この記事の目次
簡単なあらすじ
ワイド版第33巻に収録。京極備前守からの要請で、無眼流の達人・永山吉十郎を取り締まることとなった平蔵。早速、永山を発見するが、そこに謎の女が現れ永山を襲う。
女の正体と目的はなんなのか……?第三十巻『市松小僧始末』に登場した、おまゆ&又吉夫婦が再登場。一刀流vs無眼流のタイマン勝負も見逃せない。
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又吉&おまゆ夫婦が再登場
今回は僕の大好きな仇討ちエピソード『ねずみの糞』をご紹介します。原作は池波正太郎さんの短編集『闇は知っている』に収録されている短編。
このエピソードの何が好きかって、第三十巻『市松小僧始末』に登場した又吉&おまゆ夫婦が再登場するからなんです。この夫婦の掛け合いが、いい味をだしています。
又吉&おまゆ夫婦は鬼平の原作本には登場しないので、さいとうプロさんが創作したキャラだと思っていましたが、ちゃんと短編集に登場していたんですね(恥)。
理想の悪役・永山吉十郎
又吉&おまゆ夫婦も大きなみどころなんですが、最大のみどころは悪役の永山吉十郎が、劇画シリーズ屈指の”汚いやつ”であるところ。
永山は十四歳の少女・おくめを繰り返し手ごめにした挙句、首と胴体を一刀両断する酷い殺し方をする。おまけに酒グセは悪いわ無銭飲食はするわで、もう最低の奴なんです。
仇を討つのはおくめの姉・おふくと、助太刀をする平蔵と又吉&おまゆ夫婦の連合軍。こういった”汚い奴”を相手に仇討ちを果たす構図は、仇討ちエピソードの真骨頂といえます。
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一騎討ちファンにも堪らないボリューム感!
この劇画版『ねずみの糞』のイイところは、平蔵と凄腕剣客との一騎討ちもちゃんと描かれているところです。原作では鬼平は登場しませんから、この一騎討ちシーンは劇画版だけの特典ですね。
凄腕剣客とは永山吉十郎のことです。先ほど”最低の奴”と紹介しましたが、藩の剣術指南役でもありまして、剣術にかけては”凄腕”なんです。
京極備前守がおくめ事件の責任をとらせる際、その剣の腕を惜しんで死一等を減じたくらいですから、腕前は相当なもの。この永山と鬼平の一騎討ちです。スカッとしますよ。
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秋山 輝
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