この記事の目次
簡単なあらすじ
ワイド版第53巻に収録。平蔵とも親交のある金貸し・島田九兵衛の屋敷に、用心棒・大久保が着任した。大久保は盗賊団の押し込みを一人で制圧する凄腕の剣客で、御前試合でも勝ち抜く。
そんな大久保に、大手剣術道場から後継ぎにという話が舞い込む。平蔵と島田に祝福される大久保は、ある秘密を告白する……。
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傑作長編小説を劇画化
本作『後継ぎ』と第268話の『秘伝書』は、池波正太郎さんの長編時代小説『秘伝の声』を劇画化したものです。
脚本はあの”火盗改方vs張り子の鬼吉”の三部作を担当した、シナリオライターの大原久澄さん。弟弟子が兄弟子の仇を討つタイプの仇討ちエピソードです。
鬼平はゲスト出演程度の登場率ですが、主役の白根岩蔵と成子雪丸の兄弟愛が素晴らしく描かれていて、爽快な物語に仕上がっています。
謎の剣客・大久保八郎
平蔵とも付き合いのある金貸し・島田九兵衛に雇われた剣客・大久保八郎。彼は島田邸の侵入した盗賊一味をたった一人で撃退するほどの腕前で、島田からの信頼も厚い。
しかし、邸内で平蔵と顔を合わせた際、「どこかでお会いしましたよね?」と聞く平蔵に対し、「一向に覚えがありません」ととぼけるのでした。
じつは大久保八郎は偽名で、さらに大久保は”ある秘密”を隠していたことが発覚するんですね。前編である『後継ぎ』はこの秘密を巡って物語が進んでいきます。
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後半の斬り合いもみどころ
物語中盤では御前試合が催され、勝ち抜いた大久保八郎は大道場・水野道場の水野鉄斎の目にとまり、後継者に指名されます。
このことで古参の門弟からの恨みを買ってしまった大久保。一転して命を狙われる羽目になります。原作本では刺客に襲われた大久保は一人で撃退しています。
劇画版ではここで平蔵が助太刀に入り、二人で刺客を撃退するかたちにアレンジ。鬼平ファンにとってはこの辺りの斬り合いもみどころの一つといえます。
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秋山 輝
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