この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第4巻収録。数年前まで殺し屋ダッシュの愛人だったナンシイは、ダッシュを警察に売り、大富豪の妻へと鞍替えをした。しかし死刑になったはずのダッシュが、ナンシイの前に現れるに至り、夫のパーカーはボディガードとしてゴルゴを雇うのだった……。脚本:小池一雄
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リアルタイムで見たかった“あの場面”
1969年に発表された本作では、初っぱなにドーンとサービスカットが登場する。インターネットで無修正があふれる現代ならともかく、連載が始まったばかりの半世紀!前なら、かなりの刺激だったのではないだろうか。
掲載誌は当時も今も青年向けの「ビッグコミック」で、当時読んでいた大人達の目を引いたに違いない。そのサービスカットがどんなものかはぜひ漫画を読んで欲しい。
女性ファンに嬉しいゴルゴの神父コスプレ
本作で富豪婦人のボディガードを依頼されたゴルゴは神父に変装して登場する。と言っても、いつものジャケット姿から神父服へと着替えただけ。あの顔つきそのままなので、別件で富豪宅を訪れていた探偵から、「やつの目はプロの目だ」「神につかえる者の目なんかじゃない」と言いきられてしまう。
タイトルに「WHO!」とあるように、当初から正体不明だったターゲットはゴルゴの鋭い観察力であっけなく殺されてしまう。いろいろ込み入った仕掛けを施したターゲットながらも、しょせんゴルゴの敵ではなかったことになる。
初期作品ゆえの“ゆらぎ”を味わう
物語の最後がハッピーエンドとなっていないのが心残りだが、それも屋敷を去っていくゴルゴには関係の無いことだろう。本作で違和感を覚えるのは、ゴルゴが別筋からターゲット殺害の依頼を受けていた点だ。『蝶を射つ!!』で「プロの掟を知っているな?プロは二重に仕事を引き受けないことだ」と語っているように、ゴルゴは重なった依頼を受けない。
ただし、ゴルゴの口から「ミスター・パーカーは、おれのことをただのボディガード屋だと思っている」と語られており、複数の依頼を受けているもののターゲットは重なっていないとも推測できる。まあ初期作品ゆえの“ゆらぎ”と思って楽しんでも良さそうだ。
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研 修治
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