この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第34巻収録。ギリシアの伝統的な秘密結社「アスピダ」が誇る3人の女性エージェント・メリナ、ベアトリス、イザべラがゴルゴと対決する一編。とあるホテルのエントランスでゴルゴとすれ違った3人は、ゴルゴを明日に控えた売国奴・エレシウス元帥暗殺計画を阻止せんと、敵側が送り込んだ工作員だと判断してしまう……。脚本:外浦吾郎
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ゴルゴの女性への接し方がみどころ
ゴルゴシリーズでは頻繁に登場する美女との情事。美人助手による情事は『鎮魂歌に牙を』、女スパイを技巧で篭絡する『ナチス鉤十字章は錆びず』、医学的に不能の美女が絶頂を迎える『査察シースルー』等々、挙げだしたらキリがない。
本作でのゴルゴのみどころはズバリ「ゴルゴの女性への接し方」だ。前述の作品ではそれぞれ一人ずつ美女が登場しているが、本作ではなんと3人も同時に登場する。ゴルゴがこの美女3人とどのように接していくのか、ゴルゴの観察力、ポリシー、夜の技巧、彼の女性に対する接し方が濃縮された作品だ。

タイトル通りの女豹達に注目
本作の登場人物で注目すべきはなんといってもタイトルにある通り女豹になぞらえた3人の女殺し屋だろう。登場シーンからして警戒心全開のターゲットの信用を得て、ベッド上での暗殺テクニックを披露する女豹達。それぞれ異なる武器を隠し持っているが共通するのは全員がターゲットとベッドを共にする際、気を緩めた瞬間に隠し持っていた「牙」を剥くという点だ。
かなり「危うい」場所に隠している武器もあるので想像を膨らませてから登場シーンを見てほしい。また男を見る目は確かな3人がゴルゴを危険視し対決することになるが、ベッドの上を含めた「意外な」対決方法となるのもみどころと言えるだろう。
ゴルゴと美女の意外なやり取りに注目
ゴルゴと3人の美女、我々はこれを聞いたらゴルゴとの情事が3回あると連想してしまうだろう。しかしこの作品はそんな単調な話ではなく、3人それぞれが独自のアプローチを仕掛けるのである。その際のゴルゴの対応がみどころだ。「お前の手の内は全て読めている」といって去る。同業者のよしみかはたまた皮肉か殺すときの心構えをアドバイスする等々、シビれる対応・発言が多い。
また上記以外にもゴルゴは敵なのか味方なのか、またその目的等がまったく分からないまま物語が進んでいくため最後まで一気に読み進めたくなる構成になっている。そして全てが終わった後の衝撃の展開には読者も驚くことになるだろう。

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小摩木 佑輔

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