この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第118巻収録。息子を殺された父親から、犯人であるインド人・バイディアの始末を依頼されたゴルゴ。別件で逮捕され、本国インドへ送還されてくるバイディアを追って、空港で待機するゴルゴだったが、その旅客機がハイジャックされるという突発事故が発生。機内にいる標的を仕留めるため、ゴルゴは意表を突く奇策に出る……。脚本:ながいみちのり
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狙撃方法に関する様々なオーダー
ゴルゴシリーズでは狙撃に条件を付けられることがある。単純に狙撃の時間や場所を指定する他に、『ダルフールの悪夢』では二人のターゲットに“誰もが無残と思える方法”で殺すように、『カオスの帝国』では失敗して別人を撃ってしまったように見せかけた狙撃を頼まれている。もちろんいずれの依頼もゴルゴはかなえている。
本作で息子のかたき討ちを願った父親から、「この恥知らずな男に、祖国の土を踏ませる前に天誅を加えてやってほしい」と頼まれたゴルゴは言葉のまま実行しようとする。その後にとんでもないことになるとは予想もしなかっただろう。
ターゲットが見せた安堵の表情
“祖国の土を踏ませる前”を律儀に守ったゴルゴは、着陸する飛行機からターゲットが降りてきたところ狙おうとする。「もっと前にチャンスが無かったのかなあ」と思うのは読者目線の勝手な想像。父親の依頼をかなえる面でもゴルゴはベストと考えたに違いない。
ハイジャックされた飛行機にNGS(インド国家保安隊)メンバーが強行突撃した時にターゲットは、「た、助かった!!これで死なずにすむっ!!」と言い、メンバーに成り代わって突入してきたゴルゴを見た表情は安堵そのものだ。その直後、ゴルゴに額を撃ち抜かれてまさに天国から地獄行きとなった。
ゴルゴに「下手くそ」と言った男
隊員に偽装したゴルゴが飛行機から離れようとすると隊長が、「おいっ、お前っ!!」と声をかける。「もうひと騒動か」と思うものの、隊長は、「下手くそめっ!!」とののしって、「一発で仕留めろと言ったはずだっ!!射撃の訓練をしっかりとやり直せっ!!」と言い捨てる。
ハイジャック犯を誤射して乗客を撃ってしまった部下へ当然の一言だが、ゴルゴに「下手くそ」と言って命が長らえたのはこの隊長くらいだろう。その後に負傷者の搬出を命じる隊長をゴルゴは無言で見つめるのみ。「俺を下手くそだと」とムカついていた……ってことはないか。
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研 修治
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