この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第45巻収録。元公安一課特殊処理班のエリートだった川路大道が、リビア革命評議会のカダフィ議長を暗殺するべくリビアに潜入した。議長暗殺に日本の公安関係者が関わっていたとなると、立場上窮地に立たされる日本公安は、川路抹殺の刺客・鷹谷を派遣する。一方、リビアの空港でゴルゴと鉢合わせした鷹谷は、ゴルゴの目的はなんなのか探りを入れる……。脚本:外浦吾郎
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ゴルゴは盗聴、暗号解読もお手の物
ゴルゴと言えば依頼の遂行に必要なものは一通りこなすことが出来るイメージを持つ読者も多いだろう。また、出来ないことがあっても出来るように努力することが『崩壊 第四帝国 狼の巣』からも読み取ることができる。
さて本作で披露する盗聴から暗号の解読までは前者であったらしく、難なくこなし後述する盗聴相手の鷹谷にわざわざ伝えるなど余裕っぷりを披露している。次にターゲットの狙撃に関してもただ目的を遂行するのではなく、その後の処理まで考えた狙撃を行うなど鷹谷とのキャリアの違いを見せつけるシーンが本作のみどころのひとつだ。
物語の主軸となる鷹谷に注目
本作では公安一課特殊処理班に所属する鷹谷主任を主軸に話が展開される。冒頭にてトレーニングとはいえ、物陰から突然現れるターゲットの急所を正確に撃ち抜く等、素人には真似できない芸当をやってのける。
宿泊先に荷物が送られてきて銃を組み立てる様も『リオの葬送』等でゴルゴ宛に荷物が届き、それを組み立てる姿を思い浮かべることだろう。そんな技術に関しては一定の定評がある彼が、尊敬する元同僚を始末しろと国から依頼され動揺する。ターゲットを説得しようとするなど人情味溢れる彼がどんな結末を迎えるのか目が離せないだろう。
ゴルゴと鷹谷の対比もみどころ
ゴルゴと鷹谷の対比もみどころといえる。冒頭の鷹谷のトレーニングにしても読者からすれば普段のゴルゴの活躍と対比するだろう。分解された銃の受け取り方にしても鷹谷は日本大使館から堂々と送られてくるのに対し、ゴルゴは洗濯屋の少年に運ばせる等、組織に属しているものとそうでないものを事細かに対比している。
またその後の銃の組み立て、タバコを吸うところなどは鷹谷からゴルゴへと連続して描かれているのでこの二人が物語でどう関わってくるのか、俄然として興味が沸いてくる構成になっているのだ。ゴルゴの目的が最後のシーンまで明かされない、鷹谷がゴルゴを危険視して排除するか上層部に伺うなど『三匹の女豹』に似た構成だが、男達のハードボイルドな展開を読みたいならこちらの作品がお勧めだ。
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小摩木 佑輔
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