この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第52巻収録。前話『沸騰』からの続編。ネオナチ組織から売られたケンカを買ったゴルゴはイスラエルのナチ・ハンター組織に接触し、敵の正体はネオナチ組織「第四帝国」であることを突き止める。
第四帝国の資金源に、盗掘美術品の売買があることに注目したゴルゴは、第四帝国と取引があるメキシコの盗掘業者に破格の条件で取引を持ちかける。商売相手を横取りされ怒り心頭の第四帝国は、最強部隊“ラスト・バタリオン”を差し向けるのだった……。
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ゴルゴに敵意を向ける愚
敵意を向けた相手に対して容赦しないゴルゴ。ただし必ず殺してしまうわけではない。『未来予測射撃』では懐に手を入れた男に対して、「ばかなマネはよす事だ」と思い留まらせている。
本作ではナチ・ハンターの職員であるノーマがこっそり銃に触れたところで、ゴルゴが「あそびをやめさせろ」などと警告する。しかし挑発に感じたノーマが銃を向けたことでゴルゴに胸を撃ち抜かれてしまう。
完結編『崩壊・第四帝国狼の巣』ではノーマを愛人としていたナチ・ハンター所長が登場し、ノーマの墓の前でゴルゴと対面している。これが彼にできる精一杯の反撃なのだろう。

引き立て役になったフラれ男
ゴルゴに殺意を向けて生きのびた男もいる。片思いをするマリアがゴルゴに惹かれていることを知ったディエゴは、「死ね」とゴルゴに向けて銃を抜こうとする。
いつものゴルゴであれば即射殺だろうが、この時のゴルゴは銃を撃ち落とすのみ。ディエゴが銃を拾おうとするところでも銃を撃って弾き飛ばすに留めている。
画商の立場を考えて殺さなかったのだろうが、「ただの画商には見えんが」とまで言われるほどの腕前を示す結果になったのは皮肉だ。その後にマリアとの情事を演じているが、あんな姿を見せられれば惚れてしまうのは無理のない話だ。
備えに費やした金額は?
画商に化けてネオナチを迎え撃つ体制を整えたゴルゴ。よくよく考えると、どこから依頼があったわけでもなくゴルゴが自腹を切った格好になっている。
ロンドン、パリ、ニューヨークと飛び回った後、銀座に画廊を開いている。表から一本入った1階らしいので、金春通りかガス燈通りくらいか。すると家賃だけでも月ウン十万は必須。
また、ニューヨークで購入した美術品1つで1万5000ドル(1981年当時のレートで約330万円)もする。他にも武器や爆薬、日当まで加えると8桁になるのは確実だ。ここまで周到に備えるゴルゴにはネオナチも敵わないだろう。

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研 修治

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