この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス未収録作品。世界3大レースのひとつルマン24時間耐久レース。6連覇を狙う日本のミカワ自動車は、直前のBoP(性能調整)指示により栄冠を逃してしまう。だまし討ちにも等しい直前指示の裏には、環境保護団体「ノー・オイル」が“ある目的”のために暗躍していた…。脚本:加久時丸
突然のルール変更
タイトルでも想像できるように、本作の舞台は「ル・マン24時間レース」。フランス西部のル・マン近郊で行われるもので、約100年前の1923年から行われる歴史あるレースのひとつだ。ただしゴルゴへの依頼の引き金になったのは、レース直前に行われたルール変更にある。
カーレースに限らず、スポーツ、政治、経済など多くの分野で突発的な制度改正は数多く行われてきた。振り回される立場となることの多い日本勢からすれば迷惑な限りだ。本作のゴルゴはルール変更の裏側を見切って最初の依頼を断っている。これもゴルゴらしい一面と言えるだろう。
環境テロリスト
ゴルゴもテロリストと呼ばれているが、『爆弾魔』に登場する爆弾テロリスト、病原菌を利用するバイロテロが暗躍する『マイクロテロリスト』のように、シリ-ズにも多くのテロリストが登場する。本作の環境テロリストのビンセント・シルバーは、強引ながらも宣伝力を行使する厄介な人物。
シルバーに脅されてルールを変更したレース主催側も狙われても仕方ないと思うが、「レースで受けた屈辱はレースで晴らすもの」とゴルゴは断る。その後、ミカワ自動車の重鎮からシルバー暗殺の依頼を受けたゴルゴはあっさり了承した。これもゴルゴの読みだろうか。
意味のある死
条件付きの依頼は度々あるが、今回は依頼人の目の前で“意味のある死”を与えるように頼まれ、それを実現するためにゴルゴは時速300キロ以上出る電動バイク、重いイリジウム製のナイフを用意した。『饒舌なコイン』では時速200キロで飛ぶヘリコプターから慣性の法則を利用して死角の狙撃を可能にした。
今回はそれを超える時速300キロのバイクから100キロのスピードでナイフを投げて遠距離刺殺を実現させている。あえて狙撃以外の殺害方法を選んだ意図はナイフにあるのだが、ナイフに刻まれた英文はゴルゴが施したのだろうか。
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研 修治
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