この記事の目次
簡単なあらすじ
ワイド版第42巻に収録。第三巻『谷中いろは茶屋』に登場したお松と再会した忠吾。忠吾はお松をいまだに愛していたが、いまは妻子持ちだと自分に言い聞かせ泣く泣く別れる。
が、直後に辻斬りが発生。被害者はお松だった。仇討ちを誓う忠吾。しかし容疑者は小田原藩の要人の息子で、容易に手出しできる相手ではなかった……。
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劇画版だけの続編ボーナス!
この『忘れ得ぬ女』は、第三巻収録の『谷中いろは茶屋』の続編ともいえる絶品の仇討ちエピソードです。
原作本には収録されておらず、劇画版だけの嬉しい特典といったところでしょうか。脚色はシナリオライターの大原久澄さん。
大原さんが脚色を担当された作品には、他にも『掏獏戻し』『後継ぎ』『秘伝書』等、変わった切り口の仇討ちエピソードがあって僕は好きなんです。
忘れ得ぬ女・お松
今回登場するキャラクター・お松は、鬼平シリーズで忠吾がはじめて女狂いに走ったときの相手で、お互いに惚れあっていた仲。
物語は始まりは老中・松平定信の政策で茶屋が取り潰されたため、離ればなれになっていた忠吾とお松が偶然再会する場面。
「品川まで送って」と忠吾を誘うお松でしたが、現在は既婚者である忠後は心を鬼にしてその場を去ります。この直後、お松は辻斬りに殺害されてしまうわけですね。
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兎アクセサリーの伏線が秀逸
「あの時、送っていれば……」と悔やむ忠吾は、平蔵に辻斬り事件の担当を直訴。お松の仇討ちを誓います。しかし容疑者は藩の剣術指南役の嫡男で、容易に手出しできる相手ではなかった。
お互いに愛し合っていた頃、忠吾がお松にプレゼントした兎のアクセサリーが犯人特定の決め手になるのですが、この伏線の使い方が泣ける一編です。
忠吾が活躍するエピソードは沢山ありますが、個人的にはこのエピソードが一番のオススメ。既婚者が過去に愛した女の仇を討つ設定が堪らなくシブですからね。
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斉藤 ルッチ
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