この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第137巻収録。人工知能で相手の行動予測をおこなう戦闘プログラムを開発した天才数学者ラマム博士が、ゴルゴの抹殺を企てるエピソード。博士はプログラムを武器商人に売りつけるとCIAにリークし、CIAが自分を始末するためゴルゴを雇うように仕向ける。戦闘プログラムがはじき出したゴルゴの生存確率は0.13%だった……。脚本:熊坂俊太郎
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復讐の対象として狙われるゴルゴ
暗殺者として実績を重ねるゴルゴは、その復讐として狙われることも多い。劇場版アニメにもなった『帝王の罠』のほか、『喪服の似合うとき』『亜細亜の遺産 その後』などがある。本作でゴルゴの抹殺を狙うのは、人工知能の開発を手掛ける数学者のラマム博士。
物語の冒頭でとある老人の行動を完璧に予測した博士は、「私には、手にとるように未来がわかるのだ」とすら言っている。ただし純粋にゴルゴの殺害を目指しただけでなく、CIAの依頼でゴルゴに殺された弟の復讐も兼ねていた。そこが人工知能も読み切れないミスにつながったのかもしれない。

確率0.13%を乗り越える
タイトルの0.13%は、ゴルゴフリークのミハイルが集めた情報、コンピュータ技術者のバグ、ラマム博士の人工知能が協力して弾き出した数値だ。最初の計画は100%失敗、依頼場所で爆殺するのは90%以上の確率で失敗と出ており、わずか0.13%となったゴルゴの生存確率をミハイルやバグが大喜びしたのも無理からぬところ。
「0%と出ないのは不満だが、まあ、こんなところだろう」としたラマム博士は、「完璧な計画というのものは、あり得ないから、な」とも言ってしまう。ここを読んだ人の多くが「フラグが立ったな」と思ったのではないだろうか。
ゴルゴの殺害に失敗した原因とは
博士達の元にたどり着いたゴルゴは、「死にゆく者の目ではなかった」と仕掛けを見破った原因を明かしている。改めて博士達の計画を読み返せば、2つのミスを犯していると考えられそうだ。1つはショートレンジの狙撃で失敗した後の格闘でゴルゴを狙撃できなかったこと。もう1つは観覧車の爆破が遅れたことだ。
特に後者はラマム博士が指示しながらもバグが躊躇したことで、爆破が数秒遅れている。博士の指示通りに爆破できていれば、ゴルゴに大けがくらいはさせていたはず。どちらにしても、失敗したのは人間部分と言えそうだ。

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研 修治

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