通うのも面倒くさいので、自宅に全巻揃えて、いまでは好きなときに好きなだけ江戸の旅を楽しんでいます。
そこで面倒になったのが、「あの話、第何巻に収録されてたっけ?」という問題。大好きな話がたくさんあるので、それぞれ第何巻に収録されていたのか憶えていないのですね。
そこでネットで一発検索できるような記事はないかと探してみました。簡単なあらすじがセットになっていれば理想的。でも見つからなかったんです。「だったら自分で作っちゃえ」ってことで、全作品リストを作ったのがこのブログの始まりなんです。
人間が人間らしく生きていた時代へ
ブログ名の「劇画 bombs away!」は、ゲキガ・ボムズ・アウェイと読みます。直訳すると「劇画 爆発」なんですが、これは岡本太郎さんの「芸術は爆発だ!」にあやかっています。岡本さんの著書から引用してみましょう。
芸術というのは生きることそのものである。
人間として最も強烈に生きる者、無条件に生命をつき出し爆発する、その生き方こそが芸術なのだということを強調したい。
芸術は爆発だ
これは随分前からの私の信念であり、貫いてきた生き方だ。
全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。
それが爆発だ。
人生は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発しつづけるべきだ。いのちの本当のあり方だ。
岡本太郎『自分の中に毒を持て』より
無償、無目的に爆発しつづけるのが、人間の本来あるべき姿。これって鬼平犯科帳の登場人物たちの生き方に似ていますよね。僕には鬼平犯科帳のストーリーの中に、人生を豊かに生きるヒントがたくさん詰まっているように思えてなりません。
物質的な豊かさとは裏腹に、制約ばかりが多くなった現代。僕は今日も、人間が人間らしく生きていた時代へとタイムスリップしてみたいと思います。そしてそれは、小泉今日子さんが語るように「とても贅沢で、かけがえのない時間」なのです。
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