この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第106巻収録。CIAがゴルゴのルーツを解明するため、ゴルゴの投宿したホテルで意図的に腸チフスを発生させ、宿泊者もろとも強制的に血液検査を実施するというストーリー。CIAから依頼をうけたシンプソン博士はルーツ特定を急ぐが……。シリーズきっての人気テーマ「出生の秘密シリーズ」の番外編としても楽しめる興味深いエピソード。
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ゴルゴのルーツを探る
『日本人・東研作』『おろしや間諜伝説』など、ゴルゴのルーツを探ろうとする話がある。しかしいずれも不成功に終わっているばかりか、ゴルゴによって殺された探索者も多い。それ故に興味を持つ人が後を絶たないらしく、科学的な方面からゴルゴにアプローチを計るのが本作だ。
血液から人種をたどろうとする試みはかなり以前からあったようだが、最近では安価に遺伝子検査ができるため、自分のルーツ探しをする人も多いとのこと。しかし意外なルーツが明らかになって悲劇を生み出してもいるようだ。本作のように明かさない方が良い事実もあるのだろう。
ゴルゴに魅せられた女性達
娼婦にモテモテなゴルゴだが、才色兼備な女性達も引き付けている。『プレイバック』ではゴルゴの顔写真にひと目ぼれした米国防総省のディアナが登場。娼婦のふりをしてゴルゴに近づく。『パンドラの柩』でもゴルゴにひと目ぼれした医学者のマリナが望んでゴルゴに抱かれている。
『海の鉱山』ではゴルゴの依頼で携帯電話を解析した女性が、「もう帰れというの?」とゴルゴを誘う。「帰ってくれていい」と素っ気なくゴルゴに言われたことで、「もう呼ばれてもかんたんには来ないからね」と捨て台詞をのこして出ていくが、“かんたんには”と言うところが面白い。
ゴルゴが狙撃を留まった理由
本作でキーパーソンとなるのが血液学者の助手であるソフィア。もちろん美人の才媛だ。しかし腸チフスの発生時に看護士のふりをしてゴルゴを採血した後、ゴルゴの血液を分析する手助けまでしている。
これだけでもゴルゴに殺される十分な条件を備えていると思うのだが、必死の訴えもあってかゴルゴは彼女を狙いつつも引き金を引いていない。読者からすると「なぜ」と思えるシーンだ。結局、ゴルゴの血液を解析した最終結果を見てしまったことで、ソフィアはゴルゴに撃ち殺されるのだが、もし結果を目にしなかったらゴルゴはソフィアを見逃したのだろうか。
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研 修治
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