この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第127巻収録。写真愛好家が立て続けに殺害される事件が発生。二つの事件の被害者には、同じ日同じ時刻に同じ場所で撮影をしていた共通点があった。そして、もう一人同じ共通点をもっていた男・ジョージ。彼は分析の結果、問題の写真にはゴルゴの狙撃シーンが写っていたことを発見する。はたしてジョージの前に現れたゴルゴは……。
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ゴルゴが覚えた違和感の正体は?
ゴルゴの狙撃シーンで始まる本作。舞台はアメリカのコロラド州にあるアルペンスキー場。その斜面を滑り降りるスキーヤーの板にゴルゴは照準を合わせると、見事に破壊している。「あれ?失敗か」と思いたくなるものの、どうやら暗殺を目的とした狙撃ではないようだ。
しかし射撃直後に見せるゴルゴの表情や「!!」などから、何がしか想定外の出来事があったことが伺える。ゴルゴの表情の原因が何なのかは物語の最後になって明かされるのだが、その後のゴルゴの行動とあいまって、いろいろな想像を読者にかき立てる展開になっている。
警告の意味を込めた狙撃
ゴルゴシリーズでも警告を意図させる狙撃依頼は多い。人を殺して大事件にしたくなかったり本当は相手を信頼していたりと、警告に留める理由はいろいろだ。しかしゴルゴに依頼するだけあって面倒な依頼になることが多い。
『邯鄲の夢』では狙撃する場所が難しいような壁にかけてある毛沢東の肖像、『死闘ダイヤ・カット・ダイヤ』では人が手にした巨大ダイヤモンドの破壊だ。『ピリオドの向こう』では船に乗った女性が耳に付けたピアスの狙撃を依頼される。もっとも直前に横やりが入るのだが、ゴルゴは狙撃可能だったことを見事に証明している。
なぜ依頼人は嘘をついたのか
本作の依頼人ライオネルはスキー板を狙撃する理由として、「殺したくないというのが本音なんだ」と語っている。しかし、「大丈夫、奴のスキーの腕前はかなりのものだ」と付け加えたことが問題だったらしい。
ゴルゴは、「依頼時の説明と違い……ケンダル(注:ターゲット)のスキーの腕はまるで、素人だった」と説明してライオネルを射殺する。「べ、別に私は……」と抗弁するライオネル。単に口が滑っただけなのかもしれないが、ゴルゴの狙撃を偶然撮影したアマチュア写真家が懸命に行動して生きのびたのと比べれば、あまりにも安易に過ぎたようだ。
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研 修治
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