この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第6巻収録。ゴルゴの名を語り、高額で仕事を請け負っていたピアーズ。幾多の暗殺の成功で自信過剰になっていたピアーズは、「ゴルゴを倒し、自分の名前で一流として成功したい」と願うようになる。引退して甘い生活を夢見ていた相棒のマーサは、なんとかゴルゴとの対決を諦めさせようとするが……。
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ゴルゴ危機一髪、意識外からの不意打ち!
本作品のゴルゴの見どころは「完全に先手を取られた状況」での対応だ。ゴルゴは超一流のスナイパーであるため待ち伏せ等が予測される場合、「自分自身がゴルゴの命を狙う際、どこに待ち構えるか」を想定、行動することが『デッド・アングル』から伺える(上記作品ではどこに待ち伏せているかわからないはずのスナイパーを撃破してから任務を達成した)。
だが今回のターゲットはショーの観客の一人、室内であるためゴルゴ自身も潜入しているほどだ。照準を定めるゴルゴはライバルからの意識外からの不意打ちにどう対応するのか、ゴルゴの完全無欠ぶりをこの作品で堪能して頂きたい。
銃対ナイフ!ナイフ投げの達人
ゴルゴの名を騙り、その名声を利用して暗殺の仕事を請け負う「偽ゴルゴ」ベン・ピアースが今回のライバルだ。ゴルゴの偽物と聞くと『パンドラの柩』に登場する大量のゴルゴクローンを連想してしまうが何のことはない、ただの騙りである。
彼の特技は「音もなく」投げることのできる正確無比なナイフ投げだけ。ナイフと銃では勝負にならない、誰もがそう考えるだろう。ましてや相手はあのゴルゴである。そんなナイフ投げしか取柄のない彼が銃を持つゴルゴにどのように挑むのか、貧弱な武装のライバルが銃器を持つゴルゴに挑む異色の作品だ。
ちなみにゴルゴが短刀、敵が銃という逆に近い組み合わせが『落日の死影』にて実現している(この際、ゴルゴは短刀を正確に相手の急所に投擲するという高度な技術で敵の殺し屋に勝利した)。
ゴルゴを超える、それは全読者の夢だ
本作品ではどさまわりのサーカスメンバーすら勤め上げられない底辺のベンが「ゴルゴに勝利し最強のヒットマンになる」というファンならば誰もが一度は思い描く夢を実行にまで移してしまう稀有な話だ。
ベンはゴルゴの名を騙り大金を得ているためリスクを冒す必要などどこにもない。恋人のナタリー・ルイスも必死に止めるよう懇願する。彼は金も女も満たされている。でも満たされないものがある、それは名誉だ。自らが新しい最強の男になろうとする。最高の名誉を手にするために。本作品ではそんなベンの生き様がファンの夢を代弁する作品となっている。
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小摩木 佑輔
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