「あの話、第何巻に収録されてたっけ?」
鬼平犯科帳の漫画を読もうとして、そう思ったことはありませんか?そんなときは是非、こちらの作品リストをお役立てください。全話のタイトルと簡単なあらすじが書いてあります(リイド社のワイド版を基準としています)。「みどころを見る」のリンクがある箇所は、そのエピソードのみどころ紹介ページへ移動することができます。
この記事の目次
鬼平犯科帳・第1巻
第1話:鬼平犯科帳
凶悪犯専任の役所・火付盗賊改方の新長官に就任した長谷川平蔵。一刀流の目録で喧嘩に滅法強い平蔵を、人は「鬼平」と呼んだ。記念すべき第一話の悪役には野槌一味の”小川や梅吉”。後に平蔵の密偵となる”小房の粂八”も初登場。平蔵の養女・お順の出自も明かされる。
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第2話:本所・桜屋敷
前回、取り逃がした”小川や梅吉”の捕り物劇が描かれている。第一話からの続編といえる内容。平蔵の竹馬の友・岸井左馬之助、密偵・相模の彦十が初登場。平蔵と左馬が思いを寄せた女性・おふさの転落人生とは?平蔵が自らの出自と放蕩無頼の青春時代を回想するシーンも興味深い。
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第3話:血頭の丹兵衛
極悪非道の限りを尽くし、犯行現場には必ず盗賊改方への挑戦状(木札)を残す血頭丹兵衛一味。しかし粂八の情報では、その男は丹兵衛のニセモノだという。なぜ粂八はニセモノだと考えたのか?そしてニセモノの正体は?粂八の密偵デビュー作。
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第4話:老盗の夢
引退を考えていた老盗・蓑火の喜之助。が、とある茶屋で亡き妻・お千代に似た女、おとよに出会ったことで引退を撤回。おとよとの甘い生活を夢見て江戸に舞い戻った喜之助は、一攫千金を狙い、ろうそく問屋を狙うが……。先に「血頭の丹兵衛」を読んでおくのがオススメ。
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鬼平犯科帳・第2巻
第5話:暗剣白梅香
暗黒街の顔役の命を受けた凄腕剣士・金子半四郎が、執拗に平蔵の命を狙う。捜査線上に浮上した手がかりは、金子が身につけている香油・白梅香だった。鬼平vs金子の対決で決着かと思いきや、事件は意外な解決をみる。
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第6話:むかしの女
十九歳の平蔵を”男”にした女・おろくと、数十年ぶりに再会した平蔵。ときを同じくして無外流の使い手・雷神党の井原惣市が平蔵の命をねらう。ひょんなことから井原とおろくに接点ができ、物語は意外な方向へ……・。
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第7話:男色一本饂飩
男色の数学者・寺内武兵衛が、うどん屋で一目惚れした同心・木村忠吾を誘拐する。寺内の正体は盗賊の頭だが、忠吾を同心だとは知らない。おつとめが終わり次第、忠吾を好きに嬲ることを夢想する寺内。はたして忠吾は救出されるのか?第九巻までを先に読んでおくのがオススメ。
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第8話:蛇の目
「暗剣白梅香」に登場した金子半四郎や、「むかしの女」に登場した雷神党の井原惣市などを使い、何度も平蔵の命をねらった黒幕・蛇の平十郎がついに登場。はたして平蔵は平十郎を捕らえることができるのか?見逃せない一編。
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鬼平犯科帳・第3巻
第9話:谷中・いろは茶屋
悪所通いで持ち金を使い果たした忠吾。そんな忠吾に十両もの大金を差し出す奇特な男。一方、平蔵は墓火の秀五郎一味を捕縛するため、秀五郎の手下を拷問。必殺「宮の刑」で口を割らせることに成功するが……。平蔵の忠吾への愛情が溢れる一編。
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第10話:女擦模お富
天才擦模師・お富が登場。鼻に大きなほくろがある女擦模がいるとの噂が平蔵の耳にはいる。いまは笠屋の女房に納まり擦模稼業からは足を洗っているはずのお富だったが……?哀しい擦模師の性を描ききった力作。
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第11話:妖盗葵小僧
将軍家の紋章・葵紋を身につけて、畜生働きを繰り返す謎の盗賊「葵小僧」が登場。尻尾を掴ませない葵小僧に平蔵もきりきり舞い。平蔵に対抗心を燃やす北町奉行所の悪計も加わり、火盗改方長官としての面目が丸潰れとなる。はたして葵小僧の正体とは……?2018年にコミック乱誌上で行われた「あなたが選ぶ劇画鬼平ベストエピソード」で第1位に輝いた名作。
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第12話:続・妖盗葵小僧
大捜査網をせせら笑うように、手がかりを掴ませない葵小僧。ついに平蔵の他にもう一人、火盗改方が任命されるという異常事態に発展する。そんななか、平蔵にもたらされたある情報とは……?ついに葵小僧の正体が判明。平蔵の勇断が冴える妖盗葵小僧・後編。
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鬼平犯科帳・第4巻
第13話:密偵
筆頭与力の佐嶋の密偵・弥市。いまは火盗改方の密偵となっているが、それを知らない昔の盗賊仲間が仕事をもちかける。黒幕の縄ぬけの源七の居所をつかみ、佐嶋に知らせようとする弥市だったが……。
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第14話:お雪の乳房
第三巻「谷中・いろは茶屋」でお松に熱をあげた忠吾が、こんどは足袋屋の娘・お雪に入れ込む。お雪と結婚の約束を交わし、平蔵に仲人を頼む忠吾。しかし、その話を聞いたお雪の叔父・善四郎は猛反対。善四郎が火盗改方を避ける理由とは……?
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第15話:埋蔵金千両
荒稼ぎと急ぎ働きで名を売った盗賊・小金井の万五郎。彼が死の床で、妻のおけいに明かした隠し金千両の在り処。「ある人間を連れてきてくれたら、五百両をやる」と言われ、おけいは信州へと旅立つ。次話「麻布ねずみ坂」を先に読んでおくのも一興。
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第16話:麻布ねずみ坂
多額の治療費を受け取ることで有名な指圧医師・中村宗仙。その宗仙のもとに通う怪しげな浪人・石島精之進。はたまた大阪の大物香具師・白子の菊右衛門の名前も浮上して……。宗仙、精之進、菊右衛門の意外な関係とは?同心・山田市太郎が見せる忠義心にも注目。
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鬼平犯科帳・第5巻
第17話:盗法秘伝
幕閣より休暇をもらい、忠吾を引き連れて京へと旅立った平蔵。その道中、善八という老人に出会う。善八はひとり働き専門の凄腕泥棒で、平蔵の人柄を見込んで自分の後継者として育てようとするが……。鬼平が実際に盗みに加担するレアなエピソード。
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第18話:艶婦の毒
京に到着した平蔵と忠吾。別行動をとった忠吾はナンパした京女・お豊とわりない関係に。しかし、このお豊、平蔵とはただならぬ因縁をもつ女だった!平蔵、二十代のころの大失態が描かれる興味深いエピソード。
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第19話:兇剣
嵯峨に立ち寄った平蔵と忠吾は、チンピラ五人に追いかけられていた小娘・およねを助ける。およねは大阪の暗黒街を二分する顔役・高津の玄丹に関する、ある秘密を握っていた。玄丹一味はおよねを殺害すべく、一刀流・免許皆伝の大河内一平を差し向ける。平蔵の絶体絶命のピンチを、左馬之助が救うシーンは必見。
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鬼平犯科帳・第6巻
第20話:駿州・宇津谷峠
京を引き上げ、一路、江戸を目指す平蔵と左馬之助、忠吾。しかし盗賊・空骨の六兵衛が平蔵の首に千両の賞金をかけたため、場所を問わず刺客に襲われる。そんななか投宿先で幼馴染の鎌太郎と再会した左馬之助。じつは鎌太郎の目的は平蔵を殺害し、賞金を手に入れることだった……。
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第21話:むかしの男
平蔵の出張中に、久栄の元彼・近藤勘四郎が長谷川家の愛娘・お順を誘拐した。黒幕は一体だれなのか?筆頭与力・佐嶋が指揮を執る過激な救出劇は必見。平蔵と久栄の結婚初夜の情景も、この回で描かれている。
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第22話:霧の七郎
念流の達人・上杉周太郎が登場。その上杉を、第一巻収録「本所・桜屋敷」に登場した”小川や梅吉”の実弟・霧の七郎が、辰蔵殺しの刺客として雇う。しかし、辰蔵と上杉のあいだに妙な友情が芽生えてしまい、物語は思わぬ方向へ……。上杉の素性とは一体?
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第23話:五年目の客
畜生ばたらきの雄・羽佐間の文蔵の配下・江口の音吉を発見した粂八。一方、音吉が投宿した丹波屋のおかみ・お吉は、音吉の顔をみた途端に表情を曇らせる。音吉が丹波屋を選んだのには、ある理由があった……。左馬之助も加わり、羽佐間の文蔵一味を一網打尽にする痛快エピソード。
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鬼平犯科帳・第7巻
第24話:密通
久栄の叔父で、将軍家の側近・天野彦八郎。その家来・遠藤小助が、同じく用人・中野又左衛門の妻とともに逐電した。怒り心頭の彦八郎は、小助を見つけ出すよう平蔵に命じるが……。権力をかさに、やりたい放題の彦八郎の恥ずべき所業に一同仰天。
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第25話:血闘
おとり捜査中に囚われの身となった密偵・おまさ。平蔵は敵のアジトに単身乗り込むが、そこには薩摩示現流の凄腕・赤星玄蕃が待ち構えていた……。第五巻「兇剣」につぐ、平蔵の絶体絶命エピソード。おまさはこの回が初登場。おまさの情念深さがよく描かれている。2018年にコミック乱誌上で行われた「あなたが選ぶ劇画鬼平ベストエピソード」で第3位に輝いた名作。
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第26話:夜鷹殺し
夜鷹ばかりを狙った殺人事件が発生。夜鷹殺しを礼賛する奉行所に激怒した平蔵は、おまさを使っておとり捜査を開始。釣られて出てきた犯人と対決するが、犯人がとった構えはなんと、柳生流・八双の構えだった……・。
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第27話:兇賊
盗賊・網切の甚五郎が鬼平殺しを計画。甚五郎の策略にはまり、危機的状況に立たされる平蔵。そんな平蔵を助けたのは、居酒屋のおやじで老泥棒の九平だった……。「兇剣」「血闘」につぐ、平蔵の絶体絶命エピソード。
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鬼平犯科帳・第8巻
第28話:狐火
一家十七人皆殺しという凄惨な事件が発生。現場には狐火一家の札が残されていた。平蔵の恩人でもある初代・狐火の勇五郎は他界しているため、平蔵は二代目を疑う。一方、密偵のおまさは狐火一家の盗人宿にあたりをつけるが、二代目とわりない仲だった過去があり、平蔵には言い出せず……。
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第29話:流星
関東の鹿山一党と、関西の生駒一党が協力して火盗改方潰しに乗り出してきた。平蔵の配下、またはその家族ばかりを狙う手口に、怒り心頭の平蔵。両党きっての刺客二人と平蔵が2対1の激闘を繰り広げるシーンは圧巻。平蔵の怒りが爆発する一編。後に密偵となる友五郎の初登場エピソードでもある。
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第30話:あきらめきれずに
平蔵と左馬之助が居合を学んだ達人、小野田治平から左馬之助に縁談が持ち込まれる。相手は小野田の娘、お静。平蔵が後見人となって話を進めるが、お静には元亭主・高之助の影がちらつく。高之助は四年前のある事件に関係しているのだった……。
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第31話:本門寺暮雪
平蔵の剣友・井関録之助が、昔、自分を切っだ凄い奴゙を発見した。平蔵の助けを借り、2対1で立ち向かうが、先に録之助が倒れる。恐るべし剣客とのタイマン勝負に平蔵は……。平蔵の愛犬・クマが華麗に初登場。
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鬼平犯科帳・第9巻
第32話:白い粉
盗賊・霰の小助一味が平蔵殺害を計画。平蔵配下の料理人・勘助を罠にはめ、妻のおたみを誘拐する。目的は平蔵の膳に毒を盛らせることだった!左馬之助とお静、五郎蔵とおまさがこの回で婚礼をあげる。
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第33話:消えた男
平蔵の前任者・堀帯刀の時代に、五千両弱もの大金を強奪して姿をくらました蛇骨の半九郎。その半九郎の女と駆け落ちした、火盗改方の元同心・高松繁太郎が七年ぶりに江戸に姿を現した。高松が舞い戻った目的とは……?。
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第34話:泣き味噌屋
火盗改方の勘定掛同心・川村弥助は、地震がくると失禁してしまうほどの小心者。その川村の妻・さとが無残にも殺されてしまう。川村は下手人捕縛に立ち合わせてほしいと直訴するが……。幕閣からの事件もみ消しの要請に、平蔵が出した答えとは?
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第35話:高杉道場・三羽烏
その昔、平蔵や左馬之助とともに「高杉道場三羽烏」と呼ばれた剣客・長沼又兵衛が、盗賊となって江戸に舞い戻った。粂八の働きで押し込みの場所と日取りを掴んだ平蔵は、先手を打って長沼を待ち構える。
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第36話:白まむし
平蔵の嫡男・辰蔵が贔屓にしていた妓・お照が身請された。身請したのは、津山薫という女だという……。一方、小間物問屋の押し込み事件を捜査していた平蔵は、一味の頭が津山薫に酷似しているとの情報を得る。はたして、女賊・津山薫の素性とは……?
