この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第148巻収録。ペンタゴンが最新の技術を結集して開発した地上戦用バトルスーツ「SDR2」。ペンタゴンはその性能を実証するべく、世界中からテロリストを集めてSDR2と対戦させることを計画する。そして、その作戦が実行されている孤島にゴルゴが不時着し……。ゴルゴvs無敵のバトルスーツ!
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完全に巻き込まれ損なゴルゴ
『ジェット・ストリーム』『禍なすもの』や『依頼保留』など、ゴルゴには色々な事件に巻き込まれてきた過去がある。今エピソードも完全に巻き込まれ損だ。
しかも不時着した無人島で殺し合いの実験というヘビーなシチュエーションである。ただ、こういう時こそいつも以上に冷静に対応するゴルゴ。危機対応の生きる教科書と言っても過言ではない。
今回、巻き込まれたからこそ島外への脱出手段を得たのだが、そうでなくでもゴルゴのこと。“もしもの時”システムなどが発動され、救援されていたことであろう。その場合を描いたアナザーストーリーも読んでみたいものだ。
装甲兵という兵器の将来性
軍事技術というものは世間に情報公開される種類のものではない。従って、装甲兵(ヒト+テクノロジー)という概念の兵器についての軍事上の進歩がどうなっているのか、一般人には想像の域を出ない。
しかしながら無人爆撃機プレデターなどが戦地で重用されていることから、人命を危険にさらす装甲兵は時代に合わなくなっていると推察できる。
人命に対する補償の高騰、AIの進歩、開発製造コストから、今後は無人で遠隔操作もしくはAIによるロボット兵(自立型致死兵器、LAWSとも)の登場がなされるであろう。ただし、LAWSは非人道的ということで規制を議論されている分野だ。
戦争にもコストがつきもの
1960年代圧倒的な軍事力の優位にあった米軍がベトナム戦争で泥沼に陥った要因のひとつとして、兵士の育成費用の隔たりがあったことが挙げられる。
諸説あるが、べトナム兵の育成費用が3千ドルに対し、米軍正規兵の育成費用は30万ドルとも言われており、コスト競争力に100倍の差があったのだ。
米兵1人がべトナム兵100人を倒してやっとコスト回収ができる。米国にとってもともと不均衡すぎる構図であったのだ。結局のところ、装甲兵SDR2もコスト回収が困難な点で実用化が険しいと言わざるを得ない。
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片山 恵右
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