この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第40巻収録。アメフト界の花形選手がプレー中に狙撃された。大ファンである老刑事・ルウは、絶対に犯人を挙げてみせると意気込むが、科学捜査重視の本部からは「古い捜査手法はいらない」とお払い箱。激昂したルウは辞表を叩きつけ、個人の資格で犯人を追うと宣言する……。脚本:外浦吾郎
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“タッチ・ダウン”と言えば……
タッチ・ダウンと言えば、飛行機好きには“着陸”のことであるが、スポーツ好きにとっては“アメリカンフットボール(以下:アメフト)で得点する”こと、と来るだろう。アメリカではプロ・アマを問わず絶大な人気を誇るアメフトであるが、日本での人気は野球やバスケットボールの遅れをとるマイナースポーツという位置付けだ。
今エピソードはアメフトに舞台を取るがアメフトの知識が全くなくても楽しめるストーリーなのでご安心を。アメフト好きにとっては、ブルーのポジションがどう見ても“ランニングバック”にしか見えないなど余計なことに気づいてしまうので、むしろアメフトの知識がない方が楽しめる。他にアメリカのプロスポーツを舞台にするエピソードに『カリブの夢』『氷上の砦』がある。
クセの強い老刑事ルウ・アダムス
クセのある老刑事VSコンピューター捜査という趣きで、ハウダニット(どうやって?)を推理していくのが見どころ。極言するなら、舞台にわざわざ日本でマイナーなアメリカンフットボールを持ち出さなくても全く構わない構図である。
ところでルウ刑事のクセの強さは、常時犬を抱いているところからも明らかだ。刑事としての言動からは優秀で捜査に対する情熱の炎を燃やす敏腕刑事である(あった)と思われるが、上司や同僚からは煙たがられる存在なのではないだろうか。
迷犬?名犬?サニー
老刑事ルウの相棒・サニーは怪しい人物に対して吠える能力を持ち合わせいる。如何にも怪しげな依頼人であるトムに吠えるのはわかるが、エレベーターを降りた瞬間に通り向こうの人影を察知してまで吠えるのは名犬過ぎないだろうか。
しかもその人影は世界最高クラスに用心深いゴルゴなのである。こんな名犬が相棒であれば、ルウ刑事のコンピューター嫌いもやむをえまい。なお余談ながら今エピソードが発表された1978年には赤川次郎の三毛猫ホームズも誕生している。
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片山 恵右
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