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鬼平犯科帳・第10巻
第37話:あきれた奴
ある晩、同心の小柳安五郎が身投げから救った母子は、先般捕縛したばかりの盗賊・鹿留の又八の女房と子供だった。平蔵に内緒で又八を牢から逃がした小柳の真意とは?小柳の男気が光る一編。
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第38話:用心棒
茶処・笹屋のお熊婆さんのところに、臆病者で有名だった高木軍兵衛が十数年ぶりに顔をだした。今は大店の味噌問屋・佐野倉の用心棒をしているという。平蔵は、この軍兵衛が強盗・朱鞘組の面々と密談している現場を目撃。じつは軍兵衛、用心棒のふりをした引き込み役だった……。
第39話:剣客
平蔵配下の同心・沢田小平次の剣の師匠・松尾喜兵衛が何者かに惨殺された。平蔵は、野見の勝平一味に雇われた凄腕の浪人・石坂太四郎が犯人だとあたりをつける。勝平一味の押し込みの現場を包囲した平蔵は、沢田小平次と石坂太四郎の一騎討ちの場をセッティングする。
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第40話:盗賊婚礼
剣友・内山精之進と、ひさびさに食事処へ訪れた平蔵と左馬之助。しかし、女中のお粂を見た精之進は、数日前に金貸し・大口屋を襲った盗賊団の引き込み女・お絹に酷似していると証言する……。平蔵の息子・辰蔵と、精之進の息子・英明が対決するシーンも見もの。
鬼平犯科帳・第11巻
第41話:二つの顔
風を患った左馬之助を見舞った帰り道、平蔵は阿呆鳥に声をかけられる。捜査の一環として話に乗った平蔵は、向かった宿で顔に青アザを持つ男を見かける。男は平蔵の知っている、ある男に酷似していた……。
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第42話:雲竜剣走る
火盗改方の同心が切り殺される事件が頻発。袈裟懸けに一刀のもとに切られた傷をみた平蔵は、師・高杉銀平が「忘れ得ぬ強敵」と語っていた雲竜剣の使い手が犯人ではないかと推測する。一刀流vs雲竜剣。シリーズ屈指の名勝負。
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第43話:火つけ船頭
祝言を挙げることが決まった忠吾は、独身最期の記念にと悪所通いに勤しむ。しかし、その最中に火災が発生。忠吾は放火犯に心当たりがあったが、悪所通いがバレるため、平蔵には報告できない。はたして単独捜査に乗り出すが……。
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第44話:網虫のお吉
同心の小柳安五郎が、同僚の同心・黒沢勝之助と苅野の九平一味の女賊・網虫のお吉との密会を目撃する。なにかと黒い噂がある黒沢の驚くべき秘密とは?平蔵の御役返上騒ぎにまで発展した大事件。
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鬼平犯科帳・第12巻
第45話:おれの弟
平蔵が弟のように可愛がっていた滝口丈助が、平蔵の目の前で騙まし討ちに遭い果てた。相手は将軍家御側衆の子息。平蔵は正統な裁きを公儀に直訴するも相手にされない。平蔵は左馬と佐嶋の助けを借り、極秘裏に仇討ちを決行する。
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第46話:草雲雀
勘定方同心・細川峯太郎に、同僚・伊藤清兵衛の次女・お幸との縁談話が持ち上がる。だが、細川は茶屋に勤めるお長にぞっこん。そして、お長の亭主で二年間行方不明になっていた友次郎が、舞い戻ってきたことで話は意外な方向へむかう。友次郎は平蔵と因縁がある、ある男と繋がっていた……!
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第47話:見張りの糸
密偵の彦十が盗賊”狢の豊三”一味の手がかりを持ってきた。どうやら一味は仏具店・和泉屋を狙っているらしい。しかしこの和泉屋の正体は、その昔、関西で名を轟かせた大盗賊・堂ヶ原の忠兵衛だった!盗賊が別の盗賊の盗み金を狙うというレアなエピソード。
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第48話:おしま金三郎
同心・小柳安五郎を、元同僚の松波金三郎が訪ねてきた。昔、二人で捕縛した牛尾の又平の弟・虎蔵が、仇討ちのために江戸に現れたという。情報源は又平一味にいた女賊・おしま。おしまは過去に金三郎が裏取引をした際、関係をもった女だった。女の執念を鮮やかに描ききった一編。
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鬼平犯科帳・第13巻
第49話:土蜘蛛の金五郎
無宿人や病人にタダで食事を振舞う飯屋があると聞き、平蔵は浪人に扮して潜入。偶然、店に殴り込みをかけてきたチンピラを叩きのめした平蔵に、飯屋の店主は「金になる仕事」を持ちかける。それはなんと長谷川平蔵殺しの依頼だった……。
第50話:密偵たちの宴
昨今の盗賊どもの汚い手口を詰る粂八、彦十、五郎蔵、宗平の密偵たち。酒の勢いもあって「盗めの手本を見せてやろうぜ!」と意気投合。密偵たちが悪名高い金貸し医者・竹村玄洞を、ギャフンと言わせる痛快エピソード。2018年にコミック乱誌上で行われた「あなたが選ぶ劇画鬼平ベストエピソード」で第4位に輝いた人気作。
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第51話:泥鰌の和助始末
心優しき大工・和平の愛息・礒太郎が、紙問屋小津屋の悪計により首を括った。盗賊の助けを借り、復讐を企てる和平。だが盗賊の頭は、若き日の平蔵に稽古をつけていた一刀流の達人・松岡重兵衛だった……。
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第52話:一本眉
忠吾の呑み仲間・甚兵衛の正体は、本格の大盗・清洲の甚五郎だった。甚五郎は仲間の裏切りに遭い、娘のおみちを失ってしまう。忠吾を通して、浪人に扮した平蔵を助っ人に仇討ちを決行するが……。
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鬼平犯科帳・第14巻
第53話:猫じゃらしの女
粂八の昔の盗賊仲間・伊三次が、粂八に鍵のろう型を送ってきた。伊三次が通う提灯店の女が、ある客から預かったものだという。盗賊団が盗めを計画していると直感した粂八と平蔵は、さっそく提灯店をマークするが……。密偵・伊三次が初登場するエピソード。
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第54話:馴馬の三蔵
粂八が評判の料理屋・万亀に客を送った際、昔の盗賊仲間・馴馬の三蔵を目撃する。三蔵は万亀の主人・万吉の命を狙うが仕損じる。過去に万吉は、粂八にも関係する”ある事件”が関わっていたのだった……。粂八の過去も興味深く描かれる力作エピソード。
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第55話:雨引の文五郎
平蔵に対して自分の似顔絵を送って寄こすという”味なまね”をした盗賊・雨引の文五郎。その文五郎を偶然見かけた平蔵は尾行を開始するが、その先で文五郎が刃物で襲われる。老盗・西尾の長兵衛の跡目争いの渦中にいる文五郎に、平蔵はある司法取引を提案するが……。
第56話:高萩の捨五郎
彦十が盗賊・高萩の捨五郎を発見。平蔵とともに尾行する。しかし道中、赤ん坊が理不尽な無礼討ちに遭っているところを助けたことで、逆に平蔵に気に入られてしまった捨五郎。じつは捨五郎、盗賊・籠滝の太次郎の助働きで江戸にやってきたのだったが……。
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鬼平犯科帳・第15巻
第57話:麻布一本松
平蔵の高杉道場時代の後輩・横川甚助が、付き合っている女・お峰の仇討ちに助太刀するという。しかし、相手は剣術道場を構える凄腕で、甚助では敵いそうにない。尻込みする甚助をみかねた平蔵は助太刀を買って出るが……。好感の持てる剣客・市口又十郎が登場。
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第58話:密告
昔、平蔵と付き合いのあった茶屋の娘・お百が、盗賊の押し込み計画を密告してきた。それがもとで盗賊の捕縛に成功するが、盗賊の頭はなんとお百の息子・紋蔵だった……。極刑の前夜、平蔵が紋蔵に軍鶏鍋と酒をふるまうシーンが泣ける、心暖まるエピソード。
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第59話:隠し子
昔、長谷川家で中間を努めていた久助が、十五年ぶりに平蔵を訪ねてきた。なんでも、平蔵の亡父・宣雄には愛人に生ませた隠し子がいて、その隠し子が地元の顔役に脅されて危機に瀕しているという……。平蔵の血をわけた妹・お園が初登場する必見エピソード。
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第60話:炎の色
前話「隠し子」の続編で、お園を中心に話がすすむ。前話で取り逃がした峰山の初蔵一味を捕縛せんとする火盗改方。しかし、北町奉行所の妨害もあり捜査は難航する。お園を救うため、平蔵は一か八かの賭けに出るが……。お園と同心・小柳安五郎との恋も必見。
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鬼平犯科帳・第16巻
第61話:夜針の音松
”急ぎばたらき”の兇賊・夜針の音松を、変装を得意とする同心・松永弥四郎が執念の捜査で捕縛する。しかし、音松とともに捕縛された女と弥四郎との間には、ある因縁があった……。男女の性(さが)を鮮やかに浮かび上がらせた異色の一編。
第62話:ふたり五郎蔵
第十四巻「猫じゃらしの女」に登場した盗賊・伊佐蔵の実弟・新五郎が、髪結いの五郎蔵を引き込み役に使い、火盗改方の役宅に攻め込む。迎え撃つのは、この日のために一刀流の奥義を授かった辰蔵以下、精鋭同心。平蔵の妻・久栄がなぎなたを持って賊と戦うというレアなシーンも。
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第63話:礼金二百両
二千石の大身旗本・横田大学義郷の嫡男が誘拐された。身代金は千両。家康公から賜った”国光の短刀”も一緒に持ち去られているため、事件を公にできない横田家は、火盗改方に極秘裏に解決してほしいと依頼する。捜査に乗り出した平蔵は横田家内部に密通者がいるのではと推理する。
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第64話:のっそり医者
江戸の庶民に愛される町医者、萩原宗順の命を狙う事件が発生した。犯人らしき浪人の”土田”という姓を聞いた宗順は顔色をかえる。じつは宗順、ある大名家でおこった殺人事件に関係しているのだった……。「兇賊」で平蔵をピンチに追い込んだ盗賊・網切の甚五郎一味の生き残りが再登場。
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鬼平犯科帳・第17巻
第65話:さむらい松五郎
鍵師の峰蔵が、忠吾を盗賊の”さむらい松五郎”と間違えて声をかけてきた。平蔵はそのまま松五郎に扮し、盗賊一味を誘い出すように忠吾に命ずる。平蔵、佐嶋、小柳も忠吾の手下に扮するが、忠吾の威張ること威張ること。そのうち本物の松五郎が登場し……。忠吾の演技力が光る、爆笑エピソード。
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第66話:鬼火
長谷川平蔵死す!七千石の大身旗本・渡辺丹波守をめぐる闇を暴かんとする平蔵に、巨悪の魔の手が迫る!二十年前に失踪した旗本・永井弥一郎と、秘密結社・鬼火党結成の秘密とは?シリーズ屈指のミステリー長編!
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第67話:殺しの波紋
ある晩、盗賊・犬神の竹松は、ある殺人事件に遭遇する。被害者は悪徳質屋の橋本屋助蔵。竹松は犯人を目撃したが、その顔はなんと火盗改方の与力・富田達五郎だった。富田を脅迫し、押し込みの引き込み役に使おうとする竹松だったが……。
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鬼平犯科帳・第18巻
第68話:あごひげ三十両
火盗改方の新任与力・猪子は、花火大会で無作法をはたらく大名のバカ息子にお灸を据える。大名家からのクレームにより、若年寄・堀田摂津守から叱責をうける平蔵。しかし後日、堀田摂津守家中の者が老夫婦に乱暴する現場に遭遇し……。正義漢・猪子の爽やかさが気持ちのいい一編。
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第69話:二人女房
第十巻「用心棒」の高木軍兵衛が再登場。小悪党の佐吉から、大盗賊・彦島の千右衛門の殺害を依頼された軍兵衛。引き受けたふりをして、早速、平蔵に報告する。大ホラ吹きの軍兵衛が念流の免許皆伝と称して活躍する、笑いを誘う一編。
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第70話:毒
掏摸師の伊太郎が陰陽師・山口天竜から袱紗を盗み、平蔵に捕縛される。袱紗から発見された白い粉は舶来製の猛毒だった。捜査線上には将軍御側衆の要職をつとめる土屋左京教明の影が。幕閣を揺るがした暗殺未遂事件の全貌とは……?
第71話:熱海みやげの宝物
休暇を利用して熱海にやってきた平蔵、久栄、五郎蔵、おまさ、彦十の一行。投宿先で彦十は、昔の盗賊仲間・馬蕗の利平治と再会する。利平治は”ある宝物”を隠し持っており、それを狙う盗賊一味に追われていた……。平蔵が盗賊の親方に扮し利平治を救う。密偵・利平治の初登場エピソード。
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鬼平犯科帳・第19巻
第72話:殿さま栄五郎
密偵・利平治が、昔の仲間・鷹田の平十と再会する。平十は畜生ばたらきで有名な火間虫の虎次郎から、腕利きの浪人を紹介するよう頼まれ困っていた。利平治から聞いた平蔵は、盗賊・殿さま栄五郎に扮し、虎次郎一味へ潜入するが……。
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第73話:討ち入り市兵衛
一度もお縄にかかったことがない伝説上の大盗・蓮沼の市兵衛が登場。壁川の源内一味から畜生働きの助っ人を要請されるが、本格の盗賊である市兵衛は断固拒否する。断った報復として、息子同然だった繁蔵を殺された市兵衛。源内一味30人に対し、たった5人で仇討ちを決行する市兵衛一家に、平蔵は助っ人を買って出るが……。
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第74話:尻毛の長右衛門
密偵・おまさが、引き込み女のお新に酷似した娘・おすみを発見し尾行する。おすみと同棲中の半太郎は、「殿さま栄五郎」に登場した鷹田の平十の口利きで、盗賊・尻毛の長右衛門の配下となっていた。しかし、おすみは長右衛門と半太郎を二股にかけており……。
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第75話:鈍牛
火盗改方の同心・田中貞四郎が放火犯を捕縛する手柄をたてた。犯人は菓子屋の下男・亀吉。しかし、密偵・粂八が近所から聞いた話では、亀吉は放火などする人間ではないという。じつは亀吉を最初に捕らえたのは田中ではなかったことが判明し……。
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鬼平犯科帳・第20巻
第76話:瓶割り小僧
見回りの最中、平蔵は尾行中の密偵・利平治と出くわす。尾行されている男は石川五兵衛という盗賊で、平蔵とは二十年も前に因縁をもった男だった。五兵衛は小間物問屋・錦屋に目をつけているようだが、錦屋には金はない。五兵衛はなにを目的に錦屋に近づいたのか……?
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第77話:引き込み女
昔、密偵・おまさが妹のように可愛がっていた、引き込み女のお元。おまさは、お元から引き込み先の若旦那とわりない仲になり、引き込みを躊躇っていると相談を受ける。お元を傷つけたくないおまさは、平蔵に相談する。登場する盗賊・磯辺の万吉は、その昔、彦十の女を寝取ったことがある因縁(?)の男。
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第78話:妙義の団右衛門
盗賊界の大物・妙義の團右衛門とばったり再会した利平治。利平治が密偵になったことを知らない團右衛門は、利平治に助っ人を要請。團右衛門に義理がある利平治は、平蔵に”売る”かどうかで苦悩する……。利平治はこの回で殉職。平蔵、怒りの追跡!
