この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第97巻収録。シュリット財閥の新会長ハインリッヒ。彼は前会長を事故死に見せかけて殺害し実権を握った。盗品ウランを各国に売り捌いて作ったブラックマネーを、スイスの個人銀行を通じて洗浄しようと動くハインリッヒ。一方、個人銀行の頭取・ハイツは、事故死した前会長の写真をみて重大な発見をする……。脚本:熊坂俊太郎
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多額の報酬はどこに?
数々の依頼で得た報酬をゴルゴがどうしているのか。本作とともに『バチカン・セット』『国王に死を』などでスイスの銀行に預けていることが明かされている。
『最後の間諜 -虫-』ではスイス銀行振り出しのトラベラーズチェックを使って戦闘機などを購入しているのが示されているが、それも一環なのだろう。本作ではゴルゴの資産運用を任されているハイツ銀行の頭首であるアウザー・ハイツが登場、「彼(ゴルゴ)の口座番号は複雑を極める」と言っているが、何かの拍子に口座番号を忘れてしまうことが無いのか気になってしまう。

逆恨みで狙われ続けるゴルゴ
そんなハイツがゴルゴを狙うのだが、それはハイツが少年時代に命を救われた恩人-シュリット財閥のランバート会長-をゴルゴが狙撃したことによるもの。しかしゴルゴは依頼を実行したに過ぎず、『ステール・メイト』『フィアレス』と同様に逆恨みだ。
もっともハイツが依頼人だけでなくゴルゴも殺そうと思ったのには理由がありそうだ。と言うのは、ランバート殺害を捜索したドイツ警察の高官が、「人間業とは思えぬ才能の持ち主」による狙撃だと語っているからだ。つまりゴルゴがいたからこそランバートが殺されたと考えたのかもしれない。
複雑な口座番号は大丈夫?
本作で気になるのはタイトル「最後の顧客」の意味だ。最後の顧客が誰を指すのかがはっきりしない。ゴルゴを指すとは思えないし、ハイツ自身とも思えない。では誰なのか。
ハイツはランバートが恩人だと分かる前に、シュリット財閥の後継者となったハインリッヒから財閥にある10億ドル-ハイツ曰く「このぐらいの金」ながら-を5年間凍結するなどの条件付きで預かっている。すると最後の顧客と言うのは、ハインリッヒのことかもしれない。なお、ハイツが自殺したことでゴルゴの複雑な口座番号はどうなってしまうのだろうか。こちらも気になる。

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研 修治

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