この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第39巻収録。米国の宇宙衛星が軌道上で隕石群と激突し、制御不能となった。この衛星は核攻撃用の衛星であり、この事実が明るみに出ると困る米政府は、宇宙空間での狙撃で軌道を正常に戻す計画をゴルゴに託すのだった……。ゴルゴが信頼する銃職人デイブ・マッカートニーも登場する。脚本:きむらはじめ
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ゴルゴ、シリーズ初の宇宙出陣へ
アメリカとソビエトとのデタント(緊張緩和)によるアメリカ大統領からの依頼、宇宙空間での狙撃、それに応じた特製ライフルの作成、と盛りだくさんの本作ながら、それ以上にモヤッとしたラストシーンが気になる本作。
依頼に関わる1人であるアメリカ空軍のダニエル・ファーガソン准将はゴルゴを東洋系人種と見下しており、ゴルゴの装備に地球に還れないような仕かけを施した。しかし酸素ボンベの空気を使う機転により、ゴルゴは地球に戻ってきたので無事現在も連載が続いている。
裏切り者を見逃し。その真意とは?
そこで気になるのがラストシーンだ。ゴルゴは宇宙で死んだと思い込んでいるファーガソン准将は、すれ違った車をゴルゴそっくりな男が運転しているのを見て驚愕の表情を示し、運転手に「まるで幽霊でも見たようなお顔ですよ………?」と言われてしまう。そして「END」だ。
個人的に「これで終わりなの?」と思った。基本的にゴルゴは裏切り者や仕事を妨害する者は許さず、最悪の場合は殺してしまうことも度々だ。なので、ゴルゴの宇宙服に仕掛けをしたファーガソン准将を生かしておいても良いの?となる。この後、どこからか銃声が響きファーガソン准将の眉間かこめかみにでも穴が開いて、「END」であれば納得が行くのだけれども。
ゴルゴの教訓となった一件
ファーガソン准将の卑劣な工作をゴルゴが単なる機械の故障と考えて、ファーガソン准将とすれ違ったのも本当に偶然であれば、そのままやり過ごしても不思議ではない。ただし、帰還カプセルに戻ったゴルゴの表情は意味深だ。後に『一射一生』で宇宙での依頼を受けたゴルゴは、安易に宇宙に赴くことを断っている。本作で命を落としかけた教訓として慎重になったのかもしれない。
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研 修治
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