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第79話:浮世の顔
父親の仇討ちで江戸に出てきていた、鳥羽三万石・稲垣信濃守の家臣・佐々木典十郎が河原で惨殺される。ほかに流れ盗め専門の盗人の死体が一体。佐々木は袴を脱ぎ、下帯を外した姿で殺されていた。平蔵は現場から立ち去ったと見られる女を捜索する……。
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鬼平犯科帳・第21巻
第80話:怨恨
粂八の下で働く舟頭・弁吉が、第二十巻「引き込み女」で平蔵が取り逃がした磯辺の万吉を発見する。万吉の狙いは火盗改方に通じる居酒屋・信濃屋が匿っている”ある男”を殺すことだった。平蔵は万吉に妹分を殺された五郎蔵とおまさに仇討ちの場をセッティングする。「引き込み女」の続編ともいえる。
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第81話:いろおとこ
火盗改方の同心・寺田金三郎は、盗賊一味に同じく同心だった兄を殺された過去を持つ。兄の事件が迷宮入りして一年。金三郎は、事件の真相と犯人を知る女・おせつと出会う。金三郎は単独での捜査を開始するが、盗賊一味は金三郎を殺害すべく、剣客を差し向ける……。
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第82話:雨隠れの鶴吉
盗賊の雨隠れの鶴吉は、屈指の大店・万屋の主人が愛人に産ませた子で、屋敷を飛び出して十有余年。江戸を訪れた鶴吉は、久々に父・源右衛門と再会を果たす。屋敷に招かれ歓待をうける鶴吉だったが、使用人の中に音五郎という引き込み男がいるのを発見する。自らの身分を明かし、火盗改方に助けを請う鶴吉だったが……。
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第83話:霧の朝
深川の桶屋、富蔵とおろく夫婦の息子・幸太郎が、謎の女に誘拐された。幸太郎は里子だったため、実母が疑われたが、捜査の結果はシロ。富蔵夫婦は裕福ではない。真犯人の動機と目的は……?前話に登場した雨隠れの鶴吉が、再登場し大活躍するため、前話の続編ともいえる。
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鬼平犯科帳・第22巻
第84話:寒月六間堀
平蔵は愛刀を研ぎに出した帰り、息子の敵・山下藤四郎を討たんとする老人・市口瀬兵衛に出会う。長旅で衰弱した様子の瀬兵衛に、平蔵は助太刀を約束する。レアな登場人物”逆でこの仙次郎”が平蔵のお役目に貢献。笹やのお熊婆さんも大奮闘する、胸がスカッとする一編。
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第85話:逃げた妻
飲み仲間の藤田彦七から相談をうけた忠吾。三年前に姿を消した妻・おりつから、助けを請う旨の手紙をもらったという。一方、平蔵は過去に取り逃がした盗賊・入間の又吉を発見し尾行する。又吉の隠れ家には女がいて、「おりつ」と呼ばれていた……。魔性の女に翻弄される哀しい男の性。
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第86話:雪の果て
前話「逃げた妻」の続編。前話で姿をくらませた藤田が江戸に舞い戻る。以前同様、大店の和泉屋に出入りする藤田。一方、藤田の身辺をうろつく隻眼の男の正体は?まもなく父親になる忠吾が大いに学んだ、男と女の本質に迫るエピソード。
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第87話:女賊
絶世の美女と謳われる女賊・猿塚のお千代が登場。大店・大坂屋の手代・幸太郎をたらしこみ、店の間取りを聞き出すお千代。しかし、幸太郎の父親は平蔵とも親交があり、”その道”では知られた盗賊の頭・瀬音の小兵衛だった……。
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鬼平犯科帳・第23巻
第88話:おしゃべり源八
両親の墓参りを済ませた忠吾は、叔父の茂兵衛から同心の源八を見かけたと聞く。しかし源八は半年前、盗賊・天神谷一味を追跡中に行方不明になっているはずだった……。源八はなぜ、職務中に失踪したのか?源八が追っていた菅笠の男たちとは……?
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第89話:山吹屋お勝
平蔵の従兄・仙右衛門が、料理茶屋の女中・お勝と結婚したいと言い出した。お勝に釈然としないものを感じた平蔵は、小柳と五郎蔵に身性を探るよう命じる……。第六巻「むかしの男」に登場した霧の七郎が再び登場。五郎蔵が盗賊になった経緯も明かされる読みごたえのある一編!
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第90話:蛇苺
彦十が、第二十巻「妙義の団右衛門」で殉職した馬蕗の利平治の弟子・仁三郎と再会する。仁三郎は利平治を探しながら嘗役としての腕を磨いているという。その仁三郎が持つ、ハイレベルな嘗帳を狙って盗賊・沼目の太四郎一味が暗躍する……。密偵・仁三郎の初登場エピソード。
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第91話:蛙の長助
見廻りの帰り道、片足の借金取り・蛙の長助に出会った平蔵。悪徳金貸しグループの存在を直感した平蔵は捜査を開始する。捜査上には茶道の宗匠・三浦彦兵衛の名が浮上し……。平蔵の代わりに用心棒をつとめるハメになった忠吾が、とんだ災難に見舞われる。
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鬼平犯科帳・第24巻
第92話:泣き男
茶屋の女中の気を引くため、一句詠んだ同心・細川。そのことを浪人に茶化されたため喧嘩になったが、撃沈したうえに腰を痛めて職務不能に。一方、忠吾の妻・おたかの面倒をみている産婆・おたねが誘拐される事件が発生。容疑者は墓火の秀五郎の用心棒だった男で、細川を倒した男と同一人物だった……。忠吾に待望の長男が誕生。
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第93話:盗賊人相書
幕府御用の箔座の元締め・後藤九郎兵衛が惨殺され、金の延板五百貫が強奪される。現場には未完成の襖絵があり、事件のあった日は幕府御抱えの絵師・住吉宗仙が出入りしていた。火盗改方お抱えの絵師・石田竹仙に協力を仰いだ平蔵は、六年前に発生した金座役人の不正に辿りつく……。
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第94話:深川・千鳥橋
密偵の仁三郎が、嘗役”間取りの万三”と再会。万三は本格の盗賊にしか間取り図を売らない男。しかし愛する女・おさよに金を残してやりたい一心で、兇賊・鈴鹿の弥平次一味に売ることを考える。万三に好意を持つ仁三郎は平蔵に相談し、万三を救おうとするが……。
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第95話:おみね徳次郎
徳次郎は髪結いをしながら、盗賊の引き込みもこなす小悪党。鈴鹿一味と手を組み、大店・水口屋を狙う。だが水口屋の主人・水口清五郎は、平蔵も舌を巻くキレ者だった……。はたして清五郎の正体とは?伊賀vs甲賀の対決も背景にあり、読みごたえ十分。前話からの続編ともいえる内容。
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鬼平犯科帳・第25巻
第96話:霜夜
平蔵は二十年前に謎の失踪をした、高杉道場時代の弟弟子・又四郎を発見する。又四郎のただならぬ様子から尾行を開始する平蔵だったが……。平蔵と又四郎の過去には何があったのか?若かりし平蔵が企図した”ある計画”とは……?異母妹・お園に関する秘密がついに発覚か?
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第97話:隠居金七百両
晴れて身内となったお園を囲んで、新年の宴を楽しむ長谷川組を重点的に描く、ほっこり系エピソード。後半は大盗・白峰の太四郎が残した隠し金・七百両をめぐり、辰蔵の意中の女・お順が誘拐される事件が勃発。じつはお順の出生には重大な秘密が隠されていた……。
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第98話:墨つぼの孫八
平蔵に「ぜひとも密偵として使いたい」と熱望させた男・墨つぼの孫八が登場。引退を前に、跡目に考えている名瀬の宇兵衛に”ある提案”をする孫八だったが……。墨つぼの孫八と大滝の五郎蔵が、酒を酌み交わす場面がシブい。
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第99話:春雪
平蔵の友人で五百石の旗本・宮口伊織が、掏摸に財布を掏り取られた。現場を目撃した平蔵は掏摸師を捕縛する。宮口の財布から出てきたのは、どこかの錠前の型をとった練香だった……。
鬼平犯科帳・第26巻
第100話:犬神の権三
火盗改方の役所で放火による火災が発生。消化活動のどさくさに紛れて、投獄中の犬神の権三が脱獄した。火盗改方からの火災という屈辱に、怒り心頭の平蔵。火盗改方の威信をかけた捜査がはじまるが、脱獄当時、牢屋には密偵の仁三郎がいたという証言が飛び出し……。
第101話:あばたの新助
深川で火盗改方の同心だけを狙った辻斬りが発生。一方、同心の佐々木新助は、甘酒屋の女中・お才との浮気をネタに恐喝され、盗賊の片棒を担ぐことになる。事件の背後には大相撲興行をめぐる、顔役達のはげしい招致争いがあった……。
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第102話:明神の次郎吉
僧侶の宗円が、平蔵を通じて京極備前守に届けてほしい”ある物”があると手紙を送ってきた。しかし宗円は、信州から江戸へ向かう最中に命をおとす。宗円から”ある物”を預かった盗賊・明神の次郎吉は、約束どおり平蔵のもとに届けるが……。峰山藩に伝わる名刀に隠された秘密とは……?
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第103話:寺尾の治兵衛
相良藩の浪人くずれ・相良の玄蕃一味が大店の蝋燭問屋を狙う。しかし、本格の盗めにこだわる口合人・寺尾治兵衛は、玄蕃一味の畜生ばたらきを阻止しようとする。食い詰め浪人に扮した平蔵が、治兵衛の助っ人として暴れる一編。玄蕃一味が用意した凄腕の剣客・佐久間主計助と平蔵の一騎討ちに心躍る。
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鬼平犯科帳・第27巻
第104話:熊五郎の顔
四年前、御用聞きの政蔵を殺害して逃げた洲走の熊五郎が、護送中の盗賊・山猫の三次を奪還してみせると予告してきた。護送の最中、平蔵は政蔵の妻・お延が営む茶店に顔をだし、熊五郎の人相書きをみせる。それを見たお延は仰天。そこには、最近わりない仲となった男の顔が描かれていた……。
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第105話:むかしなじみ
密偵の彦十が、昔の盗賊仲間・網虫の久六と再会。助ばたらきを要請される。久六の苦労話に同情した彦十は、平蔵に内緒で助ばたらきを決行するが……。彦十の若かりし頃のエピソードも飛び出す、彦十ファン必見のエピソード。
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第106話:掻堀のおけい
美貌の女賊・掻堀のおけいが登場。上方の兇賊・和尚の半平一味と組んで、大奥御用達の白粉問屋を狙うおけい。しかし囲っていたツバメ・鶴吉の裏切りで計画は思わぬ方向に……。第八巻「流星」で島流しにされた友五郎が、平蔵の密偵として復活している。
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第107話:おかね新五郎
旧知の女・おかねを偶然見かけた平蔵。おかねは一人娘の仇討ちをするため、ある男を追っていた。おかねの夫は、平蔵の高杉道場時代の先輩・原口新五郎という背景もあったため、平蔵は原口夫妻のために仇討ちの場をセッティングする。若かりし平蔵の大失態エピソードもあり。
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鬼平犯科帳・第28巻
第108話:金太郎蕎麦
江戸の蕎麦屋「金太郎そば」。女主人・お竹が肩の刺青をしょって、出前に走り回る姿が評判だ。一方、老舗の醤油問屋・横田屋に賊がはいる。被害額は小額だったが、賊は漁色家の婿養子・伊太郎の髷を切り、わら馬の玩具を残していった……。「用心棒」に登場したホラ吹き軍兵衛がゲスト出演。
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第109話:かわうそ先生
平蔵とは旧知の仲である無外流の達人・かわうそ先生が、仇討ちの助っ人で江戸に出てきた。親の仇・三浦伝八郎を討つべく覚悟を決める原田兄弟に、かわうそ先生が授けた心得が秀逸。平蔵&左馬も助っ人に加わり、胸がスカッとする仇討ちエピソードに仕上がっている一編。
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第110話:浅草・鳥越橋
密偵の仁三郎は、昔の盗賊仲間で引き込み女のおひろと再会する。おひろは亭主の風穴の仁助のことで、心配事がある様子だった。一方、押し込みを計画中の傘山の瀬兵衛一味。傘山配下の定七は、盗賊・三好屋に寝返って”ある計画”を進めていた……。新しい女密偵・おひろ誕生か?
