この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第41巻収録。ゴルゴの仕事としては、鉄鋼王ブリストンを狙撃する話だが、物語はゴルゴと5年ぶりに再会した女性・メアリーを中心に描かれている。ゴルゴに冷たくされたメアリーは、もう一度彼を振り向かせようと、ゴルゴの部屋に忍び込み裸になったり、狙撃現場に押しかけて裸になったり、やりたい放題。脚本:外浦吾郎
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ゴルゴに近づく女の結末
本作のヒロインであるメアリー。10代はピッピーとして過ごしながらも3年前に銀行の頭取と結婚したことで富豪夫人に収まっている。そんなメアリーが滞在先のホテルで偶然ゴルゴと出会ったことから悲劇的な結末につながってしまう。
似たような設定は『夜は消えず』でもあるが、同作のヒロインが犯罪に絡んだ過去を避けているのに対して、本作のメアリーは自らゴルゴに近づいていく。『プレイバック』でもゴルゴを追ったヒロインがゴルゴに殺されているように、それが間違った行動であるのはゴルゴファンなら知っているだろう。
打ち上げ花火をターゲットの餌に
今回のターゲットはオーストラリアの鉄鋼王と呼ばれるケネス・ブリストン。オーストラリア議会の疑獄事件に関わっている彼は、「口を封じたがっている連中がかなりいます」と忠告されるものの、身の安全には無頓着だ。
とは言っても、大海に浮かんだヨットに乗っていれば安全と思うのも無理からぬこと。ヨットのスタッフですら彼の正体を知らないのならなおさらだ。そんな彼をおびき出すのにゴルゴは打ち上げ花火を使う。花火好きなケネスの嗜好をゴルゴが知った経緯は不明だが、死ぬ間際に見せた光景としてはなかなかの演出かもしれない。
美女の頭を撃たなかったゴルゴ
ケネスの狙撃を終えた直後、船に乗り込んできたメアリーに気づくゴルゴ。もしメアリーが殺し屋だったらどうしたのか。もっとも殺し屋だったら、その殺気でゴルゴはもっと早くに気づいていたかもしれない。
殺しの場面を見られたゴルゴはうかつと言えばうかつながら、ここは荒れた海をスキューバダイビングで泳ぎ切ったメアリーをさすがと褒めるべきだろう。「殺せるもんですか!!」と自信満々で全裸をさらすメアリーに対してゴルゴは無言で銃を向ける。ゴルゴが撃ち抜いたの眉間ではなく胸だった。惜しいと思ったのか。それとも哀れにでも感じたのだろうか。
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研 修治
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