この記事の目次
簡単なあらすじ
ワイド版第53巻に収録。第267話『後継ぎ』からの続編。白根岩蔵が水野道場を継いだことが我慢できない阿部又七郎が、水野道場に放火する凶行にでた。道場は全焼、岩蔵も命をおとす。
事件を解明した平蔵は正当な裁きを願うが、将軍御側衆である阿部家に揉み消される。岩蔵の仇討ちを決行したのは、岩蔵の弟弟子・成子雪丸だった……!
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『後継ぎ』からの続編
第267話の『後継ぎ』からの続編となる物語で、池波正太郎さんの長編時代小説『秘伝の声』を劇画化したものです。
脚本はあの”火盗改方vs張り子の鬼吉”の三部作を担当した、シナリオライターの大原久澄さん。弟弟子が兄弟子の仇を討つタイプの仇討ちエピソードです。
鬼平はゲスト出演程度の登場率です。が、悪役である金持ちのバカ息子・阿部又七郎が、非常に憎たらしく描かれておりまして、痛快な物語に仕上がっています。
白根岩蔵、無念の最後
前話『後継ぎ』で水野道場の後継者に指名されたため、古参の門弟から恨みを買った白根岩蔵。後編の『秘伝書』では、岩蔵を亡き者にするため刺客が暗躍します。
まずは岩蔵が主となった水野道場へ、行き倒れとなった若い女・おたかが担ぎこまれる。もちろん芝居で、真の目的は道場に女中としてもぐり込み、岩蔵に毒を盛ること。
しかし、岩蔵とおたかの間に男女の情が芽生えてしまい、おたかは全てを白状します。原作本では岩蔵がおたかの性技に翻弄されまくり、骨抜きにされてしまう場面もあって面白いですよ。
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弟弟子・成子雪丸が討つ!
おたかの裏切りで焦った阿部又七郎は、水野道場に火を放つ凶行にでます。無念にも命を落とした岩蔵とおたか。
平蔵は捜査の末、黒幕は阿部だという確証を掴みますが、阿部の父・平内が財力・権力にものを言わせて事件もみ消してしまいます。
最後は岩蔵の弟弟子・雪丸が極秘裏に仇討ちを決行するのですが、このシーンがじつに秀逸。心洗われる名場面といえるでしょう。
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秋山 輝
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