この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第139巻収録。災害や事故を生き残り、恐怖心を喪失した人間「フィアレス」。このフィアレス達を操りゴルゴを抹殺しようとする見えない敵が出現する。自爆覚悟の襲撃をかけてくる人間が立て続けに現れることを疑問に思ったゴルゴは調査を開始。浮かび上がったのは、ゴルゴと因縁のある元KGB職員の名前だった……。脚本:新井たかし
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ゴルゴとタメ口で話す子供
情報屋でも突きとめられない敵を探るためにゴルゴ達は、“事故”“救出”“誘拐”をキーワードにインターネットで情報を求める。そこに応じてきたのが“Blue Fire”だ。求めに応じたゴルゴがワシントンまで出かけたところ、そこにいたのは10代前半と思しき東洋系の少年。
少年はゴルゴにタメ口で話すばかりか、図書館のコンピューターからFBIのホストコンピューターに侵入して敵の正体すら明かしている。「あきれたガキだ」と嘆く情報屋に対して、ゴルゴは終始冷静に対応した。「未来の情報屋候補だな」とでも思っていたのだろうか。

恨みをかってしまう仕事
少年がハッキングしたFBIのコンピューターから敵の顔写真を出すとゴルゴは、「ソルベノか」と反応している。元KGB職員であるソルベノは過去の事件で何人もの証人を狙撃されたため、あるスナイパーに恨みを持っているとのこと。つまり“あるスナイパー”がゴルゴなのだろう。
事件によってゴルゴの依頼者にも敵にもなるKGBだが、それらしい過去の話は見当たらない。強いてあげれば『行方不明のH氏』『テレパス』くらいなのだが、証人の人数など当てはまらない部分もある。それ以外にゴルゴが暗躍した事件と考えて良さそうだ。
ゴルゴが生き残ってきた条件
依頼人あっての仕事がほとんどなので、ゴルゴを恨むのは筋違いなのだが、復讐に燃える人間にそれを言っても仕方がない。ただしゴルゴを狙う手段としてフィアレス、つまり恐怖を感じない人間達を刺客に仕立てたのはどうだったか。
確かに恐怖を感じないことで自爆や殺人でも冷静に行動できるだろうが、最初の数回失敗したことでゴルゴを殺す方法として間違っていたと気づくべきだったのではないだろうか。最後にソルベノを射殺したゴルゴは、「恐怖だけが我々を危険から遠ざけてくれる」と語っている。しかし死んだソルベノがそれに気づくことはない。

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研 修治

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