この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第63巻収録。コンピューターマニアで、天才的なハッキング技術をもつ少年・マーク。彼は偶然、アメリカ国防省のサーバーに侵入してしまいゴルゴのデータを閲覧してしまう。機密漏洩に気づいたCIAはマークの家を捜索。そこで判明したのは、すでにマークがゴルゴに面会の連絡をとっている事実だった……。脚本:北鏡太
スポンサーリンク
最新技術に惹かれる少年達
日進月歩となる技術革新の中には若年層の方が先じている分野もある。本作の冒頭でも、コンピュータの授業をする先生の言葉をろくに聞かない生徒のマークが登場する。マークは聞きかじった知識を元に銀行の通信回路に侵入するのだが、それがCIAのデータ通信で、さらにゴルゴの情報に触れてしまったことで事態が展開していく。
『フィアレス』でもゴルゴの目の前でFBIのホストコンピューターに侵入する少年が登場し、ゴルゴの反撃に大きな手助けをして多額の報酬を得ている。しかし当のマークはゴルゴに関わったことで悲劇的な最期を迎えてしまう。
好奇心は少年をも殺す
CIAの情報には“不明”の部分が多い。それでもマークが、「まるで怪物(モンスター)だ」と言えるほどに情報の蓄積はあるらしい。さらにマークがゴルゴへコンタクトする手段までたどり着いたことで、CIAも捜索を開始する。
マークはゴルゴの写真を撮ろうと考えるが、ゴルゴファンなら即座に「止めとけ」と言うだろう。それ以前にマークにアドバイスしたパソコンショップの青年も、「命を狙われるかもしれないんだ」と忠告している。「好奇心は猫をも殺す」のことわざがあるように、忠告を無視したマークが死に至るのも当然の流れだろう。
ゴルゴの信条を守った一発
本作の大きな特徴として、作中にゴルゴ自身が全く登場しないことがある。『ハリウッドギャンブル』『遠い隣人』のように、数コマしか登場しない作品があり、全く登場しない話には本作や『ヒット・エンド・ラン』がある。
姿を見せなくてもゴルゴの存在感は抜群だ。当初マークを殺したのはゴルゴとされるものの、物語の最後に、第一発見者であるCIAの捜査員が真犯人と明かされ、どこからか飛んできた弾丸に眉間を撃ち抜かれている。真実を知ったCIAの同僚は、「私は何もしないが、あのゴルゴがこのまま……」と口にしている。やはりゴルゴの一発だ。
この作品が読める書籍はこちら
研 修治
最新記事 by 研 修治 (全て見る)
- ゴルゴ13:第644話『心を撃て!』のみどころ - 2024年11月28日
- ゴルゴ13:第643話『怪力戦士イヴァノバ』のみどころ - 2024年11月11日
- ゴルゴ13:第642話『女の平和』のみどころ - 2024年10月1日