この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第101巻収録。群集心理は数学的に解析が可能だとする「社会カオス理論」の第一人者であるジョゼフソン准教授。彼女はこの理論を使って群集の心理を誘導できることを証明するため、ゴルゴに自分の暗殺を依頼し、群衆を誘導してそれを阻止するという実験を試みるが……。脚本:氷室勲
スポンサーリンク
ゴルゴに敵対するいろいろな目的
いろいろな目的を持ってゴルゴを罠にはめようとした人間は少なくない。『破局点』では理論を証明しようとした犯罪心理学者が、『ミステリーの女王』ではゴルゴを小説の主人公にしようとした小説家が、『情報遊戯』では情報通信のプロ達がゴルゴを取り込もうとして自らの組織や技術を駆使している。
本作では群集心理を分析する社会カオス理論の教授が、ゴルゴの狙撃に制約を加えるべく様々な工作をしかけている。ゴルゴに狙撃を失敗させるとの目的は他の妨害者とは異なるものの、ゴルゴの仕事を妨げようとする者であるのには違いない。

ゴルゴが狙撃を失敗する確率は87%
自分をターゲットとしながらも情報をリークすることで狙撃場所を限定させた教授は、「ゴルゴ自身も周りの目を集めてしまい、銃を構える事すらできないはずだ」とほくそ笑む。さらにゴルゴが狙撃を失敗する確率を87%と計算し、「ふふふ……それで十分!」とも言い切っている。
ここを読んだゴルゴファンは、「そりゃ無理!」と叫ぶだろう。後に人工知能を操る数学者がゴルゴの命を狙った『生存確率0.13%』で0.13%の危機すら乗り越えたゴルゴだ。その100倍となる13%もあれば狙撃の成功間違いなし。教授の計算が甘かったとしか言いようがない。
ゴルゴの依頼におけるルール
そんな教授に対して、かつてゴルゴに夫を狙撃された夫人から新たな狙撃の依頼が行われる。ただ夫人が依頼する前に夫について尋ねるとゴルゴは、「それが用件なら警察へ行け……」と立ち去ろうとする。当然だろう。
気を取り直した夫人から教授の狙撃を依頼されたゴルゴは、狙撃を依頼したことを教授に告げる許可を与えるとともに、教授を狙撃するとの依頼を断っている。これは重ねて依頼を受けないとするゴルゴのルールに沿ったものだ。それでも二重に受けてしまえば50万ドル余計に儲かったのに、と思ったのは私だけではないだろう。

この作品が読める書籍はこちら

研 修治

最新記事 by 研 修治 (全て見る)
- ゴルゴ13:第647話『コウモリ女』のみどころ - 2025年3月12日
- ゴルゴ13:第646話『医務官手帳』のみどころ - 2025年1月29日
- ゴルゴ13:第645話『破綻の先に』のみどころ - 2025年1月14日