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第111話:泥亀
前話からの続編ともいえる内容。盗賊改方の役宅で療養中のおひろを、血眼になって探す老盗・泥亀の七蔵。じつは、おひろの記憶には今は亡き大盗・傘山の瀬兵衛と、牛尾の太兵衛の遺し金・五千両の在り処が隠されているという……。おひろの記憶をたよりに秋葉山を目指す平蔵一行だったが……。
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鬼平犯科帳・第29巻
第112話:男の隠れ家
おひろが正式に密偵デビューするエピソード。錠前外しの名人・玉村の弥吉が、小間物問屋・吉野屋の主人・清兵衛と密会しているとの情報を得た平蔵。捜査上には陰陽師・菊川伯耆の影が……。泥亀の七蔵も再登場。同心顔負けの活躍が痛快。
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第113話:鯉肝のお里
若い男を掴まえては手懐けている女を発見した、五郎蔵とおまさ。金遣いが荒いことから不審に思い尾行を開始する。女は、なんの目的で男を集めているのか……。女掏り師・鯉肝のお里が登場。仁三郎とおひさが恋仲になるシーンも必見。
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第114話:おみよは見た
ある人物が愛人宅として使っている建物で、女が殺された。女中のおみよは犯人を目撃するが、火盗改方の捜査では「見ていない」と証言する。おみよは、なぜ嘘をついたのか?少女がもつ暗黒面を描いた異色作。
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第115話:敵
本格の盗賊・愛川栄次郎が刀で襲われた。男は栄次郎を「親の敵」だと叫ぶ。目撃した左馬之助から報告を受けた平蔵は、栄次郎と面識のある舟形の宗平をつかって探りをいれる。事件の裏には栄次郎が助ばたらきを頼んだ、河津の伝八一味の裏切りがあった……。平蔵、左馬之助が浪人に扮して一味に潜入する。
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鬼平犯科帳・第30巻
第116話:夜狐
阿呆烏の弥吉は、裕福な若侍が二人の男に殺害される現場を目撃する。数日後、大身旗本の近藤家に届いた一通の脅迫状。差出人「夜狐」の正体とは一体……。世継ぎ争いに潜む闇を平蔵が暴く。
第117話:市松小僧始末
愛すべきキャラクター・おまゆが初登場。火盗改方の御用聞きとして活躍しているおまゆは、掏り師の市松小僧こと又吉を捕縛する。
が、ひょんなことから又吉と恋仲となってしまい……。平蔵の粋な裁きが楽しめる痛快エピソード。2018年にコミック乱誌上で行われた「あなたが選ぶ劇画鬼平ベストエピソード」で第2位に輝いた人気作。
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第118話:さざ浪伝兵衛
長谷川家出入りの刀屋・相州屋に、一膳めし屋の女主人が刀を売りに来た。その刀がなかなかの業物であったことから、不審に思った平蔵は捜査を開始。なんとその刀は、十三年前に忽然と姿を消した名刀中の名刀・新藤五国光だった……!同心・密偵総出演の大追跡もみどころ。
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第119話:白根の万左衛門
密偵の仁三郎が、大盗・白根の万左衛門の娘・おせきを発見した。平蔵は高齢の万左衛門が、最後の大仕事を計画しているのではと推測。しかし、一味の盗人宿では跡目争いが勃発していた……。一方、忠吾の初恋の女性・お道も登場。忠吾と細川の”恋のバトル”が勃発する。
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鬼平犯科帳・第31巻
第120話:女密偵女賊
密偵のおまさは、妹のように可愛がっていた女賊・お糸と再会する。お糸は惚れた男・駒太郎とともに足をあらい、小さな店を持つのが夢だと語る。しかし、兇賊・鳥浜の岩吉からの助ばたらきを、助駒太郎が断ったため……。平蔵が久々に凄腕剣客とのタイマン勝負に挑む。
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第121話:鬼坊主の女
天下に名の知れた兇賊・鬼坊主清吉が、小田原で逮捕され江戸へ護送となる。北町奉行所が拷問にかけて余罪を吐かせようとするが、鬼坊主清吉は”ある条件”と引き換えに話すという。その条件とは、「平蔵に取調べを担当させろ」ということだった……!鬼坊主清吉の真意とは?
第122話:はさみ撃ち
普段は貸本屋として活動している盗賊の友蔵。色男の友蔵は、薬種問屋・万屋の女房をたらしこみ、押し込みに利用しようと企む。しかし、万屋の主・万屋小兵衛は、驚愕の過去をもつ曲者だった……。友蔵と相棒の七之助が、小兵衛の手のひらの上で踊らされる描写が笑える。
第123話:白と黒
生母の実家を訪ねた帰り、平蔵は一人の男を見かける。それは去年、門原の重兵衛一味を一斉逮捕した際に一人だけ取り逃がした男・飛猿の鯉太郎だった。しかし捜査の結果、鯉太郎は盗賊団に加わっているわけではなかった。平蔵もあきれた鯉太郎の私生活とは……?
第124話:追跡
昔、捕縛し損ねた悪党を尾行する平蔵。しかし、その平蔵を尾行する一人の男がいた……。第九巻収録「高杉道場三羽烏」に登場した長沼又兵衛の息子・間宮新次郎が登場。新次郎は執拗に平蔵との立会いを所望するが、その真意とは一体……?
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鬼平犯科帳・第32巻
第125話:五月雨坊主
絵師・石田竹仙は、自宅の庭で瀕死の男を介抱する。男は竹仙を仲間と勘違いして「十日の盗めはだめになった」と言って息を引き取った。平蔵は死んだ男の人相書きを描かせ捜索するが……。平蔵の剣友・録之助がゲスト出演。
第126話:穴
新商品が評判で、増収増益の化粧品屋・壺屋。三代目の菊右衛門は、裏では金貸しを営むなど、悪い噂が絶えない。その壺屋から金を盗み、後日、そっくりそのまま戻しておくという、洒落た真似をする賊があらわれた。犯人の正体はなんと……。
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第127話:見張りの見張り
密偵・舟形の宗平が、昔の盗賊仲間・長久保の佐助と再会する。佐助は一人息子の仇討ちをするために出てきており、その敵は昔、五郎蔵が使っていた杉谷の虎吉であった。宗平と五郎蔵は、佐助に敵を討たせてやりたい一心から、平蔵には内緒で杉谷の虎吉の盗人宿を張り込むが……。
第128話:おせん
深川生まれの鉄火女・おせんが登場。これといった凶悪事件が描かれるわけでもなく、兇賊も一切登場しないという珍しい一話。おせんと孤独の身となった老女・おみねの心暖まる交流が描かれる、ほっこり泣ける系エピソード。
第129話:お熊と茂平
火盗改方の連絡場所と化している「笹や」の女将・お熊が主役を務める一話。お熊が懇意にしている寺男・茂平が、「自分の死を畳職人の庄八に伝えて」と言い残して死んだ。そして出所不明の五十八両もの大金をお熊に託す。一介の寺男が大金を持っていたことから、その正体は盗賊の一員だったのではないかとの疑惑が浮上する。
鬼平犯科帳・第33巻
第130話:恋文
筆墨硯問屋の手代・音松は、足袋問屋”さる屋”の一人娘・お絹に恋をしている。ある日、音松のもとに「一緒に駆け落ちをしてほしい」と書いた、お絹からの手紙が届く。音松は駆け落ちを決意し、約束の場所へむかうが、七日後に死体となって発見された。音松の身になにがあったのか……?
第131話:雨ごい庄衛門
小田原からの帰り道、左馬之助は胸を患った老人を救う。老人を迎えに来た若者が、老人のことを「お頭」と呼んだことから、平蔵の捜査がはじまる。じつはこの老人、知る人ぞ知る本格の大盗・雨乞いの庄右衛門だった……。
第132話:影法師
第十七巻「さむらい松五郎」で、さむらい松五郎と間違えられた木村忠吾が、またしても松五郎と間違えられトラブルに見舞われる。松五郎に五百両を持ち逃げされた盗賊二人組が、復讐のために夕雲流の達人・長坂万次郎をさしむける。平蔵の一刀流vs長坂の夕雲流、勝負の行方は……?
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第133話:正月四日の客
おまさの幼なじみ・おこうと再会した平蔵。おこうは育ての親・五郎兵衛に金を出してもらい、蕎麦屋を営んでいるという。これを機に二十数年前に起きた、おこうの両親が殺害された事件を調べなおす平蔵。容疑者は右腕に亀の刺青があることが判明し、なんと五郎兵衛も右腕に亀の刺青を彫っていた……。
第134話:ねずみの糞
京極備前守からの要請で、無眼流の達人・永山吉十郎を取り締まることとなった平蔵。早速、永山を発見するが、そこに謎の女が現れ永山を襲う。女の正体と目的はなんなのか……?第三十巻「市松小僧始末」に登場した、おまゆ&又吉夫婦が再登場。一刀流vs無眼流のタイマン勝負も見逃せない。
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鬼平犯科帳・第34巻
第135話:狗
密偵の粂八が、友五郎の昔の盗賊仲間・野川の弥一を発見する。友五郎と弥一は本格の大盗・飯富の勘八のもとで、ともに腕を磨いた仲。昔の仲間を火盗改方に”売る”ことに葛藤する友五郎。平蔵よりも粂八、五郎蔵ら密偵たちの活躍を濃く描いたエピソード。
第136話:春の淡雪
亡父の跡を継ぎ、同心となって五年。大島勇五郎はひとつも手柄を立てていない。忠吾たちにもバカにされるなか、大島は兇賊・日野の銀太郎が押し込みを計画しているとの情報をつかむ。一網打尽を狙うあまり、平蔵には内緒で捜査をすすめる大島だったが……。
第137話:五月闇
両親の墓参りで帰郷した五郎蔵は、若いころに可愛がっていた与吉と再会する。いまは堅気として暮らしているという与吉だが、両親にに聞くと分不相応な大金をもって里帰りするという……。五郎蔵は与吉が盗賊から足を洗っていないのではないかと推測し、助け舟をだすが……。
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第138話:女武道
辰蔵の通う坪井道場に東軍流の使い手・浦上源蔵が入門してきた。入門早々、辰蔵に手合わせを申し出る浦上。一方、坪井道場に女中として勤めだしたお寿は、浦上の顔をみて驚く。浦上とお寿は同郷で、昨年春にはお寿の夫が切腹するという事件が発生していた。辰蔵がお寿のために奮闘する一話。
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第139話:おしろい猫
第十巻「用心棒」、第十八巻「二人女房」に登場の軍兵衛がふたたび登場。佐野倉の娘・すずと夫婦になり、若旦那として暮らすようになった軍兵衛。ある日、飼い猫のゴロの顔におしろいが塗られる事件が発生する。その日からなにかに怯えるようになった軍兵衛。猫におしろいの秘密とは……?
鬼平犯科帳・第35巻
第140話:だいこん
「だいこん」「縁」「乳房」の三話で完結するエピソード。見舞いで久栄の実家を訪れた平蔵は、旧知の医師・中村と再会、八年前の煙管職人・勘蔵殺しに思いを馳せる。消えた犯人。謎の千六百両強奪事件……。原作本の番外編として出版された「乳房」を題材とした長編シリーズの前編。
第141話:縁
”あの事件”から五年の歳月を経て、垢抜けた美人に成長したお松。一方、五年前に殺害された勘蔵の愛人だった女・おさんが別件で逮捕され、勘蔵が”ある仕事”をして生計を立てていたことが明かされる。おさんが自供した「倉ヶ野の旦那」の正体とは……?大物登場でいよいよ目が離せないシリーズ中編。
第142話:乳房
一度も逮捕された事がない倉ヶ野の徳兵衛一味と、火盗改方との対決が描かれるシリーズ後編。大店・回生堂の旦那との縁談がすすむお松。平蔵は盗賊一味が動くのは、お松の祝言が終わってからだと推測する。一方、筆頭与力の佐嶋は、錠前破りの豆岩に司法取引をもちかける……。
第143話:じゃんこ
同心の沢田小平次が平蔵に相談を持ちかけてきた。幼なじみで大店の若旦那でもある宗兵衛が、”ある事”をネタに悪党どもから恐喝されているという。その悪党と、先月、仏具屋を襲った盗賊とに共通点があったことから、平蔵が一肌脱ぐ。久々に沢田の小野派一刀流・免許皆伝の腕前が吼える。
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第144話:師走の湯豆腐
酉の市の人ごみの中で、立て続けに起こった殺人事件。殺された男たちは三年前、岡崎城下でおこった錦織物問屋襲撃事件に関係する者たちだった。捜査が行き詰るなか、殺された男たちの人相書きから事件は急展開する……。
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鬼平犯科帳・第36巻
第145話:よろいびつ
辰蔵が通う坪井道場に、御書院御番頭を務める安藤定意の嫡男・新之介が入門した。新之助の父・定意は、大阪・夏の陣で手柄をたてた家柄であることをかさに、威張ること威張ること。しかし、その定意の破廉恥な所業の数々が明るみに出て……。武家のモラルを問う異色作。
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第146話:座頭と猿
忠吾と細川が”恋のバトル”を演じた人気の女中・おけいが身請けされた。身請けした男は視覚障害をもつあんま師・彦の市。おけいの借金を肩代わりしたうえ、三十両の支度金と月々二両の手当まで出すという。しかしこの彦の市、じつは目が見えていて、盗賊の嘗役として活動しているのだった……。
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第147話:狐雨
筆墨硯問屋・静好堂が賊に押し入られた。江戸城出入りの老舗だけに、捜査の進展がないことに叱責をうける平蔵。一方、高級料亭「美濃清」では謎の小間物問屋と密会する、同心・青木助五郎が目撃される。青木にはなにかと“黒い噂”があった……。
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第148話:顔
左馬之助、粂八、彦十を引き連れて花見に訪れた平蔵。会場で平蔵と左馬之助は、ある人物を目撃する。それは高杉道場時代の先輩・井上惣助だった。しかし井上は二十余年前、切腹して果てたはずだった……。
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第149話:白浪看板
昔の盗賊仲間に再会した五郎蔵。その男とは筋金入りの本格・二代目夜兎の角右衛門だった。角右衛門は「三年前に盗賊に腕を切り落とされた」と語る女乞食に出会い、ある行動に出るが……。人がもつ矜持をテーマに、じわりと感動を呼ぶ一編。
鬼平犯科帳・第37巻
第150話:喧嘩あんま
第三十巻「市松小僧始末」、第三十三巻「ねずみの糞」に登場した、おまゆ&又吉夫婦が再登場。仕入先の宿で又吉は、視覚障害をもつあんま師・豊ノ市が浪人に切られそうになったところを助ける。仲良くなって話を聞くと、豊ノ市は又吉と同郷であった。しかも母親は大女で、女相撲で活躍していたという……。
第151話:戻り梅雨
第二十九巻「鯉肝のお里」以来、恋の進展がない仁三郎&おひろ。そんな二人に業務命令と称して休暇をあたえる平蔵。しかし、デートの最中に仁三郎が盗賊・鹿谷の伴助を発見してしまう。そして伴助をつけ狙う謎の男。故・馬蕗の利平治が残した嘗帳をめぐり事件は急展開する。
第152話:二つの婚礼
前話からの続編。第二十八巻「泥亀」に登場した泥亀の七蔵が再登場し、橘屋の女中・おみのと船影の忠兵衛についての秘密が明かされる。実の娘の祝言を命がけで守ろうとする忠兵衛の心意気に、平蔵も温情ある裁き。仁三郎&おひろが結ばれ、祝言を挙げる場面も。
第153話:二度あることは
同心・細川峯太郎が主役のエピソード。第十二巻「草雲雀」で細川とわりない仲となり、江戸払いとなったお長が、江戸に舞い戻っているという。お長の父親によれば「死ぬほど逢いたい男がいる」からだという。三年前の情事が忘れられない細川は、平蔵に内緒で単独行動に出るが……。
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第154話:念流 風来坊
第六巻「霧の七郎」に登場した念流の達人・上杉周太郎が再登場。金がなく腹を空かせているのは変わらず。今回も辰蔵に鰻を馳走になるシーンがある。この上杉が盗賊どもの押し込み計画を、盗み聞きしてしまうところから物語は急展開……。上杉ファンは必見のエピソード。
第155話:天網恢恢
犯行後には折り紙の鶴を残していく盗賊、鶴千代の源内。わざと将軍家ゆかりの場所や、火盗改方の役宅付近を狙い平蔵を挑発する。捜査の手がかりは、行商人が目撃したという若い紙屑拾い。平蔵をはじめ、レギュラーメンバー総出の執念の尾行でついに……!
