ゴルゴに触れることを許された男たち

あまりにも有名なセリフ「俺の後ろに立つな」のとおり、ゴルゴ13は背後に立たれることを極端に嫌います。そして背後に立った人間には鉄拳制裁が待っている。しかし50年以上の歴史の中で、背後からゴルゴの身体に触れることを許されたキャラクターも存在していることをご存知でしょうか。

今回はそんな超貴重キャラクターたちをずらりとご紹介。もちろん「背後から触った」の話題性を抜きにしても、十二分に楽しめる傑作揃いです。番外編としてゴルゴが他人と握手をしたエピソードもご紹介しています。どうぞお楽しみください。

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第16巻『ペガサス計画』

一人目は第16巻『ペガサス計画』に登場した“ビッグ・ジョー”こと、米陸軍のジョン・マッカロー軍曹です。最初はゴルゴのことを「黄色いの」とバカにしていましたが、ゴルゴの肝っ玉に惚れてからは頼もしいパートナーとして活躍。

「まかせておけ」と後から肩を叩いたり、「ゴルゴ」と呼び捨てにするなどしても、ゴルゴが機嫌を損ねることはありませんでした。かなりの信頼関係を構築したキャラクターといえるでしょう。
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第154巻『荒んだ大地』

二人目は第154巻『荒んだ大地』に登場した、ドクター平松。彼女はアフガンで救済ボランティアに励む日本人女性です。ボランティア・スタッフに扮したゴルゴが武装集団とニアミスし、一触即発状態となったとき、「抵抗してはいけない」とゴルゴを制止しました。

このときにドクター平松は背後からゴルゴの腕を掴んでいます。残念ながらドクターは、ゴルゴが武装集団を殲滅したところを目撃してしまいました。その後、ゴルゴはアフガン救済NPOに多額の寄付をしています。
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第155巻『一射一生』

三人目は155巻『一射一生』に登場した竹林流弓道の家元・竹林弥生です。本作では宇宙空間での任務を遂行するため、ゴルゴは銃器ではなく弓矢を使用。その弓の師匠が弥生ちゃんというわけですね。

弥生ちゃんは30歳前後の京都美人。ゴルゴは最初、弥生ちゃんが背後にまわって弓の操作を教えようとするのを拒みますが、結局、彼女の熱意に負けて許しています。二人のロマンスがあるのかないのか、気になるところですね。
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第193巻『血まみれのマハ』

四人目は193巻収録『血まみれのマハ』に登場したモニカです。冷酷無比な姉・イレーナとともに、暗黒街で恐れられる女殺し屋を演じる役どころ。ゴルゴと関係をもったモニカは、自分と駆け落ちしてほしいと胸の内を吐露しますが……。

モニカに後から抱きつかれたゴルゴは、なんと無言のまま防衛反応を起こさず。読者が本当に面白いと思った作品だけを厳選して作られた決定版『改訂版リーダーズ・チョイス』にも選出されている人気作です。
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第602話『地図無き悪霊の森』

五人目は第602話『地図無き悪霊の森』に登場したイヴァノバです。イヴァノバは、ゴルゴと共にロシアの透明スーツ軍団と戦った巨体を誇る女性で、ゴルゴに「戦友」とまで言わしめた稀有なキャラクターです。

後から触るどころか真正面から抱きしめる（しかも複数回！さらにタメ口！）という快挙を達成しました。先にご紹介したビッグ・ジョーの女性版といったところでしょか。ファン必見の女性キャラです。
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第103巻『モスクワの記憶』

驚いたことに許しを得たわけでもないのに、背後からゴルゴに触れることに成功したキャラクターもいます。この人物もご紹介しましょう。それは103巻収録『モスクワの記憶』に登場したアンドレイ・イワノビッチです。

イワノビッチはソ連の格闘技コマンド・サンボの達人で、ゴルゴの背後からスリーパーホールドを仕掛ける離れ業をやってのけました。歴代ライバルのなかでも背後からゴルゴに触れたのは彼ただ一人です。
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第2巻『檻の中の眠り』

こちらも許しを得ずに背後からゴルゴの肩に手をかけた命知らずが登場。仕事上、囚人として潜入した刑務所の看守がその人物です。ミッションとしての潜入ですから、ゴルゴも即座に殴ることはしませんでしたが、その後、しっかりと鉄拳制裁を加えています。
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番外編：ゴルゴと握手をしたキャラクターたち

「俺の後ろに立つな」同様に「他人と握手をしない」というのも、ゴルゴの絶対ルールとして有名ですね。これまでに何人ものVIPが握手を拒まれてきたでしょうか。しかしゴルゴと握手をしたキャラクターも僅かですが存在するのです。ここではそんな超貴重エピソードをご紹介しましょう。

第1巻『バラと狼の倒錯』

“黄色いバラ”と呼ばれる謎のジゴロをめぐる推理サスペンス。黄色いバラと取引のある大富豪・コルドバと、クレー射撃が縁で握手を交わしています。1969年作品ですので、若いゴルゴのズングリ体型が妙にカワイイ。
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第108巻『G資金異聞・潮流激る南沙』

スイス銀行で管理されているゴルゴの預金にまつわる国際経済サスペンス。ゴルゴはル・モンド紙の特派員に変装し、米軍の元准将にインタビューをした際、握手を交わしています。変装時はルール無視なのか？『穀物戦争 蟷螂の斧』に登場した人気キャラ・藤堂伍一もカメオ出演。
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第137巻『生存確率0.13％』

人工知能vsゴルゴ13の対決を描くスリリングな作品。人工知能が選んだ打倒ゴルゴに最も可能性が高い男・マックスとの握手シーンが掲載されています。黒幕のラマム博士によれば、相手の筋力と反射神経を把握するため、意識的に行ったとのこと。
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以上、「俺の後ろに立ってよし！」でした。どの作品も傑作揃い。とくに『ペガサス計画』は個人的にオススメです。70年代の作画タッチに抵抗がなければ、ぜひチャレンジしてみてね。

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斉藤 ルッチ

休日は日がな一日、本や漫画を読んで過ごしております。好きな漫画家はさいとう・たかを、寺沢武一、弘兼憲史、荒木飛呂彦、原秀則などなど。

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