この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第140巻収録。軍事アナリスト・貴美島の裏の顔は武器商人である。貴美島はクローン技術を利用して最強の身体能力を備えた人間兵器の開発を目論んでいた。彼はクローン作製の権威と結託しゴルゴのDNAを入手することに成功。一方、自分のDNAを奪われたことを知ったゴルゴは、ある遺伝子研究家に協力を要請する……。
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登場する日本人にモデルはいるのか
ゴルゴの遺伝子を利用して人間兵器をつくる計画の一翼を担うのが、日本人軍事アナリストの貴美島淳だ。彼は「筑紫哲也 NEWS23」をモデルにしたと思われるニュース番組でヒューマノイドウエポン(人的兵器)を示して筑紫さんに似た司会者を驚かせている。
気になるのは貴美島のモデルがいるかどうか。『ジョーカーを砕く』ではラミーキューブの優勝者として桑原正人さんを実名で、「闇の封印」では故・田中角栄首相らしき人物を中田丸助として描いている。
狂った実験者に首の骨を折られて死んでしまう貴美島。モデルはいないと考えて良さそうだ。
帽子と鞄で雑誌記者を名乗る
本作でキーパーソンとなる医学者のマリナ・パットナム。ゴルゴは専門誌の記者モリサキと名乗って彼女にインタビューを申し込んでいる。ここでゴルゴ記者の服装に注目したい。
いつもとほぼ変わらないネクタイとジャケット、ショルダーバッグ、そして中折れ帽子だ。むろん立派な体格-マリナが一目ぼれするほどの-は隠しようがない。
『リプレイ』では、プロのメイキャップアーティストを雇って完璧に変装するとともに、メガネをかけただけの格好で記者を名乗ってもいる。ゴルゴ記者に対応した刑事も「ごっつい記者だなあ」と思っていそうだ。
ゴルゴが運命を預ける相手
ゴルゴにひと目ぼれしたマリナは、不信感を抱きながらもゴルゴの頼みを承諾する。「前金として」と懐に手を入れたゴルゴに、「報酬はいらない」「私を抱いて!」と言わせるのはレディキラーゴルゴの本領が存分に発揮されたシーンだ。
この後、仮死状態となるゴルゴは彼女に体を預けるのだが、他人に運命を委ねることを嫌うゴルゴにしては珍しい展開と言えるだろう。
ただし、すれ違った運転手の視線に違和感を覚えて遺伝子実験から自らの暗殺計画まで見抜いたゴルゴであれば、自分に惹かれた女性の心理を手玉に取るのは狙撃よりも簡単なのかもしれない。
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研 修治
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