この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第63巻収録。謎の出血性熱病の患者が運び込まれた。調査の結果、細菌兵器が使われた可能性が浮上。陸軍情報部は科学戦防衛研究所のコベントリー卿が感染源と断定する。感染被害を最小限にとどめるため、コベントリー卿と接触した人間を消しにかかるが、そのなかにはゴルゴが含まれていた……。
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最凶・最悪のバイオ兵器:AZ4 CP72
炭疽菌と出血熱を混合した最凶・最悪のバイオ兵器の登場だ。それぞれ単独でも十分な威力なのに混合させたところがミソである。バイオ兵器も様々で、感染力、発症率、発症時間、防疫手段などの要素で威力が異なってくる。
“AZ4 CP72”は、一方は抗生剤が有効であるがワクチンが無効、一方はワクチンが有効だが抗生剤が無効という特徴を持つもの同士の混合というのがミソで、防疫を取りにくくしている悪魔的なバイオ兵器だ。他に二パウィルスを扱った『マイクロテロリスト』、天然痘を復活させた『高度1万メートルのエピデミック』などでバイオ兵器が登場するので比較されたい。
珍しいカナダを舞台とするエピソード
ご存知のように行ってないところがないくらい世界各地を舞台にするゴルゴ。今エピソードはカナダである。カナダを舞台にするのは初期の『マニトバ』や『大きな口の湖上』などがあるが、国としての知名度や存在感からして少ない印象だ。
かつての先進国首脳会議(G7またはG8)各国でくくってみても最も少ないことは間違いない。ただこれはゴルゴに限ったことではなく、犯罪や諜報、テロといったゴルゴの活躍しそうな題材がカナダのイメージとそぐわないと いう事情もあるかもしれない。
カナダ陸軍の荒っぽい手口
先に挙げたカナダを舞台にしたエピソードでは共に”王立カナダ騎馬警察(Royal Canadian Mounted Police)”という国家警察(王立カナダ騎馬警察とはなんと優美な名称か!)がゴルゴの相手であった。今エピソードでゴルゴと対峙するのはカナダ陸軍だ。
バイオテロ兵器関連ということで陸軍の出動となったわけであるが、カナダ陸軍のやりくちはかなり荒っぽい。ホテルを焼き払ったり、下水道に閉じ込めようとしたり。ゴルゴはひたすら追いかけまわされて、全くの大損。カナダ陸軍へ落とし前をつけても誰からも文句を言われないだろう。
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片山 恵右
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