この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第91巻収録。資産家のトルバルセン夫人は、甥っ子の婚約者で不思議な予知能力をもつナディネを信頼していた。そのナディネが「不吉な男がやってくる」と予言。はたして屋敷にはゴルゴが現れるが、ゴルゴはトルバルセン夫人と親しいクーベルト伯爵の紹介だという……。脚本:新井たかし
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歴史小説家デューク・トウゴウ
ゴルゴがよく使う偽名に“デューク・トウゴウ”がある。トウゴウは日本語なら東郷。デュークは英語であれば公爵を意味する“duke”か。なお、日本海海戦で司令官を務めた東郷平八郎は侯爵だった。
本作でヨーロッパの古い館を訪れたゴルゴは歴史小説家のデューク・トウゴウと名乗り、女主人の知人でもあるクーベルト伯爵の紹介で訪れたとしている。立派な体格をしたゴルゴを不審に思ったのか、「アジアで活躍している作家が、どうしてクーベルト伯爵と、お知り合いに……?」と聞かれている。やはり小説家ってのは無理っぽいだろう。
依頼人のクーベルト伯爵って誰?
ここで気になるのはクーベルト伯爵だ。物語の最後でクーベルト伯爵がゴルゴに依頼の仲介をしたことが明らかになっているが、クーベルト伯爵自身は最後まで姿を見せない。ゴルゴシリーズにも貴族は登場する。『喪服の似合うとき』にはバビエール伯爵、『ワッピング要塞』のアサートン伯爵、『ダーティー・ウイング』でもヘルン伯爵らが登場するが、クーベルトなる名前は見当たらない。
もちろん、それ以外にも爵位を持つような人物はたくさん登場する。時として爵位が変わることや新たに授けられることもあるだろう。その中にクーベルト伯爵がいるのだろうか。
そしてゴルゴは去っていく
女主人の甥やその婚約者が、女主人を殺して財産を横取りしようとする計画を確認してから二人を処分するとの依頼を完遂したゴルゴは、来た時と同じように翌朝車を運転して古城を去っていく。
女主人曰く、「私の身内は、この二人だけですの」であり、その二人がゴルゴに殺されてしまった時点で館には女主人と召使達だけが残されたことになる。遠からず最後の主人を亡くした後はどうなるのだろうか。もちろん依頼を遂行しただけのゴルゴがそれらに関心を示すことはないものの、絡まった人間関係に「うんざりだ」くらいは思っていそうだ。
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研 修治
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