この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第32巻収録。CIAの元職員・マッコードが東側に暗号を売り渡していたことが発覚した。マッコード暗殺を請け負ったゴルゴだったが、姿をくらませたマッコードが姿を見せるのは、「大きな口」と呼ばれる湖上での一瞬だけだという。ゴルゴは“ある特殊な狙撃”を可能にするカスタムライフルを別注する。脚本:K・元美津
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世界中の極寒の地で活躍
過酷な依頼の多いゴルゴ。『極北のテロル』のアラスカ、『極寒の大地』の南極、『欲望の輪廻転生』のヒマラヤのように極寒の地で戦うことも度々だ。敵以上に障害となる自然環境の厳しさをゴルゴがどう克服するかが見ものとなる。
作中で依頼人が説明しているように、タイトルは北米インディアンが「大きな口(ラージマウス)」と呼ぶ小さな湖にちなんでいる。「大きいの?小さいの?」と思うかもしれないが、その辺りは見る人の主観だろう。舞台はカナダの北西地区とあるだけで、その近辺には多くの湖や池がある。モチーフになったのはどれだろうか。
ゴルゴの後ろに立つな
ハンター1人につき1頭との規則がありながら、ヘラジカ2頭を殺したことで猟区管理官に逮捕されたゴルゴ。その際、管理官の1人が背後に回ったため、ゴルゴはライフルの台尻で殴りつけてしまう。他の作品でも似たようなシーンは多いが、本作でのゴルゴはちょっと驚いたような表情をしている。本人ですら驚くほど反射的な行動だったらしい。
しかし以降の展開を読むと、事件を起こして人々の話題になるのは計算のうちだったように感じられる。強力なライフルはともかく、女性向けの赤い防寒着まで用意していたゴルゴ。どこまで想定していたのだろうか。
肉薄する管理官の推理
最後にはターゲットを射殺したゴルゴ。それに肉薄するボブ・ミラー管理官の追跡はあと一歩で届かなった。それでもゴルゴの外見や挙動、銃などの持ち物、身元不明の襲撃者、2年前のスパイ逮捕と2週間前に出たアメリカ人の捜索依頼などを結び付けて推理の網を絞っていく過程は興味深い。
『円卓の騎士団』のケンドリック刑事、『タッチ・ダウン』のアダムス刑事、『螺旋』などのジャヌー刑事らがゴルゴに迫っているが、いずれも徒労に終わっている。規則違反であっても一旦はゴルゴに手錠をかけることができたボブは活躍した方と言えそうだ。
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研 修治
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