この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第147巻収録。フロマンタン・ソフトウェア社は、自社のウィルスワクチンでシェアを独占したいがため、自らウィルスを作成しネット上に拡散していた。この事態を重くみた大統領補佐官のミレットは、拉致されたウィルス作成プログラマーの救出と、その黒幕の抹殺をゴルゴに依頼するのだった……。
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衛星を13分割にして流れ星にする
ゴルゴへの依頼システムが複数あることはよく知られている。有名なところでは、アトランタ刑務所のマーカス・モンゴメリに葉書を出すことや新聞にG13型トラクタ求むと広告を出すことだ。知ってさえいれば、初めの一歩は誰にでもできる。しかし、今回の13スターズ作戦による依頼は、とても真似できない。
作中でも明示されるように最後の通信方法かつ米国にしか許されていない特殊なルートである。特定の国家や集団と密接な関係にならないゴルゴのことなので、他の主要各国ともあっと驚くような通信方法を定めていると思われる。ファンとしてはそれらを読む機会が待ち遠しい。
ナカヤマは今どうしているだろうか
ナカヤマは今どうしているだろうか。エピソード内では、インターネットが一般に普及し始めた黎明期として描かれているので、21世紀も四半世紀が近づいてきている今、ずいぶん長い時間が経過している。変わらず今も世の中に役立つワクチンを作って、世の中に欠かせない人物なのだろうか。
同じく世のために解読不能な暗号を開発した佐久滋は一民間人に過ぎないのに『最終暗号』でNSAから追いかけまわされ、戦術核ミサイルまでぶっ放されている。催眠で記憶を消されとはいえ、NSAの保護下で好きなだけワクチン作りに専念できているならばナカヤマ本人は幸せだろう。
ハッキングはゴルゴの主要テーマの一つ
ゴルゴにはハッキングをテーマにしたエピソードが多い。依頼ルートへの干渉もあるため主要なテーマの一つとなっている。
10代のマークがARPANETにハッキングする『デバッグ』、天才ハッカー“オクトパス”率いるハッカー集団が登場する『オクトパスの疑似餌』、天才的ハッカー李が創った人物認識ソフトがゴルゴを苦しめる『BEHOLDER』、ハッキング技術を駆使してゴルゴを支配下に置こうとしたNEIのギオルが登場する『情報遊戯』など。どれもストーリそのものが楽しめるエピソードであるが、ITやネットワークの進化も合わせて味わえるのが嬉しい。
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片山 恵右
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