鬼平犯科帳・第38巻
第156話:平松屋おみつ
同心・松永が殺人現場に遭遇。殺された男は平蔵も手を焼いていた盗賊・筑波の寅之助配下の者だった。男は奇妙なダイイング・メッセージを残して息を引き取る。一方、火盗改方の役宅を訪ねる一人の女性。彼女の証言では筑波の寅之助は、四年前に死んでいるという……。
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第157話:深川猿子橋
江戸で流行の歌舞伎に登場する悪役・定九郎を名乗る盗賊が出現。佐嶋の話では犯行日の数日前には必ず小規模な窃盗事件が起こっているという。平蔵は数日前に盆栽の窃盗事件が起こっていることに注目する……。
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第158話:夢の茶屋(前)
料亭・武蔵屋で起こった殺人事件。遺留品から犯人・弥八はすぐに捕縛されたが、平蔵は謎の屋敷「夢の茶屋」に黒幕がいるとみて単身乗り込む……。弥八の自供にあった”聖天の元締”の正体とは?恐るべき刺客・闇虫が平蔵に襲いかかる!
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第159話:夢の茶屋(後)
謎の屋敷「夢の茶屋」から生還した平蔵。この事件の裏には幕府の重臣や旗本御家人の妻女までが絡んだ、幕閣をゆるがす秘密が隠されていた……!幕府から捜査打ち切りの圧力がかかる中、平蔵は乾坤一擲の大勝負にでる。
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第160話:出刃打お玉
親の仇討ちで江戸にでてきた正蔵は、ついに仇・森藤十郎を発見する。死を覚悟していた正蔵は、仇討ちの前夜に初めて茶屋で遊ぶ。茶屋の女・お玉に、「仇討ちで死ぬつもりであるから、金は残らず使う」と告げると、お玉は「助太刀するから任せろ」と自信たっぷりに言うのであった……。
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第161話:四度目の女房
老舗の塗り物問屋・橘屋から二千五百両が強奪された。平蔵は盗み細工に長けた大工が絡んでいると見て捜査を開始する。容疑者として捕縛した大工・伊之松は、堅気となって妻のおさよと暮らしたいと語る。そんな伊之松に平蔵は司法取引を持ちかける……。
鬼平犯科帳・第39巻
第162話:妙音記
盗賊団を一人で壊滅させるほどの女流武道家・佐々木留伊が登場。父の武太夫が病没したため、留伊に婿を取らせ家督を継がせたいが、留伊は「私を打ち負かすほどのお方ならば」と言って聞かない。そんななか左馬之助の同門・小杉九十郎が名乗りをあげる……。
第163話:蕎麦切おその
表御番医師・井上立泉に招かれ、料亭・桔梗屋の蕎麦に舌鼓をうった平蔵夫妻。蕎麦を打ったのは天才職人・おその。じつは、おそのの義弟・弥助が盗賊一味と通じていた。おそのは引き込み女なのか……?
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第164話:在中庵の茶入
旧友・吉村嘉六が平蔵を訪ねてきた。小室藩に伝わる家宝・在中庵の茶入が何者かによって盗まれ、このままでは留守居役の吉村が腹を切らねばならないという。茶器を見つけ出すことを約束した平蔵だったが、その晩、吉村は何者かに殺害されてしまう。葬儀の席で吉村の娘・りつと、小室藩用人・財満とのただならぬ雰囲気をみた平蔵は、事件の発端は小室藩の内情にあると推理する。
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第165話:女の道義
前話からの続編。吉村の娘・りつが財満の役宅に討ち入り、父の仇として財満を殺害するという事件が発生。りつは何故そこまで確信を持てたのか……?りつはもう一人の仇で、財満の娘婿である大須賀七十郎も狙うとみて、辰蔵は七十郎をマークする。辰蔵の真剣による初のタイマン勝負が迫力満点!
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第166話:ごめんよ
久々に蕎麦屋「藪惣」へ立ち寄った平蔵。店にいた客・源次から「萬屋のあくどい商売の正体を暴かないことには鬼平の名が泣く」と啖呵をきられる。萬屋とは、あらゆるものを驚きの安値で売る流行の店だったが、店の主を見たものはなく、盗品を金に変える役割をもった店舗なのではないか、との噂があった……。
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第167話:男の毒
店の客・弥市に身請けされたおきよ。弥市は早くに病没したが、おきよの身体にのこった毒は残ったままだった……。盗賊との関わりあいを通して、女の性を丁寧に描き出した一編。平蔵らが味噌仕立ての猪鍋を食するシーンが妙に食欲をそそる。
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鬼平犯科帳・第40巻
第168話:荒神のお夏(前)
盗賊・荒神一味が上方から江戸へやってきた。一味を束ねるのは二代目・荒神のお夏。お夏と密偵のおまさは旧知の中で、平蔵はおまさに引き込みとして潜り込むよう指示する。お夏は押し込みは年が明けてからと宣言したが、不満分子が単独行動にでて、火付け強盗を働いてしまう……。
第169話:荒神のお夏(後)
いよいよ押し込みの当日。引き込みとして潜り込んでいるおまさは、自分に懐いているお夏を”売る”ことに葛藤する。一方、荒神一味内部では子頭の虎次郎が、二代目お夏体制の転覆を狙って悪知恵を働かせていた……。
第170話:ゆりかもめ
「今夜、盗賊が紙問屋・伊勢屋に押し込む」と書いた投げ文があった。投げ文に書いてあった内容にウソはなく、火盗改方が盗賊団を捕縛して一件落着したに見えたが……。首領の蝦夷の寅蔵が取り調べで自供した、引き込み役とはなんと……。
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第171話:男と女の性
同心の佐久間は、女に短刀で襲われる。女・八千代の目的は仇討ちで、人違いであったことが判明。八千代の決意に心をうたれた佐久間は、敵・石井弥十郎を探してやると約束する。一方、絹問屋・信州屋が集金の帰り道に襲われ、金を奪われた。目撃証言から犯人は石井弥十郎と割れたが、佐久間は平蔵には報告をしなかった……。
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第172話:あいびき
錠前を鮮やかに外し、千両箱を盗み出す事件が立て続けに発生。共通していたことは、錠前作りの名人・鍛冶屋仁兵衛が作った錠前だったこと。早速、鍛冶屋仁兵衛の身辺を捜査する平蔵。結果、仁兵衛の妻・お徳が、ある人物と密会を繰り返している事実が浮かび上がった……。
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第173話:おさな馴染み
ある日、同心の小柳安五郎は掏り師を捕縛する。しかし衣服を改めたところ財布は見つからず、釈放せざるを得なかった。後日、火盗改方の役宅へ、お園の幼なじみを名乗る乙吉という男が訪ねてくる。この乙吉が先日、小柳が取り逃がした掏り師だったことから事態は思わぬ方向へ……。
鬼平犯科帳・第41巻
第174話:花火師千助
両国橋の花火大会があった夜、金蔵の扉を火薬で爆破する手口の強盗が発生。平蔵は火薬に詳しい人間が絡んでいるとみて、花火師の唐衛門に意見を求める。一方、唐衛門の家には謎の人物から、大金が届けられるという不可解な出来事が度々起こっていた……。花火師の師弟愛にホロッと泣ける一編。
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第175話:俄用心棒
人足寄場の視察を終えた平蔵と忠吾は、骨休みに立ち寄った茶屋で浪人・八坂福太郎を助ける。平蔵は福太郎の発案で金貸し・駒屋儀衛門の用心棒を務めることに。しかし儀衛門の屋敷内に風呂場が設えてあったことから、平蔵は儀衛門が”ある物”を隠しているのではないかと推測する……。
第176話:老いらくの恋
江戸に不慣れな女・おかよに、道を尋ねられた彦十。その日以来、おかよの顔が頭から離れなくなり、おかよが勤める味噌問屋に通い詰める彦十。そんなある日、彦十は上方から江戸へ進出してきた、岸和田の喜代造一味の人相書きをみる。そこにはおかよの弟の勘助の顔が描かれていた……。
第177話:夜兎三代目
油問屋・桝屋に盗賊が押し入った。目撃者の証言では背中に兎の紋様がある男たちだったという。「背中に兎」は、壊滅した夜兎一家の専売特許だったはずだが……。第三十六巻「白浪看板」で自首した夜兎の角右衛門が再登場し、火盗改方の密偵として活躍するエピソード。
第178話:甘藷娘
老舗の八百屋・叶屋に勤める女中のおたねが大活躍する一話。武蔵屋の女将・おさわ(色っぽい)が、叶屋の店先で商いをさせてほしいと売り込みをかけてきた。若旦那の清三郎は二つ返事で承諾し、おさわを屋敷内に住まわせる。ある日、おさわが座敷蔵の錠前をいじっているのを、おたねが目撃し……。
第179話:寒鮒千両
釣り仲間の甲兵衛と鮒釣りを楽しんでいた同心・小柳。そこで川底をかき回すように探索する怪しい男を見かける。後日、同じ釣り場で甲兵衛が刺され重傷を負う事件が発生。小柳は先日の怪しい男が、川底を探索するのに甲兵衛が邪魔だったのではないかと推理する。はたして男が探していたものとは……?
第180話:冬牡丹
老母とともに牡丹園を訪れた沢田小平次。そこで苦味の走ったいい女・おまちと出会う。茶店での忘れ物をわざわざ届けてくれたおまちに、好感をいだく沢田。後日、兇賊・岩間由之助を尾行し、隣の部屋から賊の会話を盗み聞く沢田は、聞き覚えのある女の声を聞くのだった……。
鬼平犯科帳・第42巻
第181話:烏頭
掏り師の佐助が変死体で発見された。死因は毒殺だった。五郎蔵が佐助の掏りの師匠である明神の矢兵衛に聞いた情報では、佐助はある掏り集団に加担していたが、最近、一味を抜けたいと洩らしていたという……。第八巻「本門寺暮雪」で登場した愛犬・クマが華麗に再登場。
第182話:赤猫始末
廃寺への火付けで火災が発生し、焼死体が発見される。托鉢僧侶が犯人を目撃していたため、早速、人相書きが作成される。容疑者として浮かび上がったのは渡り中間の次郎吉だったが、次郎吉は「いい金づるができた」と言い残したまま、行方不明になっていた……。
第183話:忘れ得ぬ女
第三巻「谷中いろは茶屋」に登場したお松と再会した忠吾。忠吾はお松をいまだに愛していたが、いまは妻子持ちだと自分に言い聞かせ泣く泣く別れる。が、直後に辻斬りが発生。被害者はお松だった。復讐を誓う忠吾。しかし容疑者は小田原藩の要人の息子で、容易に手出しできる相手ではなかった……。
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第184話:富の行方
倹約令の発令で閉塞感が漂う江戸の街に、長屋へ小判を配りまわる謎の男”お助け小僧”が出没する。一方、飴売りの勘助は、幕府公認の富籤興行で不正が行われていることを偶然耳にする。勘助は顔見知りの彦十に、「富籤で集まった金を盗まないか?」と持ちかけるが……。
第185話:水無月
京橋にある泉屋の主人・藤兵衛は、身寄りのない子を引き取って、一人前の職人や商人になれるよう面倒をみている篤志家。一方、犯行現場にサイコロを残して立ち去る盗賊団が出現。なぜサイコロなのか……行き詰る火盗改方。藤兵衛は商店街活性化のために作った絵双六に秘密があるのではないかと進言する。
第186話:おさよなる女
桝屋の主・長兵衛が、三河屋に怒鳴り込んできた。なんでも長兵衛の妻・おさよが、三河屋の主・勘衛門と不倫行為をしていたらしい。三河屋が潔白を主張するも、当のおさよが不倫行為をしていたと証言しているのだから収まらない。後日、勘衛門の他殺体が発見される。当然の如く、長兵衛の女仇討ちが疑われたが……?
第187話:恐ろしきもの
王子権現近くの弁天滝に、人間の頭を喰うバケモノがいるとの噂を聞いた平蔵。従兄の仙衛門とともに、バケモノの正体を暴くため奮闘する。被害者が運ばれた寺で聞いた話では、財布や手形を身につけていた被害者はいなかったという。平蔵はバケモノの仕業にみせかけた物盗りの犯行だと推測する。
鬼平犯科帳・第43巻
第188話:勢多の栄三郎
仁義を通す盗賊・勢多の栄三郎が江戸にやってきた。金貸しをやっている叔父・富蔵の要望で、金を返さない十手持ちを懲らしめることになった栄三郎。しかし、手下の手違いから十手持ちを殺害してしまう。富蔵の裏切りにより火盗改方から追われる栄三郎。はたして侠客・栄三郎のけじめとは……?
第189話:太刀取
平蔵は無銭飲食を咎められていた吉村史朗を助ける。史朗は仇討ちのため十五年間も旅を続けているという。剣術を磨きたいと申し出る史朗に、平蔵は左馬之助を紹介。左馬之助のもとでメキメキと上達していく史朗。平蔵と左馬之助の助力により、見事に仇討ちを果たした史朗だったが……。
第190話:たてこもり
浪人・又衛門が花魁と松平家の嫡男を人質にして、遊郭に立てこもる事件が発生。飢饉にあえぐ領民をよそに遊び呆ける若殿様を人質にとったことで英雄扱いされる又衛門。町奉行所の要請で応援に駆けつけた平蔵は、「自分が人質になる」と交換条件をだすが……。
第191話:命がけの正月
牢屋内での変死事件が多発することから、組織的に殺人が行われているのではないかと推測された。そこで下手人に扮した同心を牢屋に送り込み、偵察する作戦がたてられる。外部からの殺人依頼が、どのように牢屋内に伝わるのか?命がけの任務に志願したのは、事務方の沼田だった……。
第192話:女心
見回りの一環として立ち寄ったいろは茶屋で平蔵は、おりきという女に出会う。おりきは平蔵に「一目惚れした」と言い、さらには「愛人にしてほしい」と嘆願する。一方、「勢多の栄三郎」に登場した勢多の栄三郎の舎弟・英次が、富蔵に復讐するべく江戸に潜伏していた。おりきと英次の驚きの接点とは……?
