この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第39巻収録。米陸軍将軍の娘で国防情報局に勤務するディアナは、ある狙撃事件の捜査情報でゴルゴの顔写真を見て一目惚れ。掻き立てられる欲情を我慢できないディアナはゴルゴの現在地を調べあげ、娼婦のふりをしてゴルゴと一夜を共にする作戦を決行する……。
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ディアナの不思議な行動
ディアナは才色兼備の魅力的な女性だ。仕事もできる。男など選びたい放題であろう。しかしながら、並みの男には興味のないディアナはあろうことかゴルゴに関心を持ってしまう。そこまでは良いとして、ここからがディアナの行動が不思議だ。ゴルゴに抱かれるためになんと娼婦になりすますのである。
ディアナほどの女性であれば、正攻法で近づいてみても良かったのではないだろうか。23巻『潜入者の素顔』に登場した女性諜報員・ヨナは、ゴルゴに割礼痕があるかどうかを確認するため一般女性を装ってゴルゴに接近し、見事にその務めを果たしている。もっともディアナと同じくゴルゴを愛してしまったヨナにも、ハッピーエンドは訪れなかったわけだが。
DIA(米国防情報局)とは
米国の諜報部門と言えば、一番に浮かぶのはCIAだろう。知名度も高くゴルゴとの絡みも多い。CIA(Central Intelligence Agency:中央情報局)は大統領直属の独立した諜報機関である一方、DIA(Defence Intelligence Agency:国防情報局)は国防総省の一部門である。国防総省と言えば、五角形の建物でおなじみの”ペンタゴン”だ。
第4巻『査察シースルー』では上から目線でゴルゴに依頼をかけようとして逆ねじを喰らわされたり、104巻『バイオニック・ソルジャー』では”人間兵器”ライリーをゴルゴと対峙させたりしている因縁の機関である。
NSAもゴルゴのお得意先
作中で「右手のやっていることを左手が知らん!」と局長が嘆いているように情報機関の統制や棲み分けはいつの時代でも課題のようだ。それでも敢えて大雑把に言うとCIAは政治上の諜報を担当し、DIAは軍事上の諜報担当と棲み分けがなされている。
その観点で今エピソードでのディアナの仕事はCIAの職掌であるように思われ、越境しているのはDIA側では?と勘ぐってしまう。なお同じく国防総省傘下にNSA(国家安全保障局)もある。『死の翼ふれるべし』ではゴルゴへの依頼人となり、『最終暗号』ではゴルゴを追いかけまわして戦術核ミサイルまでぶっ放している。
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片山 恵右
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