この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第112巻収録。ソ連崩壊後、ロシア正教の異端派司祭だったミハイルは、その超常的な能力をもって、ロシアン・マフィアを並外れた戦闘能力をもつ殺戮部隊へと変貌させていた。愛する同僚・カレンを潜入捜査で失ったトミー刑事からミハイル暗殺の依頼をうけたゴルゴは、ミハイルのアジト「ロシアの城」に単身乗り込む。脚本:国分康一
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ターゲットは新興宗教の教祖
本作のターゲットはロシアンマフィアのボスで新興宗教の教祖も兼ねている元ロシア正教聖職者のミハイル。『1億人の蠢き』で新興宗教の教祖である柴洪史がターゲットとなっている点は似ているものの、柴が冷静に死と向かい合った一方、ミハイルは死地を予測しながらも最後まで抗ったあげく、あっけなくゴルゴに絞殺されている。
ミハイルの死後、マフィア組織や教団がどうなったかは描かれていないけれども、絶対的なボスがいなくなったのでは膨れ上がった組織は維持できず、敵対勢力からの反撃にも耐えられないであろうことは想像に難くない。
モンゴル系のロシア人に化ける
敵地に乗り込んだゴルゴは、ヤクーツク出身のロシア人ワーシャー・ウラソフと名乗る。ヤクーツクはロシア東部の大半を占めるサハ共和国の首都で、九州をまっすぐ北上した辺りにある。
『血液サンプルG』でゴルゴのルーツと目されたバイカル湖とはやや離れているものの、サハ共和国にもモンゴル系との混血が多いらしいので、東洋人に見えるゴルゴが化けるには格好の存在だ。ただしゴルゴを見たミハイルから、「君には……100年前、いや500年前にも会った気がする……あの、我らが故郷、母なるオビ河の、ほとりで」と言われている。
スーツやネクタイを忘れません
敵の襲撃から逃れたゴルゴは下水道をたどってミハイルの本拠地に侵入する。マンホールのふたに触れたミハイルはゴルゴの侵入にこそ気づくものの、コールタールの池から現れたゴルゴに首を絞められて殺されてしまう。
銃殺が大半、時には刺殺や爆殺も行うゴルゴだが絞殺は珍しい。もっとも下手に火の気をつかってタールに引火したのでは自身も危ういのは言うまでもない。再び下水道に逃げ込んだゴルゴは、タールまみれの衣服(スウェットスーツ?)を脱いでいる。その下にもスーツやネクタイを着こんでいたゴルゴ。なかなかのオシャレさんだ。
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研 修治
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