この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第131巻収録。下院議員のバーンウェルは15年前、恋敵だったターナーをゴルゴに狙撃させ滝壺に落とした過去がある。死んだと思われていたターナーは、一命をとりとめたものの記憶喪失となって別人として過ごしていた。15年の月日を経て記憶を取り戻したターナーは、バーンウェルへの復讐としてゴルゴにコンタクトする。
スポンサーリンク
ホームズファンには必見の本作
推理小説における傑作の1つである「シャーロック・ホームズ」シリーズ。それらに関するマニアを表現する言葉が本作のタイトル“シャーロキアン”だ。
本作では主要な登場人物がシャーロッキアンであるのに加えて、作品における有名な舞台の1つでもあるスイスのライヘンバッハの滝や、シャーロッキアン団体でも最古のベイカー・ストリート・イレギュラーズまで登場する。さらにホームズシリーズの中でも人気のある作品「まだらの紐」をオマージュしたような展開にもなっており、ホームズファンには見逃せない作品と言っても良いだろう。
長話に聞き入るゴルゴ
本作でゴルゴは足掛け15年に渡って4件の依頼をこなしている。1件目は三角関係のもつれ、2件目は1件目と同じ依頼人から政敵の抹殺、3件目は1件目のターゲットからの復讐。そして4件目は1件目の依頼人であり3件目のターゲットとなった男の未亡人からの復讐だ。
自分の狙撃がきっかけで3件目、4件目の狙撃依頼につながったことを理解したゴルゴは珍しく双方の依頼人の長話に耳を傾けている。「15年前を思い出すよ……」と語りかけた2件目の依頼人に、「覚えておく必要のない過去は、早く忘れることだ」と打ち切らせているのとは対照的だ。
報酬はいくらになった?
4件目の依頼人は、ゴルゴの狙撃を目撃した自らの命と「まだらの紐」の原稿を報酬として差し出しており、その原稿をゴルゴは古物商らしき男に鞄いっぱいのポンド札で売却している。『静かなる記念日』『突然死の予兆』のように現金以外の報酬も少なくないものの、果たしていくらになるのだろうか。
2018年には『鉄腕アトム』の手塚先生による直筆原稿がサザビーズで約27万ユーロ(約3500万円)で落札されて話題になった。漫画の原稿と小説の原稿では比較しにくいかもしれないが、ホームズシリーズの1作であればその1桁上にはなりそうだ。
この作品が読める書籍はこちら
研 修治
最新記事 by 研 修治 (全て見る)
- ゴルゴ13:第644話『心を撃て!』のみどころ - 2024年11月28日
- ゴルゴ13:第643話『怪力戦士イヴァノバ』のみどころ - 2024年11月11日
- ゴルゴ13:第642話『女の平和』のみどころ - 2024年10月1日