第193話:嫁姑
大工の八十吉のもとへ嫁いだおふさは、わりない仲になった魚屋・弥一から「図面を盗み出してほしい」と頼まれる。それを断ったため、弥一が加担する盗賊団に軟禁されてしまうおふさ。救助に動いたのは日頃、犬猿の仲だったはずの姑・おしかだった。嫁と姑の不器用な愛情を描いた一編。
第194話:色即是空
寺から奪った文化財を金に換えている盗賊団が出現。平蔵は粂八が営む船宿に立ち寄った二人組が怪しいとみて捜査を開始。網にかかったのは盗品売買を専門にする鎌吉。平蔵は、五郎蔵が喜多院の秘仏を盗むという設定で一芝居打ち、一網打尽を狙うが……。
鬼平犯科帳・第44巻
第195話:音羽の掛助
盗賊・朝靄の三吉一味を二度にわたって取り逃がす失態を演じた北町奉行所。老中直々の命により助っ人に出た平蔵は、盗賊が奉行所の裏をかいたのは内通者がいるからではないかと推理する。一方、筆頭同心・酒井の下で働く目明かし見習いの掛助は、独自の調査で核心に迫るが……。
第196話:寄場上がり
平蔵が創設した人足寄場から社会復帰した人間だけを狙う殺人事件が発生。犯行現場には火盗改方をせせら笑うように、詩を詠む書付が残されていた。幕閣では平蔵の寄場管理に問題があるのではないかとの意見が噴出する。事件の裏には平蔵を罷免させるべく、恐るべき巨悪が動いていた……。
第197話:私怨
前話からの続編。人足寄場での平林一党と火盗改方との全面対決で、一人だけ生き延びた浪人・岡本を追って捜査はつづく。岡本はなんと、前老中・田沼意次の嫡子で、暗殺された田沼意知付きの小姓頭だった……!五郎蔵、粂八を一味へと潜入させ核心にせまる平蔵。はたして影の黒幕とは?
第198話:玉菊灯籠
公儀から支払われた鉄砲代金が紛失した事件「天明事件」を背景に、密輸された火縄銃の強奪事件の解明に乗り出した平蔵。一方、白昼の街中で折檻されていた花魁を助けたおまさは、同じく花魁の桜木から遺髪を託される……。密偵・おまさと、花魁・桜木の友情が熱い。
第199話:あやかし
夏の暑さを凌ぐ船遊びの最中、大身旗本の息子が殺害される事件が発生。犯人は河に飛び込み逃走した。しかし、船を操っていた船頭も殺害されるに至り、平蔵はほかに真犯人がいるのではないかと推測する……。
第200話:蛸足の庄兵衛
平蔵から休暇をもらった佐嶋。呑兵衛の佐嶋は、酒問屋が催す利き酒会に出席。そこで知り合った摂津屋から酒が送られてきて当惑する。じつはこの摂津屋、蛸足の庄兵衛と異名をとる盗賊だった。酒豪・佐嶋が手柄をあげる痛快な一編。
第201話:みがき砂
見廻りで立ち寄った居酒屋で、平蔵は旗本の奉公人・万吉と出会う。後日、賭場通いがバレて解雇された万吉は、仲間と共謀して雇い主だった旗本・森山に制裁を下す事にする。しかし決行直前、平蔵と酒を酌み交わした万吉のとった行動とは……?
鬼平犯科帳・第45巻
第202話:おとこおんな
鎌で首を切られる殺人事件が発生。犯人は鎖鎌術に精通しているとみた平蔵は、彦根藩の心鏡流を訪ね、手がかりを掴む。容疑者として浮上したのは高利貸しを営むお琴だが、お琴の過去には驚愕の秘密が隠されていた。平蔵の一刀流vs心鏡流鎖鎌。
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第203話:御赦免花
町方の与力が殺害された。捜査を続けるなかで平蔵は、ご禁制の品物を扱ったとして主が処罰された”播磨屋事件”にぶち当たる。当時の関係者への聞き込みでは「播磨屋は嵌められたんだ」という証言が……。平蔵は当時島流しになっている播磨屋の跡取り・鉄之助に興味を持つ。
第204話:釣魚奥伝
釣り好きの同心・小柳は、妻のお園に内緒で釣り道具を購入し、夫婦喧嘩の真っ最中。釣具屋の主人・六衛門の作る道具は絶品なのだという。ある日、見回りにでていた小柳は、引き込み役とおぼしき女を尾行する六衛門を目撃する。明らかになっていく六衛門の驚きの過去……!
第205話:御家大事
献残屋(リサイクル業者)ばかりを狙う強盗が発生。金には手をつけず、大福帳(売買勘定の元帳)と干物を奪うという奇妙な手口だった。捜査の結果、老中・松平伊豆守への献上品に隠された”ある秘密文書”の存在が明らかになる……。
第206話:うりふたつ
花見会場でおこぼれに預かろうとしていた乞食の酉平は、ひょんなことから盗賊の頭と間違えられる。うまく話をあわせれば、いい目を見れるかもと考えた酉平は、そのまま盗賊の頭として振舞い続けるが……。
第207話:見習い
平蔵の元で与力として見習い修行をするため、斉藤一成という若者がやってきた。斉藤は部下の忠吾とペアで行動するよう指示されるが、経験で勝る忠吾にとやかく言われるのが我慢できない斉藤は、ルールに反して単独行動で捜査にあたってしまう。
第208話:涙雨
男を手玉にとって金を巻き上げている、おつたという女が殺害された。平蔵は五郎蔵の薦めもあり、寄場上がりの甲助に捜査を手伝わせる。甲助の働きによって、おつたに金を貢いでいた米問屋の番頭・文太郎が、容疑者として捕縛された。が、平蔵は五郎蔵に対し、”ある指示”を与えるのだった……。
鬼平犯科帳・第46巻
第209話:鬼灯
同心の小柳とお園は、可愛がっている小僧・幸太が働く料理屋へ訪れる。偶然にも幸太は、お園の知り合いの息子だったということもあり話が弾む。その晩、料理屋から火があがり、容疑者として幸太の母親・おとよが連行されてしまう……。
第210話:呉越同舟
筆頭同心の酒井は盗品売買の容疑者・孫六を尾行中、町奉行所の筆頭同心・草柳と出会う。草柳は未成年者の人身売買を捜査中で、草柳の話では酒井が追っている孫六も、その一味に関係しているらしかった。ライバル同士の町方と火盗改方であったが、草柳は酒井に対してある提案をする。
第211話:張り子の鬼吉
犯行現場に張子の鬼面を置いていく連続殺人事件が発生。越後を拠点とする”張り子の鬼吉”の仕業であった。張り子の鬼吉のアジトでは頭と手下のほかに、鬼面を作る謎の男がいた……。火盗改方vs張り子の鬼吉、戦いの幕開け!続編は同巻収録の「鬼の復讐」。
第212話:年魚の味
旧友の井関録之助を訪ねた平蔵は、最近できた居酒屋の鮎料理に舌鼓をうつ。後日、刃傷沙汰に出くわした平蔵。なんと被害者は、先日寄った居酒屋の主人にうりふたつだった。討手が居酒屋の主人だと思って切りかかったとすれば、主人の正体は一体……?
第213話:鬼の復讐
張り子の鬼吉の捜査がつづくなか、火盗改方の密偵たちが襲われる。伊平が切られ重傷。粂八も二人組に襲われ、「邪魔をすれば容赦しない」と脅される。調査の結果、一味の人間は皆、津軽藩士だったことが判明。目的は天明の飢饉を背景とする、津軽藩への復讐にあるとみた平蔵。火盗改方vs張り子の鬼吉、第二章!続編は第四十九巻「鬼哭啾啾」。
第214話:稲荷町
同心・沢田のもとへ役者の卵・与吾郎が剣術を教わりたいと訪ねてくる。与吾郎は沢田が捕縛した罪人の息子だった。一方、与吾郎の同僚の京弥に、ヤクザ者が借金の取立てで訪ねてくる。与吾郎はその中の一人に、父を悪の道に誘った浪人を発見し、父の汚名を雪ごうとする。
第215話:七回忌
忠吾は殉職した同心・各務の七回忌で筑波郡を訪れる。忠吾と各務は同期ということもあり、切磋琢磨する仲だった。忠吾は投宿した先で殺人事件に遭遇する。なんと、その殺害方法は各務が殺されたときと酷似していた……!第四十五巻「見習い」で友情を育んだ、忠吾&斉藤コンビが大活躍する一編。
鬼平犯科帳・第47巻
第216話:火事場の狐
ある火災現場で火消しの徳之助が殺された。生前、徳之助は同じ火消しの悪事について秘密を握っていた様子だった。平蔵は五郎蔵を火消しの組へ潜入させ、内部で起こっている犯罪を暴こうとする。五郎蔵の渋い演技が光る、五郎蔵ファン必見の一編。
第217話:髪切虫
道を歩いている人の髷を、いつのまにか切り落とすという妖怪・髪切虫が出現した。幕閣有力者の親族にまで被害がひろがるに至り、京極備前守より直々に捜査指令をうける平蔵。事件の裏には盗賊・浦安の治衛門の隠し金にまつわる、ある計画が隠されていた……。
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第218話:禁裏の宝
公家の血筋をもつ心優しき薬師・和気比呂子を利用し、一儲けを企む詐欺坊主に平蔵の怒りの裁きが下る!天明八年の京都大火で消失されたとされる、日本最古の医学書”医心方”をめぐるサスペンス。
第219話:名も知らず
飯屋を営む徳三が、彦十を訪ねてきた。店に顔をみせる客が、”ある人物”と同一人物かどうか首実験をしてほしいという。はたして、その人物とは盗賊・喜次郎であったが、頭の切れる喜次郎は彦十が密偵になっていることも見抜き、尻尾をつかませない。解決の決め手となったのは喜次郎が残した役者絵だった……。
第220話:虚無僧掟書
長府藩の侍が江戸で殺害された。被害者の男は息をひきとる前、「東昌寺、神谷……」とダイイング・メッセージを残す。はたして、東昌寺の神谷という人物は、火盗改方の同心・松永の尺八の師匠だった。事件の裏には長府藩から流出した密書をめぐる暗闘があった……。
第221話:三つ首
押し入りはするが、金は盗らないという奇妙な盗賊が出現。犯行現場には小説の原稿を残す手口だった。被害に遭った店が評判の悪い悪徳問屋ばかりであったため、庶民は”義賊”としてもてはやす。ある日、残された小説が過去に発禁本になった小説の一部であったことが判明し……。
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第222話:闕所家業
古物商を営む丸屋忠左衛門に盗品売買の疑いがあり、平蔵は左馬之助を使って探りを入れる。が、左馬之助の話では「真っ当な商人としか思えない」という。じつは忠左衛門が古物商を営む背景には、幕府転覆計画”由井正雪の乱”にまつわる百五十年越しの悲願が隠されていた……!
鬼平犯科帳・第48巻
第223話:御金蔵破り
江戸城の御金蔵から六千両が盗まれるという前代未聞の大事件が発生。一味は火盗改方の書役・鈴本を罠にはめ内部情報を聞き出し、尻尾をつかませない。鈴本はそれを苦にして腹を切ったため、平蔵の怒りは頂点に達する。鈴本の遺書を手がかりに、火盗改方執念の捜索が始まった……!
第224話:矢飛白およう
美形の女将と下足番の爺が営む矢場が人気だ。女将の”矢飛白およう”を一目見ようと、男どもが連日押しかけていた。ある日、おようの父を死に追いやった”花川戸の寅吉”が店にやってくる。おようの代わりに仇討ちをするべく、下足番の爺と平蔵、彦十の連合チームが大暴れする痛快な一編。
第225話:野菊の剣
立て続けに三件の辻斬りが発生した。捜査の結果、被害者の三人の共通点は次期・勘定奉行の黒木万右衛門の屋敷に奉公していた過去だった……。一方、辰蔵は坪井道場の剣友・柘植又四郎が墓参しているのを見かける。思いつめた表情の柘植に、胸騒ぎをおぼえる辰蔵だった……。
第226話:斑猫
粂八の前にかつての盗賊仲間・斑猫の兆五郎が現れる。助ばたらきを装い、兆五郎に接近する粂八。しかし、抜群の勘ばたらきを誇る兆五郎は粂八を密偵だと疑う。兆五郎は踏み絵として若い手下を刺し殺すよう、粂八に命じるのだった……。
第227話:宿場泥棒
演習場視察に相模を訪れた平蔵と忠吾は、街中で掏り師の親子を発見し尾行する。アジトを包囲するため人手を借りたい旨を代官所に申し出るが、助っ人にやってきたのは村の老人達だった……。嬉々として捕り物を手伝う老人達に癒される、ほのぼの系エピソード。
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第228話:浅茅ヶ原
人里はなれた原野・浅茅ヶ原で、頭を殴打された渡世人の死体が発見された。調査の結果、この十年の間に渡世人ばかりが何人も姿を消していた。近くに住む老女の話では、森の中に狐の妖怪が住んでいて、たびたび人間を襲うのだという……。ミステリアスな異色の一編。
第229話:掏摸戻し
カリスマ掏り師・安市は普段、髪結いとして静かに暮らしている。一方、子供達に掏りをやらせて私腹を肥やす悪党・丑九郎は、ミスをした少年・〆太を折檻したうえに殺害する。〆太と面識のあった安市は、〆太の死体が川に浮かんでいたとを聞き、弔いを決意するが……。
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鬼平犯科帳・第49巻
第230話:蛙の子
江戸で評判の弁当屋・魚坂の若主人・吉太郎は、配達先で平蔵の妻・久栄と遭遇し、一目惚れしてしまう。じつは吉太郎の家系は代々盗賊で、近々、吉太郎も盗賊デビューする段取りだった。しかし、盗賊ではなく商人としての人生を送りたい吉太郎は、その葛藤を久栄に吐露するのだった……。
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第231話:猪鹿蝶
堅物で通っている与力の猪子が、魔性の女・奈美との不倫にハマる。一方、大名や旗本の妻や女中が集まる怪しい賭場を調査せよとの指令をうけた平蔵。猪子が捜査にあたるが、判明した賭場の黒幕は、奈美の亭主が営む”成田屋”だった……。
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第232話:鬼哭啾啾
第四十六巻「鬼の復讐」の続編。シリーズ屈指の大店押し込みと、平蔵の義妹・お園の誘拐事件が同時発生する。すべては宿敵・張り子の鬼吉の仕業だった……。押し込みを阻止するか、お園を救い出すか、ふたつに一つ。悩む平蔵。火盗改方vs張り子の鬼吉、ついに完結!
