この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第156巻収録。地質調査の新技術を開発したボルツフとバリシコフ。ところがボルツフが富と名声を独り占めしようと画策し、バリシコフを事故に見せかけて殺そうとする。九死に一生を得たバリシコフは、報復としてゴルゴにボルツフ殺害を依頼するが……。
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恐るべき政策“南極の子供”
主要人物のアジャンタの告白による“南極の子供”政策をいうものを読者は知ることになる。アルゼンチンとチリの領有権争いを有利にするために、妊婦を南極に送り込んで出産させるという恐ろしい政策だ。
子供じみた狂気の沙汰であり、1970年代の人権感覚のなせるわざである。結局、”南極の子供”は10人以上が生まれており、彼らは人類史上最も南で産まれた人間とされている。本作では“南極の子供”のひとりであるアジャンタが登場。スノーモービルを颯爽と乗りこなしゴルゴの危機を救うなど、縦横無尽の活躍をみせている。
極地でのサバイバル術も超一流
ゴルゴは極地でのサバイバルも超一流である。南極の海に放り出されたら誰でもひとたまりもないところ、ゴルゴは生き抜く。『白龍昇り立つ』では厳寒のヒマラヤ8,000メートル級の高地でアルパインスタイルを駆使して生き抜き、『極北のテロル』ではアラスカの吹雪の中、犬ぞりでの追走術を見せ、命がけで北極海に飛び込み勝機を作り出した。
寒冷地のみならず、他の極限状況でも一流のサバイバル術を見せる。『スフィンクスの微笑』ではエジプトの砂漠の中で怪我を負いながら生きながらえたし、『海底の豚』では海中でサメの大群に囲まれながら、脱出・生還を果たしている。
南極へ行ってみたいと思ったら
今エピソードを読んで南極へ行ってみたい、あわよくば隕石を見つけて一攫千金を狙いたいと思った読者もいるのではないだろうか。しかし、日本とは桁違いの寒さと遠方であることから、日本人で南極の地を踏んだことがある人は少ないだろう。
“遠い”南極であるが、観光客向けツアーに参加すれば行くこと自体は難しくない。日本発着のツアーの他に、チリ、アルゼンチン、ニュージーランドからのツアーもある。南米大陸南端から、南極大陸までは最短で1,000㎞と案外近く、東京福岡間程度だ。ツアー日程は2週間程度が多く、代金は1日10万円くらい。よほど高い隕石を拾わないと元は取れないようだ。
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片山 恵右
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