この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第97巻収録。激化するクロアチアとセルビアの勢力争い。その勢力争いの分岐点に位置するブコバロア村は、不思議なことに勢力争いの影響をうけず、軍隊すら近寄らないという。なぜ、この村だけが特別扱いされているのか不思議に思った旅行者は、ホテルの女主人から“ある記念日”について聞かされるのだった……。
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国境のブコバロア村はどこに?
本作の舞台はバルカン半島にあるブコバロア村。どうやらクロアチア人が主体の村でセルビア人勢力にも近く、コソヴォ事件ではセルビア人の軍隊が村に乗り込んできたとのこと。ところが村の名前は架空のものらしく“ブコバロア”でネット検索しても、出てくるのは本作ばかりだ。
山深い田舎で近くには吊り橋でしか渡れないような大きな川が流れている。どこかにモデルとなった村があるかもとグーグルマップで見たところ、「ここかな」と思われる地はあったものの、はっきり断定はできなかった。もしかするといくつかの地名を足し引きしたのかもしれない。
ゴルゴへの依頼料を値切るには
セルビア人を排除すべく村人がゴルゴへ依頼を決める。“村中の宝石を集めた”と言うものの、そもそも軍隊に財産を抑えられた後にどれだけ残っていたのか。それでも集められた宝石はそこそこの数があったので、依頼料としては十分なのかもしれない。
ただし、宝石を運んだ少年が吊り橋を渡る最中に袋を落としてしまったことで、ゴルゴが受け取ったのは古い指輪が1つだけだ。末尾には「依頼金額に匹敵するものであったかどうか、は、定かではない」とも書かれている。「子供を使えば格安で依頼できるかも」と考えてしまうのは浅はかだろうか。
子供に対するゴルゴの態度
その後の行動で2つの見逃せないものがある。古い指輪を差し出されたゴルゴが、「用件を聞こう」と返答すると、少年は、「おおっ!!」と目を見開いてゴルゴの左足の靴のつま先に触れている。朝日が差し込む中でゴルゴが少年のなすがままにさせてているシーンは印象的だ。
さらに重傷を負った少年はゴルゴが家へと連れ帰ったらしい。ゴルゴにしては念の入ったアフターケアだ。子供からの依頼としては『アクロバティックス』『黒い通信』などもあるが、いずれも真摯に対応している。やはり「子供には甘いのだろうか」と考えてしまいたくなる。
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研 修治
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