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第233話:濁り水
平蔵は、放蕩無頼の生活を送っていた頃の命の恩人・佐次郎を訪ねる。先は長くないと語る佐次郎は、江戸で暮らす孫の栄太に渡してほしいと、形見の品を平蔵に託す。栄太が働く”紅糸屋”を訪ねた平蔵だが、紅糸屋は盗賊の押し込みに遭い廃業したという。しかも、その翌日に栄太は行方不明になっていた……。
第234話:蛍の頃に
ある日、佐嶋は暴漢に襲われた少女・おけいを助ける。おけいには毎月仕送りをしている男がいて、その男の正体は本格の盗賊・金鯱の宗兵衛だった……。久々に与力・佐嶋の活躍がみれる一編。また、長谷川家の養女・お順が久々に登場するレアなエピソードでもある。
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第235話:人膽
火盗改方の中間・喜作が襲われた。ここ最近発生した事件と関わりがあるらしい。その事件とは金品は盗られないが、内臓を抜き取られるという奇妙な事件だった。そして被害者の共通点は、全員が寅年の生まれだった……。平蔵は幕府御様御用・山田浅右衛門に教えを請う。
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第236話:出替わり
武家屋敷だけを狙う盗賊団が出現。被害品がお上からの拝領刀や、家宝の茶碗であったため、秘密裏に捜査を開始する平蔵。被害者の屋敷で働いていた女中を疑う平蔵は、おまさを送り込み確証をつかむ。しかし、その女中はおとりで、一味の標的は他にあった……。
鬼平犯科帳・第50巻
第237話:石川屋顛末
大工で寄場上がりの過去を持つ治左ェ門は、平蔵にうけた恩義を忘れず、真っ当に人生を立て直していた。ある日、昔の盗賊仲間・浜の権三郎が盗めを持ちかけてくる。それは、治左ェ門が盗み細工を施したまま数年が経過した屋敷を襲う計画だった。治左ェ門は平蔵の手を借りず、一人でカタをつけようとするが……。
第238話:火消しの誉れ
筆頭老中・松平伊豆守が襲撃をうける事件が発生し、賊を捜索するよう指令をうけた平蔵。襲撃の際、賊が「天誅!」と叫んでいたことから、幕政に不満をもつ者という線で捜査を開始する。背景には関が原合戦において東軍に寝返り、その後、家康に裏切られた長州萩藩・毛利家の陰謀が隠されていた……。
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第239話:捨て石
喜一と加助は、二十年前、ともに丁稚奉公で苦労した仲。現在は心ならずも盗賊団の一員として生きている。頭の丑蔵は次の押し込み計画を練っていたが、喜一に本気で惚れている女がいることを知った加助は、ある行動に出るのだった……。
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第240話:春時雨
久々に同心・細川が主役のエピソード。細川は岡場所で馴染みの女から「盗賊らしき客がきた」との情報を得た。平蔵から捜査の差配をまかされたため、張り切る細川。しかし、盗賊団がいち早く細川の捜査に気がついたため人質をとられてしまう。そのなかには細川の妻・お幸の姿も……?
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第241話:吉原桜
吉原の花魁・初音が殺害された。初音は生前、蔵前の差札・大口屋に押し込みの計画があると話していたらしい。備前守からの命により捜査にあたった平蔵は、押し込み前に盗賊団を捕縛する。しかし、その直後に大口屋は別の盗賊に押し込まれる。先に捕縛した賊はおとりだった……。黒幕は一体、誰なのか?
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第242話:目に青葉
彦十と遊び仲間の茂兵衛は初鰹をくすねるため、料亭の料理人・松吉を抱きこもうと画策する。しかし、この松吉が盗賊の元手先であったことから、物語は思わぬ方向へ……。ひさびさに平蔵が悪徳浪人に扮し、盗賊団に潜入するエピソード。
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第243話:送り梅雨
笹やの女将・お熊のところに、行き倒れの浪人・矢内征四郎が転がり込んできた。さっぱりとした性格で、平蔵や辰蔵とも親交を結ぶ。一方、辰蔵が通う坪井道場に、星野直介という剣客が訪れる。じつは矢内と星野には”ある因縁”があり、辰蔵を介して顔を合わせることになる……。
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第244話:古傷
特殊な鋸を現場に残して立ち去った盗賊団。その鋸に見覚えがあった五郎蔵は、旧知の錠前師・宇兵衛を訪ねる。宇兵衛は事件現場で”瓜生の甚左”を見たと証言した。瓜生の甚左は、その昔、五郎蔵と命のやり取りをしたこともある”因縁の男”だった……。五郎蔵ファンは必見のエピソード。
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鬼平犯科帳・第51巻
第245話:江戸の華
連続する放火事件。ついに捕縛した犯人は香具師の元締め・籐七だった。しかし藤七が牢内で殺害されるに至り、平蔵は事件の裏には、もっと巨大な悪が隠れていると考える。捜査線上に”ある藩”の名前があがったとき、平蔵は京極備前守から呼び出しを受けるのだった……。
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第246話:神明小僧
大名や旗本の屋敷から金品を盗み、その金を長屋にばら撒く”神明小僧”が出現。庶民からは義賊として愛される。幕閣から調査を命じられた平蔵は、密偵を使い足取りを追う。捜査線上に浮上したのは、火盗改方の元同心で、佐嶋が可愛がっていた三浦佑真だった……。
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第247話:松茸の味
巣鴨で米泥棒が発生。将軍に献上する”松茸道中”が巣鴨を通過する際、米泥棒が松茸を狙う可能性も考えられるため、平蔵は警備に乗り出す。一方、米泥棒のアジトでは”謎の老人”が、泥棒たちに松茸泥棒を持ちかけていた……。平蔵も仰天した、シリーズ最大級のビッグゲストが登場!
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第248話:まやかし
第三十四巻「五月闇」で、五郎蔵の働きにより兄弟分を失った盗賊・時雨の伝兵衛。その伝兵衛が五郎蔵に復讐するべく江戸へやってくる。五郎蔵は、伝兵衛が撒いたエサに食いつき一味に潜入。そのまま囚われの身となってしまう……。辰蔵の活躍も痛快に描かれた一編。
第249話:金の行方
火盗改方の役宅に出入りする呉服商・佐野屋。手代の信六は愚直なまでに真面目な性格で、平蔵夫妻に可愛がられていた。ある日、信六が店の品物を勝手に売りさばいたとして、町奉行所に捕縛される。しかも、本人が自白しているという……。平蔵は信六を救うべく調査を開始する。
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第250話:正月拝賀
加賀藩の木戸番・未ノ助は、自宅前で行き倒れの死体を発見する。死体の懐には大金が入っていた。正月拝賀の行列が通過する道だったため、すぐに報告しなければならないが、未ノ助は大金に目がくらみ報告をせずに死体を隠してしまう。じつはこの死体、平蔵が追っている盗賊の頭だったことから……。
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第251話:初午
疱瘡除けにご利益があると評判の”太郎稲荷”が、突然、庶民の参拝を禁じたという。釈然としない平蔵は、見まわりついでに太郎稲荷へ足を運ぶ。そこで見たものは異常なまでの警戒体制だった。背景には参拝の鑑札を、高額で売り出している柳川藩への庶民の怒りがあった……。
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第252話:親心
同心の酒井が手先につかう目明かし・幸太郎から、新しく移ってきた船宿が盗人宿ではないかと報告が入る。案の定、ここは”越畑の佐平次”の盗人宿だったが、罠にはまった幸太郎は囚われてしまう。しかし、幸太郎がお守りとして持っていた母の形見を見た佐平次は、驚愕の表情を見せるのだった……。
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第253話:桜花爛漫
非番の日、同心の小柳は、お園とともにお花見に繰り出した。しかし花見会場で、お園が行方不明になってしまう。平蔵と忠吾も駆けつけ調査したところ、お園は花見会場で掏り師を発見し、そのまま尾行したことが判明した……。人身売買を行う女賊・おまきが登場。
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鬼平犯科帳・第52巻
第254話:転落
京極備前守に呼び出しをうけた平蔵。将軍が鷹狩りをする、鷹場の鳥見役が殺された事件の調査を命じられる。独自の調査によって、早速、一味のアジトに迫る平蔵。なんと鳥見役の殺害は、平蔵をおびき寄せるために仕組まれたものだった……。犯人の動機とはなんだったのか?
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第255話:真贋
刀工・正宗の贋作が市場に出回る事件が発生。何者かが偽物を高値で売りさばいているのか?しかし贋作には本阿弥家が発行した折紙が付属していた……。調査に乗り出した平蔵は、いくつかの贋作の共通点は”網屋”の扱いであることに辿りつく。
第256話:縄張り
香具師・花川戸の助五郎の右腕・長次郎が殺された。証拠品から容疑者は、平蔵とも親交があった香具師・嘉右衛門と判明する。取調べのなか、黙秘をつづける嘉右衛門。平蔵は嘉右衛門が、誰かを庇っているのではないかと推測する。
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第257話:花相撲
幼なじみの力士・荒海の応援にきた元盗賊の市兵衛。そんな市兵衛に畜生ばたらきをする盗賊”坂下の万平”が仕事をもちかける。万平は仕事を請けなければ、代わりに幼なじみの荒海を一味に引き込むと脅す。悩んだ市兵衛は旧友の彦十にすべてを打ち明けるが……。
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第258話:蟻の一穴
老舗の大店・相州屋が賊に襲われた。店の人間はもとより、引き込み女までも皆殺しにする残忍な手口だった。懸命の捜査にもかかわらず、全く糸口がつかめない火盗改方。しかし、別件の女中殺害事件から物語りは急展開。それは筆頭同心・佐嶋が担当した二十年前の”ある事件”に関係していた……。
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第259話:釣り針
日本橋の駿河屋が、裏で盗品売買を行っている。そんな情報を忠吾が仕入れてきた。早速、忠吾の下で密偵として働く与次郎が、駿河屋に潜入捜査をしかける。駿河屋の手代・甚八と仲良くなった与次郎は、甚八が弟を殺した犯人を捜していることを知る。その犯人の正体とはなんと……。
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第260話:さむらいの巣
平蔵と旧知の旗本・徳田権十郎が役宅を訪ねてくる。若かりし頃の平蔵と権十郎の交流が、興味深く描かれる一編。後半、平蔵は盗賊団の一人を捕縛するが、その男の持っていた笄(こうがい)は、権十郎の生き別れとなった息子のものだった……。
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第261話:壺屋炎上
平蔵と小柳は見廻りの最中、訴状を手に川へ身投げしようとした女中・お伝を救う。落ち着いたお伝から話を聞くと、二年前に起こった”壺屋事件”は冤罪だったという。調べると二年前の奉行所の調べでは不可解な点がいくつかあった……。
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第262話:坊主雨
辰蔵の剣友・入江長八郎の兄である、金子栄之助が同僚に切り殺されるという事件が発生。辰蔵は長八郎とともに犯人の坂田彦蔵をさがす。聞き込みの最中、浮かび上がったのは金子栄之助に関する”ある疑惑”だった……。
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鬼平犯科帳・第53巻
第263話:晩秋の夕暮れに
掏りを働いて捕縛された百姓の茂七。大名に犯されそうになった妻を守るため片腕を失った過去があり、百姓仕事は無理だという。初犯だったこともあり、平蔵は見逃す事にする。ある日、茂七に助ばたらきの誘いがある。押し込み先は茂七の腕を切り落とした大名の屋敷だった……。
第264話:濡れ桜
小間物問屋・井筒屋徳兵衛は、元盗賊という過去がある。妻のおもんが、番頭の宗次郎と親しそうに話しているのを見て、おもんの浮気を疑う。一方、昔の盗賊仲間から徳兵衛の殺害計画があることを聞かされる。黒幕はなんと、妻のおもんだという……。
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第265話:同門の宴
平蔵、左馬之助の友人・堀平右衛門は、剣の腕はからっきし。家庭でも女房の尻に敷かれるダメ亭主である平右衛門。若い頃に好きだった妓・お民の言葉「きっと立派な方におなりになります」という言葉が胸をえぐる。そんな平右衛門が、火盗改方から脱走した賊を追跡することとなり……。
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第266話:三国峠
藩の御用金を輸送する一行が襲われ、五千両もの大金が奪われた。京極備前守から直々に捜査を命じられた平蔵は一路、越後へ。唯一の手がかりは、一味の一人が肩に傷をおっていることだった。立ち寄った温泉宿で、平蔵は奇妙な二人組に出会う。その内の一人には、肩に傷があったのだった……。
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第267話:後継ぎ
平蔵とも親交のある金貸し・島田九兵衛の屋敷に、用心棒・大久保が着任した。大久保は盗賊団の押し込みを一人で制圧するという凄腕の剣客で、御前試合でも勝ち抜く。そんな大久保に、大手剣術道場から後継ぎにという話が舞い込む。平蔵と島田に祝福される大久保は、ある秘密を告白する……。
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第268話:秘伝書
前話からの続編。白根岩蔵が水野道場を継いだことが我慢できない阿部又七郎が、水野道場に放火するという手にでた。道場は全焼、岩蔵も命をおとす。事件を解明した平蔵は正当な裁きを願うが、将軍御側衆である阿部家に揉み消される。岩蔵の仇討ちを決行したのは、岩蔵の弟弟子・成子雪丸だった……!
