この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第4巻収録。インデアンのビッグ率いる4人組は、輸送車を襲い金塊を強奪する計画を実行する。しかし装甲車で運んでいるものは金塊ではなく、CIAが極秘裏に処分をする毒素兵器だった。何も知らないビッグ達は、CIAから依頼を受けたゴルゴと、毒素兵器を奪おうとするソ連の戦闘に巻き込まれ……。
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ゴルゴの用心深さと機転の良さ
本作で印象的なのは愛銃から弾を抜かれたにも拘わらず銃を撃つことが出来たシーンだろう。「へやがふたつある時……おれは銃をふたつ、それぞれのへやに用意してあるんだ……」。どんな状況下で襲われても大丈夫なように抜かりのない備え、まさに平常運転のゴルゴである。
もう一つの注目点を挙げるとすればゴルゴの機転の良さ。本作では毒ガス兵器を無事廃棄できるようにとの依頼だった。無事廃棄できない状況に陥ったと判断した際、独自判断でクライアントの意向に一番近い形であろう行動をとっている。ゴルゴの機転の良さを伺えるシーンである。
モンスターマシン、ブーメラン
本作のキーワードは装甲車である。金塊につられてやってきたインデアンの手下に毒ガスを吹き付け死亡させる、彼らが仕込んだ猛火にも30分耐え続けるなど、化け物と呼ばれるに相応しい性能を誇るモンスターマシン、通称ブーメランだ。
ゴルゴがそのモンスターマシンに挑む話かと思ったが、積み荷を降ろす際はさすがに無防備となるので無事廃棄できるようにサポートする。最強装甲車×ゴルゴという異色の組み合わせもみどころと言えるだろう。このタッグが強すぎて失敗する未来が予想出来ないと思いきや、機械が故の弱点が露呈するのも本作の面白いところだ。
順調に進むと思いきやまさかの展開に
ストーリー構成のみどころはCIAのフーバーがゴルゴに依頼を説明するシーンだ。「トクシンP2を無事に廃棄できるように、きみ協力してもらいたいのだ!」この依頼内容の曖昧さだと、例えば軍が攻めてきたとしても、トクシンP2が遠方に持ち去られたとしても対応しなくてはならない。
『色褪せた紋章』『ベイルートVIA』に登場する名脇役だけあって、ゴルゴの能力を十二分に発揮させる依頼の仕方を心得ていることが分かる。地味ながら注目すべきシーンだ。そして本作最大のみどころは、トクシンP2廃棄場所近辺での攻防だ。廃棄勢力、奪取勢力、インデアン勢力とそれぞれの思惑が絡み合う謀略渦巻く中、ゴルゴがバイクで縦横無尽に駆け回り奮闘するバイクアクションと銃撃シーンが楽しめる作品となっている。
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小摩木 佑輔
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