この記事の目次
簡単なあらすじ
ワイド版第25巻収録。晴れて身内となったお園を囲んで、新年の宴を楽しむ長谷川組を重点的に描く、ほっこり系エピソード。後半は大盗・白峰の太四郎が残した隠し金・七百両をめぐり、辰蔵の意中の女・お順が誘拐される事件が勃発。じつはお順の出生には重大な秘密が隠されていた……。
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お園の出生秘話を知ろう
『隠し子』で鬼平には腹違いの妹がいるという事を知り、迎えに行った鬼平であった。兄妹の名乗りをあげず、告げる是非についてまで悩み抜いていた鬼平。本作の前話にあたる『霜夜』にて妹である事を知ったお園だが、手放しで喜ぶという訳にはいかなかったのだな。
本作ではお園の心中、お園と結婚をした同心の小柳の心中。鬼平犯科帳に登場する主要人物の心の内を知る事が出来るだろう。お園の出生にまつわるエピソードも詳細に描かれているぞ。
アルハラ(アルコールハラスメント)にご注意
望まずして鬼平の身内となった同心の小柳ではあったが、酒豪のお園に対してお酒の全く飲めない下戸のようだ。笑い上戸(じょうご)、泣き上戸と、酒を飲む人を上戸というのに対して、飲めない人を下戸と呼ぶようだが、その語源には諸説あるな。
万里の長城の上の戸を守る門番は寒さをしのぐために酒が供与され、下の戸を守る門番には疲れを癒すための砂糖菓子が供与された。なんて説もあるようだ。所説あるとはいえ、下戸の人に無理やり酒を飲ますことは危ないからやめた方がいい。
口から摂ったアルコールは肝臓の酵素によって分解されていくのだが、日本人はこの酵素の働きが弱かったり、全く無かったり、という人が結構いるのだ。鍛えれば飲めるようになる!!なんてのは間違った考えなので、残すべき伝統と残してはいけない伝統は区別していきたいものだな。
辰蔵と弥太郎の捕り物
女性との色々な恋を経験してそれなりに熟練者となっている辰蔵だが、最近の好みは素朴系の女性らしい。しかしお目当てのお順なる女性が、辰蔵の目の前でさらわれてしまうのだ。どうやら盗賊の隠し子として生まれ、その盗賊が隠居後共に暮らすために預けられた七百両の大金が目当てでさらわれたようだ。
必死でお宝を掘り探す盗賊どもと、それをからかう鬼平、更には捕り物に参加させられた弥太郎のへっぴり腰。目新しい情報も含め、見どころ満載の作品に仕上がっているぞ。お園ファンならば必ず押さえておきたいな。
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滝田 莞爾
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