この記事の目次
簡単なあらすじ
ワイド版第31巻に収録。密偵のおまさは、妹のように可愛がっていた女賊・お糸と再会する。お糸は惚れた男・駒太郎とともに足をあらい、小さな店を持つのが夢だと語る。
しかし兇賊・鳥浜の岩吉からの助ばたらきを、助駒太郎が断ったため……。平蔵が久々に凄腕剣客とのタイマン勝負に挑む。
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おまさとお糸の再会
とある団子屋で。おまさは妹のように可愛がっていた一人働きの女賊・お糸と再会します。お糸は彼氏の駒太郎と待ち合わせをしていたのですが、駒太郎が現れないと不安そう。
それもそのはず。駒太郎は盗賊・鳥浜の岩吉からの”畜生ばたらき”の誘いを断ったがために殺害されていたのです。
おまさとお糸が再会した前日。鳥浜の岩吉は、年端もいかない女中や小僧を斬殺し、千八百余両を強奪する事件を起こしていたのでした。
五郎蔵&おまさ夫婦の葛藤
駒太郎を鳥浜の岩吉に紹介したのは、五郎蔵&おまさ夫婦とも親交のある口合人・久七。平蔵は久七を捕縛するよう五郎蔵に命じます。
久七は五郎蔵&おまさ夫婦が平蔵の密偵になっていることを知りません。ですから五郎蔵としては、親交のある久七を”売る”ことに葛藤があるんですね。
こういった人間ドラマをしっかりと描ききるところは鬼平犯科帳ならでは。もちろん、密偵たちの顔に泥を塗らないための、平蔵の心遣いにも納得させられる一編。
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捕り物ではなく仇討ちに来たのだ……
今回のみどころは、一騎打ちファンにも仇討ちファンにも楽しんでいただけるオススメの一編だというところ。
原作では鎌鼬の七兵衛を捕縛しに行き、七兵衛がお縄を拒否したため、斬り合いに発展するストーリーです。が、劇画版では「お糸のための仇討ち」という設定で、はじめから七兵衛を討つために現場に赴く平蔵です。
七兵衛は元・剣術指南役という強敵のため、筆頭同心の佐嶋が「ご助勢いたしましょうか?」と問う。対する平蔵は「これは捕り物ではなく仇討ちだ。二対一では様になるまいよ」と一言。この堪らなくシブい場面は劇画版でしか読めない名場面。ぜひご覧ください。
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秋山 輝
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