この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第57巻収録。陰謀による墜落事故で死亡したパイロット・マイクル。彼の母親メラニーは、事故の陰謀説を唱え調査を依頼するが、証拠が無いとして単なる事故死として片付けられてしまう。息子の死が陰謀によるものだと信じるメラニーは、真犯人の発見と始末をゴルゴに依頼する……。脚本:北鏡太
スポンサーリンク
世界各国で活躍する曲芸飛行隊
航空自衛隊に所属する曲技飛行隊のブルーインパルスを知っている人は多いはず。毎年全国各地で開催する航空祭や防衛大学の卒業式などでその勇姿を披露しており、YouTubeでも曲芸飛行やスモークの見事な動画を見ることができる。
そうした飛行隊は世界各国にある。本作の舞台はアメリカのネバダ州にあるネリス空軍基地だ。するとモデルとなっている飛行隊は同基地を本拠地とするサンダーバーズに違いない。アメリカ空軍に所属するサンダーバーズは、アメリカ海軍所属の曲芸飛行隊であるブルーエンジェルスと双璧ともいえる存在だ。
意外に知られているゴルゴの存在
本作の依頼人は息子を事故で失ってしまった老婦人だ。憶測ながらも事故の原因を聞かされた婦人は弁護士に相談するものの、犯人を追及しきれないと知ってゴルゴに依頼する。婦人に会ったゴルゴは、「俺のことにくわしいらしい……な」と疑問を抱く。ここで婦人が3年前まで国防省に席を置いていたことが明かされる。
思い出すのは『プレイバック』のディアナだ。国防情報局の高官の娘で職員でもあるディアナは、偶然ゴルゴを知ったことで悲惨な、ある意味では幸せな最期を迎える。極秘であるゴルゴの存在ながら、結構末端の職員にも知られているようだ。
ゴルゴが下す正義の鉄槌
婦人は依頼する際に、「相手が、白か黒かを、はっきりさせなければなりません」と条件を付けている。つまり確実な証拠がないままターゲットの犯行を確定させた上での暗殺の依頼だ。ゴルゴシリーズでも犯人や犯行が不確定な依頼は多い。
『13人目の陪審員』では、ゴルゴはわざと逮捕されてターゲットに近づいた後、ドラッグを使わせて犯行を確認している。本作でもふんだんに人と金とをつかってターゲットの犯行を確定されたゴルゴは、「有罪(ギルティ)」とつぶやいて銃弾を放つ。時に正義の鉄槌を下すゴルゴの手腕には爽快なものを感じてしまう。
この作品が読める書籍はこちら
研 修治
最新記事 by 研 修治 (全て見る)
- ゴルゴ13:第644話『心を撃て!』のみどころ - 2024年11月28日
- ゴルゴ13:第643話『怪力戦士イヴァノバ』のみどころ - 2024年11月11日
- ゴルゴ13:第642話『女の平和』のみどころ - 2024年10月1日