この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第10巻収録。前話からの続編。イエスがゴルゴのアラスカ行きを事前に知っていたため、CIA内に二重スパイがいると推理したゴルゴ。しかし実際はCIAからもKGBからも情報を得て、“ある機関”へと情報を流していた三重スパイであった。ゴルゴは“ある機関”の正体を暴くため、KGBの工作員・マイヤと共にブラジルへと潜入する……。
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ゴルゴの任務をサポートする装備品
本作のみどころはゴルゴが50時間眠らされた際に、KGBが調べ上げたゴルゴの所持品構成だろう。“さらば、愛銃…”のサブタイトルまで付いた『暗い街灯の下で』で登場したゴルゴの愛銃・M-16変形銃を筆頭に、『バラと狼の倒錯』『猟官・バニングス』などの初期作品から愛用している嘔吐ガス等々の装備品が明らかになり、ファン垂涎の作品となっている。
またゴルゴ個人のみどころとしては初登場のマイヤとの会食の際、彼女の食事を取り上げて食べた上、「正しい作法を身につける機会がなくってな…」と皮肉が利いた台詞を言うシーンが最高にキマっているのである。正にゴルゴだからこそ許される横暴の極みであることは間違いない。
KGBの工作員達
脇役で注目したいのは癖の強い工作員達だ。CIAの工作員だと思いきやKGBの工作員でもあるトナカイ2ことトニー・マーカスは、銃を抜く前のゴルゴを持ち前の交渉術で武装解除させている。面白いのは彼がたどる末路だ。再度、ゴルゴとの交渉を行うも失敗し命を落とす、正に“策士策に溺れる”を地で行っている。
次に外せないのは女性工作員・マイヤ。出会った当初のゴルゴの行動もインパクト抜群であったが、彼女の「あなたの管理も、あたしの任務のひとつ…」にも度肝を抜かれるだろう。続編でも活躍する女性なので見逃し厳禁だ。
幸運と不運が織りなす起伏に富む物語
本作は『アラスカ工作員』の続編で、ゴルゴの幸運と不運が織りなす起伏に富んだストーリー展開だ。まず最初の不幸はCIAの回収を受けるゴルゴが工作員・トナカイ2が脱出するためのハイジャックに巻き込まれる。
パイロットは死亡するが幸運にもゴルゴは助かり、トナカイ2になりすまして逃げようとする。が、それこそが更なる不幸の始まりで、彼が逃亡先で殺害対象に指定されていた等々…。その後も不運と幸運が交互に訪れ、ゴルゴの波乱万丈な人生を表すかのようなストーリーだ。本作だけだと敵の正体が分からないため、続編である『リオの葬送』も一気に読みたい。
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小摩木 佑輔
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