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第269話:伊勢屋の黒助
魚屋の弥吉に可愛がってもらった伊勢屋の黒助(猫)は、弥吉が病に倒れると、恩返しとばかりに店の小判をくわえて弥吉のもとに届ける。しかし、それがバレて殺されてしまう黒助。一方、難航していた捜査を進展させたのは、黒助が小判を持ち出した際、包んでいた紙だった……。
第270話:兎の印籠
捕らえた嘗役の五兵衛が、ある屋敷の見取り図をもっていた。どこの屋敷なのか五兵衛は吐かない。その見取り図を待っている盗賊団がいるはずだが……。一方、彦十の飲み仲間の八十吉は、道端で女を助ける侍に出会う。が、その侍がもっていた兎の印籠を見て、驚愕の表情を浮かべるのだった……。
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第271話:闇は知っている
筒井藩のお家騒動が勃発。筒井藩の後継ぎ・亀次郎を乗せた籠が襲われ、偶然、通りかかった平蔵が助太刀にはいり事件に関わることになる。籠に付き添っていた僧侶・隆浄和尚は、襲ってきた賊の顔をみて、十年ほど前に面倒をみていた修行僧・山崎小五郎ではないかと疑う。
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鬼平犯科帳・第54巻
第272話:旅の終わり
五郎蔵が昔の盗賊仲間・お千代と再会する。お千代の亭主は本格の盗賊頭・玄翁の嘉衛門で、二年前に引退していた。しかし、火盗改方には玄翁の嘉衛門一味が押し込みを計画しているとの情報が入る。五郎蔵はお千代に恩義があったため、平蔵には知らせず単独での捜査を続けるが……。
第273話:母ふたり
”小浜の十兵衛”なる盗賊が芝居茶屋・岡崎を狙っている疑いがあり捜査に乗り出す平蔵。一味の男を尾行すると、”岡崎”に出入りする版木職人の順吉の家に入っていった。岡崎の娘・おくにと、版木職人の順吉は互いに惚れあう仲だったはずだが……。
第274話:看板
前話で捕縛された”小浜の十兵衛”の子分・伝五郎が、頭を”売った”夜兎の角右衛門を探し出そうと躍起になっていた。角右衛門と親交のある乞食・きのじから情報を聞き出し、角右衛門に迫る伝五郎。前回からの続編ともいえるエピソード。密偵・角右衛門が、この回で命をおとす。
第275話:谷中・首ふり坂
性欲過剰の新妻に辟易する毎日を送っている同心の三浦源太郎が登場。そのころ江戸では放火事件が連続発生。被害宅の共通点は、主人が婿養子であったことだった。ある晩、平蔵とともに見回りに出た三浦は、放火犯人を追跡し追い詰める。犯人はなんと……。
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第276話:雪の朝
小間物屋・若松屋の前で行き倒れになった男・吉蔵。吉蔵に亡き父の面影をみた女将のお道は、食客としてしばらく滞在させる。吉蔵は若松屋の娘・お光が浪人に乱暴されているところを助けるが、瀕死の重傷をおってしまう。死の床で吉蔵が口にしたのは、お道の父親が殺害された事件に関する”ある秘密”だった……。
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第277話:歳月
前話からの続編。吉蔵こと堀辰蔵の転落人生と、お道の父親が殺害された事件の秘密がすべて明かされている。盗賊団の捕り物などの話は出てこないが、人と人との不思議な縁を描いた読みごたえのあるエピソード。
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第278話:狐の嫁入り
夫婦で営む豆腐茶屋の”やのじ”は、味が評判を呼び大繁盛。しかし激務がたたり、妻のおせつが倒れる。代わりに奉公人のおだいを雇う。一方、”やのじ”の前身は今は亡き盗賊・牛引きの彦衛門の盗人宿で、その床下には彦衛門の隠し金が眠っていたのだった……。
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第279話:娘のくれた太陽(前)
元・流れ盗め専門の盗賊だった密偵・長太郎が登場。ある日、長太郎は借金取りに乱暴される絵師の卵・おたまを助ける。これがきっかけで親子のような友情を通わせる二人。一方、火盗改方の捕り物から逃げた盗賊・茂吉は、重傷で倒れているところを、おたまに助けられる。
第280話:娘のくれた太陽(後)
前話からの続編。おたまが助けた男・茂吉を、捕り物から逃げた盗賊ではないかと推理し、監視する長太郎。ある日、おたまの家に顔をだすと、おたまは”ある屋敷”の見取り図を描いていた。それは昔、長太郎が営んでいた菓子舗”松月堂”の見取り図だった。おたまの素性とは一体……?
鬼平犯科帳・第55巻
第281話:土俵の人
料亭”網浜”の女将・お安芸から恋の相談をうけた平蔵。その帰りに呉服問屋の隠居・伊右衛門とすれ違う。伊右衛門の身のこなしから、ただ者ではないと見た平蔵。粂八の話では”仏の伊右衛門”と呼ばれる本格の頭だという……。力士・清見山とお安芸が織りなす恋の描写も楽しめる一編。
第282話:おちよ
大工の松五郎は飼い猫のおちよを溺愛している。そのため、おちよは松五郎の妻・おかねには冷遇されている。おかねは浮気相手の医者・堂竹から、松五郎が持っている火盗改方役宅の図面を探してくれと頼まれる。図面を受け取った堂竹はその場でおかねを殺そうとするが、そこに現れたのは飼い猫のおちよだった……。
第283話:おみちの客
印判師見習いの新八は、盗めからは足を荒い、惚れあっている女・お雪と出直すつもりでいる。その矢先、恩義のある盗賊頭から仕事の依頼が……。後日、新八は「恩人を見捨てちゃ、男がすたる」と盗めに加わることを決意する。それを聞いた五郎蔵は、平蔵に”売る”かどうかで悩む。
第284話:流れ星
浅草の菓子舗・笹屋は、五代目の福三郎に商才がなく、先代の妻・お歌の手腕でもっている。周囲から”能無し”扱いされた福三郎は、盗人の塩蔵に金をわたし、お歌の殺害を依頼する……。だが、お歌を誘い出すために塩蔵が使った船が、粂八の船だったため……。
第285話:遺金八万両
藩主・筒井浅乃守の嫡男が急逝し、お家騒動が勃発。ある日、事実上の世継ぎである筒井正道が、黒装束の男たちに襲撃される事件が発生。供をしていた弓虎之助は、男たちの正体を代々隠密の役目を引き継いできた集団”蜻蛉組”だと断定する。それはすなわち、虎之助自身も隠密であることを意味していた……。
第286話:天城峠
師・坪井主水の命により、下田まで書状を届けにきた辰蔵。道中、親子のように仲のいい六太郎と庄坊に出会う。投宿先も同じだった三人は、一層親睦を深める。一方、忠吾と沢田は人相書きを手に、盗賊を追っていた。人相書きに描かれた顔は六太郎にそっくりだった……。
第287話:鬼の助太刀
白昼から刀を振り回している侍がいるとの情報がはいる。不審に思った平蔵がその侍・三沢又太郎を訪ねると、又太郎は「仇討ちのため、剣術の練習をしていた」と答える。一方、連続発生している辻斬りの調査では、剣術道場の師範・中西郷右衛門の名前が浮上する。中西は又太郎が追っている敵と酷似していた……。
第288話:惜春
密偵・おまさは、引き込み女のお梅が賊らしき男と密談している現場を目撃。尾行させ押し込み先を特定した平蔵は、早速見張り所を設ける。同心の沢田は、見張り所として借りた”井筒屋”の女中・おたまを気に入る。しかし、おたまは誰にも言えない秘密を抱えているのだった……。
第289話:金貸しの首
ひょんなことから平蔵と親睦を深める事になった金貸し・林十右衛門。その十右衛門が、借金を踏み倒そうと企む御家人・小村郡兵衛の策略にはまり、打ち首となった。「理に適わぬ裁き」だとして調査に乗り出した平蔵が見たものは、放蕩ダメ息子だった小十郎の仇討ちだった……。
鬼平犯科帳・第56巻
第290話:白湯
平蔵とも懇意にしている絵師・山田宗春が江戸で披露目の会を催す事となった。後援するのは小間物問屋・吉野屋。会の当日、久栄とともに披露目の会に出席した平蔵は、宗春と吉野屋の後妻・お初のただならぬ雰囲気に違和感をおぼえる。お初は宗春に関する“ある秘密”を握っていたのだった……。
第291話:炎天
密偵の彦十が大活躍するエピソード。ひさびさに馴染みの居酒屋「さくらや」に顔をだした彦十は、女中のおたみから相談事をもちかけられる。なんでも一年前に急死した店主の助次郎は、じつは兄の伊助に殺されたのではないかというのだ。独自に調査を進める彦十は、伊助が企図する“ある計画”に協力するふりをして一味に潜入する……。
第292話:ほたる
密偵の粂八が大活躍するエピソード。粂八は仕事中に盗賊の“信楽の甚五郎”をみかけ、そのまま六里も尾行を続けていた。甚五郎の盗人宿を突き止めると、そこには旧知の盗賊仲間“橋羽の小五郎”が捕らえられていた。小五郎を助け出し話を聞くと、小五郎は「重蔵」という人物と間違えられて捕らわれたという。一方、火盗改方では粂八が行方不明になったとして、捜索を開始していた……。2018年にコミック乱誌上で行われた「あなたが選ぶ劇画鬼平ベストエピソード」で第5位に輝いた秀作。
第293話:友の文
火盗改方の新任同心・清川市弥。彼は百姓出身というコンプレックスを持っていたが、先輩剣士・孫十郎の励ましで立派な剣士としても成長している。一方、平蔵の身辺には執拗に尾行者が現れる。強烈な殺気を放っている尾行者は、かなりの使い手だと平蔵は推理する。が、謎の尾行者は市弥の顔を見た途端、平蔵を襲うのを止めてしまう……。
第294話:ある仇討ち
見回り中にギックリ腰を発症した平蔵。担ぎ込まれた一膳めし屋で出会った医者・宗春に介抱され事なきを得た。後日、左馬之助の道場に入門し、剣術を学ぶ宗春と再会。親睦を深める。平蔵が宗春に医者が剣術を学ぶ理由を問うと、十年前に起こった“ある事件”について告白するのだった……。
第295話:引き込みお里
密偵・おまさは、昔の賊仲間・お里と偶然再会する。お里の様子から、どこぞの大店で引き込みをやっているに違いないと踏んだおまさ。調査の結果、お里は“和田倉の仙六”の下で引き込みをしていることが判明。和田倉の仙六は非常に用心深い盗賊で、火盗改方でも情報が無いに等しい大物だった。早速、お里の奉公先「佐野屋」をマークする火盗改方だったが……。
第296話:不忍池暮色
包丁を持った悲壮感漂う女・お清と行き会った五郎蔵夫婦。話を聞くと、お清は亭主である大工職人・伊太郎の浮気に悩んでいたという。何とか落ち着いたお清を自宅まで送り届けた五郎蔵は、お清の幼馴染だという弥吉という男と出会う。弥吉は伊太郎が増築工事に入っていた小間物問屋「伏見屋」の見取り図を見たいと、執拗に迫っていたという……。
第297話:男達の矜持
ある日、火盗改方の役宅に「真綿問屋に賊が押し込む」という密告文が投げ文される。密告通り押し込みに来た盗賊団をお縄にした火盗改方。筆頭与力の佐嶋は捕らえた盗賊団の中に、かつて火盗改方の同心として働いていた二宮大蔵の姿を発見する。二宮はある事件をきっかけに火盗改方を去った男だったが、平蔵は密偵として使ってみることにする……。
第298話:夢の階段
京極備前守が催した観梅の宴に招かれた平蔵は、若いころ共に無頼な生活をおくった悪友・木内政之助と再会する。政之助は土岐藩の大目付に出世しており、京極備前守の話では土岐藩では跡目争いが勃発しているらしかった。案の定、敵対する勢力の辻斬りに遭い、命を落とした政之助。仇を討つべく立ち上がった平蔵は……。
鬼平犯科帳・第57巻
第299話:湯屋の男
密偵の粂八が湯屋でよく見かけるという謎の男。平蔵は見回り中、偶然にその男と出会う。その男、豊治郎は居酒屋を営んでいるが、そこに定期的に現れるという女・お絹に“妖怪アンテナ”が立った平蔵。お絹が何者なのか調べさせたが、瀬戸物屋の女将だという以外、怪しいところはなかった。しかし、何かが引っかかる平蔵は……。
第300話:どら息子
その昔、会えば喧嘩ばかりしていた助三郎と十数年ぶりに再会した平蔵。今は回り髪結いで生計を立てているという助三郎は、再婚した妻が生き別れになったという息子・一之介を探していた。ある日、一之介を発見した助三郎は、無職だという一之介に薬種問屋の用心棒の仕事を斡旋する。が、直後に本物の一之介だと名乗る男が現れて……。
第301話:男色武士道
十年前、愛する部下を庇うため自ら禄を返上した千本九郎。ある晩、九郎は巷を賑わす義賊「世直し小僧」がある藩邸から逃走する現場に出くわす。刀傷を負っている世直し小僧をみて、自宅に連れ帰り介抱する九郎。お礼をしなければ気が済まないと言って聞かない世直し小僧に対して、九郎は某藩邸に忍び込み“ある物”を盗み出すよう依頼する。はたして九郎の真意とは……?
第302話:所縁
街を見回っていた酒井と細川は掏り事件に遭遇したが、その場は証拠不十分で見逃す。しかし後日、火盗改方に出入りしている経師屋の彦右衛門が連れていた弟子・春吉が、見逃した男だった。細川から報告をうけた平蔵は春吉の身辺を調査するが、掏り事件のあった日、春吉には確かなアリバイがあったのだった。一方、名古屋の侠客・金鯱の権蔵一味が、春吉を追って江戸へやって来た。春吉の隠された過去とは……?
第303話:梅雨の湯豆腐
針磨(針を作る職人)として生計を立てる彦次郎。彼の裏の顔は、針を使って仕事(殺し)を行なう仕掛け人だった。彼に舞い込んだ新しい仕事は、昔の盗賊仲間で彦次郎の愛していた女・お吉の殺害依頼。彦次郎が自分を殺しに来たと悟ったお吉は、彦次郎にある提案を持ちかけるが……。
第304話:かたきうち
父親の仇討ちのため江戸へ出てきた森山平太郎は、路銀も底をつき精根尽き果てているところを平蔵の妻・久栄に救われる。一方、平蔵の管轄では一家皆殺しの凶悪事件が発生。平蔵は唯一の生存者である少年・宗吉の記憶を頼りに似顔絵を作成する。その似顔絵を見た森山は驚愕の表情を見せるのだった。森山に隠された過去とは……?
第305話:火消し源助
火消し・六組の長男である源助は、火消しのくせに火が恐いという臆病者。一方、江戸では凶悪な火付け強盗が発生していた。責任を感じた六組は火盗改方に協力し、自主的に夜回りを敢行。父親と共に夜回りに出た源助は放火犯と遭遇する……。
第306話:盗人酒屋
居酒屋で酒を酌み交わす平蔵・粂八・彦十を盗賊の一味だと勘違いし、弟子入りを志願してきた少年・多吉がメインキャスト。そのまま盗賊のふりをして弟子入りを許した平蔵は、多吉を粂八の船宿で修行させることにする。多吉が更生するまでをハートフルに描く短編。
第307話:柳橋悲恋
火盗改方の同心・沢田のほろ苦いロマンスを描いた一編。手配中の盗賊・牧翔馬の妹で、売れっ子芸者の小染の尾行を命じられた沢田。しかし小染に対して恋心を抱いてしまい……。女性を描く際の作画タッチが他作品とは違っており新鮮な作風となっている。
斉藤 ルッチ
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