この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス未収録作品。狙撃に最適な場所として選んだビルが突然崩壊し、生き埋めとなったゴルゴ。彼は42年間一度も使ったことがないSOS信号を“ある男”にむけて発信する。「究極の信頼関係」をテーマに、ゴルゴが狙撃毎にかけている高額な保険契約が明らかになる興味深い一編。脚本:加久時丸
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究極の保険
「最後のシャツのボタンまで」の言葉がある。その後に「売って保険金の支払いに充てる」と続き、保険で有名なロイズの無限責任を表現している。冒頭に登場するのはロイズの保険引受人であり、イギリス屈指の大富豪でもある貴族ロバート・リグビー。
彼が信頼のみによって成立させる究極の保険を口にしたことで、ゴルゴに見込まれる展開だ。ただしリグビーがゴルゴと保険の契約をしたのが1982年。当時のイギリス首相は鉄の女と評されたサッチャー、日本の総理は鈴木善幸だ。そんな時代から延々続いてきた保険が初めて履行されていく。

危機に備えるゴルゴ
2021年6月24日、マイアミ郊外にある12階建てビルが崩落した。原因は地盤沈下とも老朽化ともされている。スナイプ直前のゴルゴがここに巻き込まれたことで、リグビーとの保険契約の履行につながっていく。仕事はもちろんプライベートでも危機への備えを欠かさないゴルゴ。
『最後の戦場』で10年間に4回だけ連絡していた脱出手段を利用したが、本作では狙撃の遂行が困難になった場合の代替策として、ゴルゴに匹敵するユニットが語られる。それは超精鋭の軍人20人と輸送ヘリ2機とのこと。あくまでも1人を狙撃するなら、なのだろう。
深い因縁のあるパートナー
落馬事故で下半身不随となったロバート・リグビーに代わり契約を履行したのは、孫娘のエレノア・リグビー。美人でナイスバディ、頭が切れて格闘技の経験もあるらしいエレノア。さらに鳩を操るような描写もある。そんな異能もゴルゴのパートナーにぴったりだ。
さらにエレノアの両親、つまりロバートの息子と嫁は、保険契約に耐えかねてゴルゴに殺された因縁もある。しかし憤りを乗り越えたエレノアはゴルゴに協力、ラストシーンではゴルゴに銃を突きつけるも殺されなかった。究極の保険契約は続くと思われるものの、エレノアの再登場はあるだろうか。
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2025年1月現在、単行本化はされていません。単行本化までしばらくお待ちください。

研 修治

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