この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第174巻収録。環境破壊から豊かな自然を守るため立ち上がったテロ・グループ。リーダーのデゴスは、強奪した核廃棄物で開発区域一帯を核汚染させようとする。テロ阻止を依頼されたゴルゴはアラスカへ乗り込むが、デゴスは過去に、瀕死のゴルゴを助けたことがある恩人だった……。
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英雄デゴス登場。イヌイットの掟とは?
いかに超人的なスナイプテクニックやフィジカルを有していると言ってもゴルゴも人間には違いない。状況によっては危機に陥ることがあり、そんなゴルゴの正体を知らないままに助ける人達が登場する話もある。
本作で登場するイヌイットのデゴスも、イヌイットの掟に従って危機に瀕していたゴルゴを助けている。瀕死の状態ながらもデゴスに気づきナイフをかざすゴルゴを見て、「誰にも頼らず、誰も信用しない男のようだな」と判断しながら、生肉を放り投げて去っていくデゴスもまた真の男だ。
ゴルゴの美学。屈指の名勝負
そんなデゴスがゴルゴのターゲットとなり、ゴルゴもデゴスを覚えている。ゴルゴの内心にいろいろ葛藤があっても良さそうだが、ほとんどそれらしい描写がないのはまさにゴルゴと言うべきだろう。強いてあげれば、デゴスの写真をみたゴルゴに数秒の沈黙があり不審に思った依頼者から、「な、何か心当たりでも?」と問われている場面がある。
ゴルゴは、「いや……」と答えただけに留めているけれども、その数秒で全て納得するのがゴルゴの流儀に違いない。ゴルゴとデゴスの対決はゴルゴが負けていても不思議が無かったくらいシリーズでも指折りのものだった。見たところ狙撃の腕前は互角ながらも、デゴスの想定を越えた行動を選択できたゴルゴの発想力による勝利と言えそうだ。
ゴルゴの恩返しはなんだったのか
ゴルゴを助けた人間が登場する話には『黄金の男』『パッチワークの蜜蜂たち』『感謝の印』などがある。多くのケースでゴルゴは助けられた恩返しをしているけれども、本作ではデゴスに恩を受けたままになっている。手段はともかくアラスカを救うために行動したデゴス。彼から受けた恩をゴルゴが返すことはあるだろうか。あるとすれはどんな手段だろうか。
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研 修治
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