この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第161巻収録。ロックフォール大学の研究所では、ガザル博士によって致死性の高い細菌兵器の開発が極秘裏に行われていた。この悪魔の実験を阻止するべく、細菌学の権威Dr.ラニマニエフは、ゴルゴに接触する。ゴルゴは警戒厳重な研究所からの脱出方法として、ネット上で話題のある集団を利用する。
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パフォーマンスか迷惑行為か
タイトルの「MOBS(モブス)」について作中に登場するニュース解説者は、「ネット社会の新しい“悪戯(エンターテインメント)”集団」と表現している。昨今では「フラッシュモブ」の方が通りが良いものの、政治的主張も含める点ではやや意味合いが異なるのかもしれない。
本作でゴルゴは細菌防護服を着た集団(バス2台分、約50人)のMOBSに、「(有害な細菌が広まって)我々を毎日こんな格好で生活させようってのかーっ!!」と叫ばせている。
結構な費用がかかっていると思うが、細菌学者の権威が私財を投げ打ったのであれば十分賄えるだろう。
ゴルゴが微笑んだ可能性あり
身分証なども用意されたことで細菌研究所に堂々と乗り込むゴルゴ。所内でこっそり防護服に着替えた後、暗殺や施設破壊の工作に取り組む。ここで見逃したくないコマがある。通りがかりの研究者に対して、ゴルゴが軽く右手を挙げているのだ。その研究者も左手を挙げて返している。
挨拶をしているゴルゴの目元が防護服によって見えないのが惜しい。前後のコマでは口元が「ヘ」の字になっているのに対して、挨拶のコマでは「一」となっている。つまり挨拶時に目元もわずかに微笑んでいた可能性がある。ゴルゴの愛想笑いが見てみたいものだ。
毒ガスのみで暗殺を実行
細菌学者の権威から、猛毒を持つ細菌実験の阻止と首謀者の暗殺を依頼されたゴルゴ。首謀者を毒ガスで殺した後、研究所自体を破壊・全焼させている。おそらく研究員の大半が死亡したはずで、ゴルゴにしては荒っぽい仕事だ。
『喪服の似合うとき』『1億人の蠢き』でも毒ガスを使ったことのあるゴルゴ。しかしこの時は最終的に銃で仕留めている。その意味では毒ガスのみで殺した珍しいケースだ。
しかし『鎮魂歌に牙を』にてゴルゴは毒ガスや毒薬などを常備していることも分かっている。銃だけでなくそうした薬物などの扱いにも長けているのだろう。
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研 修治
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