この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第45巻収録。ゴルゴとは数多くの取り引きをした元MI6のヒューム卿。自分の余命が1ヶ月だと知った彼は、女王陛下への最後のご奉公として、軍用犬を利用した爆弾テロの首謀者・バグネルの抹殺をゴルゴに依頼する。
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ヒューム卿の人を見る目は?
ゴルゴの敵とも味方ともなる MI6(イギリス秘密情報部)。長年その部長を務め、ゴルゴと関わってきたヒューム卿が本作の依頼人だ。ただしMI6を退職しているため満足な情報を入手できず、組織へ影響力も無くなっていることから個人として依頼することになる。
後任の部長には新人の頃から鍛えたとするマッコーレイを推薦したヒューム卿。本作から2年後となる『モナリザの弾痕』にはマッコーレイ課長が登場する。
同名の別人か、それとも失態で部長から降格したか。いずれにしてもヒューム卿の部下を見る目はイマイチだったようだ。
2度の依頼で全財産をはたく
ゴルゴに依頼するためヒューム卿は全財産をかき集める。不動産、預金、株式など合わせて約4万ポンドとなるものの、「まだ不足だな」と死亡保険金2万ポンドの受取人を変更して依頼料に上乗せする。
現在のレート(1ポンド=約130円)では約780万円。「安いな」と思うかもしれないが、本作を発表した1979年頃は1ポンドが500円を超えるため約3000万円となる。依頼料としては相場だろう。
元政府高官の財産としては少いが、本作の数か月前『薔薇の下で』でもゴルゴに依頼をしている。この時に高額を支払ったに違いない。
ゴルゴが隠していた一芸
銃の抜き撃ちでは世界トップクラスのゴルゴ。その余技なのか本作では手品?を披露している。
依頼を承諾したゴルゴはターゲットに関係するIRA(アイルランド共和軍)の動向について、「つぎはブリュッセルだ」と断定してヒューム卿を驚かせた。
その根拠を尋ねたヒューム卿にゴルゴは、「新聞も読めぬほど具合が悪いのか……?」と新聞を放っている。
しかもゴルゴは右手をポケットに入れたままのため、左手一本でどこかに隠し持っていた新聞を取り出したことになる。死を間近にしたヒューム卿。ゴルゴの一芸を見て二度ビックリだったかも。
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研 修治
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