この記事の目次
簡単なあらすじ
ワイド版第38巻収録。料亭・武蔵屋で起こった殺人事件。遺留品から犯人・弥八はすぐに捕縛されたが、平蔵は謎の屋敷「夢の茶屋」に黒幕がいるとみて単身乗り込む……。弥八の自供にあった”聖天の元締”の正体とは?恐るべき刺客・闇虫が平蔵に襲いかかる!
スポンサーリンク
前後作からなる長編ミステリー
「連作にハズレなし」が、さいとう劇画ファンに共通する認識だと思う。本作『夢の茶屋』も前編・後編からなる長編作品となっているため期待値は高い。
原作は池波正太郎氏の同名短編小説。原作とは違い、ミステリー要素が色濃く投影された作品となっているのが特徴だ。
さらには原作に登場しない必殺の刺客“闇虫”も登場し、平蔵との一騎打ちが描かれているファン必見の傑作である。
恐るべし刺客“闇虫”とは?
前編には謎の黒幕・聖天の元締が放った必殺の刺客・闇虫が登場。闇虫の正体は戦国時代に活躍した忍者の残党といったところか。
平蔵の一騎打ちといえば剣客との対決がほとんど。今回の忍びの一族との死闘は、従来の一騎打ちファンにも新鮮さをもって受け入れられる対決だといえる。
対戦の途中で後編にバトンタッチという趣向であるから、リアルタイムでご覧になっていた読者は続きが楽しみで仕方なかったことだろう。
執念の持久戦。vs聖天の元締
ミステリー要素の強かった前編に比べ、後半は正体が明らかになってきた聖天の元締との頭脳戦が描かれていく。
今回の事件を公儀に上申したものの、なんと幕府の重臣も関わっている事件と判明。もみ消される可能性が高いと判断した平蔵は、ある奇策に打って出るが……。
変装の名人・松永弥四郎も活躍するなど、火盗改方のチームワーク・頭脳プレーが痛快な一編『夢の茶屋』。ぜひ手に取っていただきたい。
この作品が読める書籍はこちら
町田 きのこ
最新記事 by 町田 きのこ (全て見る)
- ゴルゴ13:増刊第70話『ブーメランを持つ女』のみどころ - 2024年4月6日
- ゴルゴ13:第360話『間違われた男』のみどころ - 2021年9月6日
- ゴルゴ13:第40話『マニトバ』のみどころ - 2020年4月1日