この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第26巻収録。犯罪心理学の権威・ウェブナー教授は、犯罪心理学に情報科学の基礎理論を掛け合わせた独自の理論で、犯罪者の行動を予測できると断言。それを証明するため、ゴルゴに自分を殺すよう依頼し、ゴルゴの全行動を予測することで逆にゴルゴを抹殺しようと企む。
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どこまでゴルゴの行動を予測できるのか
ハーバード大学のウェブナー教授はかなりファンキーだ。学説証明のために自分の命をゴルゴに狙わせたり、実験室でFBI捜査官に発砲させたり。天才とナントカは紙一重を地で行く人物である。しかし教授の予測はゴルゴをイイ所まで追いつめた。惜しくも最後はオートマトン理論の応用による犯罪心理学の学説証明には及ばなかったが。
他のエピソードでは『生存確率0.13%』や『BEHOLDER』でも同様に行動予測でゴルゴを追いつめていく。これらはIT技術の進化により一味違った追いつめ方になっている。対するゴルゴも当然、対応策は今エピソードのような原始的なものからハイテク化している。そのあたりを比較しながら読んでみるのも一興だ。
“騒動師”とはどんな職業なのか
寡聞にして“騒動師”という職業を知らない。今エピソードでは重要な役回りとして“騒動師”リンドンというキャラクターが登場する。このリンドン、飛行機から爆弾を落とすだけであり、他にどんなことができるのか全く分からない。
“騒動師”はかなり珍しいと思われる職業であるが、ゴルゴには他に珍しい職業が登場する。例えば『ロメオたちの西側』の“ロメオ(女性をターゲットにしたハニートラップ諜報員)”や『香りの宝石』での“伽羅ハンター”、『STOCK』の銃床専門職人など。因みに『THE MOBS』で依頼遂行後の脱出のために騒ぎを起こすのにフラッシュモブを手配したこともある。
MVPは名もなきこの娼婦
動きが読まれて対策を考えあぐねていたゴルゴだが、名もなき娼婦が言った「相手のそんな時のようすで動くの!」「ふかく考えたりしないでさ!」という何気ない言葉で打開策を思いつく。
いつも娼婦には冷たい対応のゴルゴが、この言葉には明らかに顔色を変え考え込むシーンが印象深い。他に印象深い娼婦のキャラクターと言えば『ナイトメア』のクレオや『夜は消えず』のダニエルがいるが、ゴルゴにインパクトを与えたという意味では名もなきこの娼婦がMVPだろう。
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片山 恵右
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