この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第117巻収録。ゴルゴの周辺に謎の情報網が張り巡らされ、依頼情報が筒抜けになる事件が発生。情報網を操作する謎の組織を突き止めるべく動き出したゴルゴは、中国華僑で客家最大の組織・陳門会の首領、陳勝輝に協力を仰ぐ。はたして浮かび上がったのは、デンマークのエリート養成機関である「NEI」という組織だった……。脚本:竹内亨
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ゴルゴの説明責任を問う
作中では5件の依頼がある。1つはデンマークにあるNEI(国立経済学院)のギオル達をはめるためにゴルゴが用意した罠だ。そしてNEIの横やりが入ったものが1件。依頼のキャンセルが2件。期限ギリギリにゴルゴが完遂したものが1件。
ここで注目したいのは横やりが入った1件だ。スコープの先で爆破したターゲットを見たゴルゴは、「偶然なのか、それとも」と依頼人に裏切りが無いことを確認した後に依頼料を返している。事情を知らない依頼人はあっけにとられるばかり。「もうちょっと説明しても良いんじゃないの」と思ったのは私だけか。

情報だけでは勝てない相手
ゴルゴを巧みに追い詰めていくギオルだが、情報の入手や活用は見事なものの、人間としての対応に粗い部分が目に付く。例えば、交渉人に十分な情報を与えていなかったり、ゴルゴの尾行を単独で行わせたり、仲間がパスワードをあっさり盗まれてしまったり、殺してしまったターゲットの確認が甘かったり。
極めつけは警備員の格好をしたゴルゴをあっさり部屋に入れてしまったことだ。顔すら確認しなかったのはなぜだろうか。さらに最後の手段すら見抜かれてしまったマヌケさは、どこか『生存確率0.13%』に登場するラマム博士を思わせるものがある。
ゴルゴを引退させる情報の中身とは?
ギオルはゴルゴが誘いに応じなかった場合の対策として、「世界中の情報機関を“その気”にさせるための“爆弾情報”が流せるよう用意してある」と口にしている。結果的にゴルゴが研究所自体を丸焼けにしたため、おそらく爆弾情報自体も消えてしまった可能性が高い(どこかに残っていて、後の事件につながるかもしれないが)。
さてどんな情報だったのか。『パンドラの柩』では、ゴルゴの遺伝子を入手するため、ゴルゴとの関わりを暴露するとして各国政府が脅されることがあった。ギオルもこれに似た情報を用意していたのかもしれない。
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研 修治

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