この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第132巻収録。次期ローマ法王の最右翼、アフリカ出身のエヴァンス枢機卿。史上初の白人以外の法王誕生を快く思わない勢力によってエヴァンス暗殺計画が実行される。暗殺を請け負ったのはソ連No.1の狙撃手・ゴルスキー。ゴルスキーは過去に、ヨハネ・パウロ2世暗殺の仕事をめぐりゴルゴとの因縁があり……。
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“法王”から“教皇”表記へ変更
エピソード内で退位(自らの意思で辞任)の可能性も示唆されたヨハネ・パウロ二世は退位することなく、2005年まで教皇位を全うした。後を継いだのは、ドイツ出身の白人ベネディクト十六世(265代教皇)だ。
そのベネディクトの退位の後継フランシスコ(266代教皇)もアルゼンチン出身の白人であるため、2020年4月現在、エピソードで期待された“史上初の白人以外”の教皇は誕生していない。ちなみに2019年から日本では“法王”ではなく“教皇”という表記に変わっていることを記しておこう。
バチカンものおススメエピソード
舞台は世界一小さな国、バチカンである。面積は0.44平方キロメートル、越谷レイクタウン(日本最大のショッピングモール)の延べ床面積と大差ないくらいの極小サイズ。そんな小さな国なのに、タイトルを挙げていくだけで紙幅が埋まるほどゴルゴにはバチカンものが多い。
オールタイムでおススメしたいのはゴルゴの影武者が用意されていた『ズドロナス・マリヨ』や、飄々とした司教が南アフリカ共和国を相手に丁々発止の勝負をかける『ビオ・グレゴリオ司教』だ。上述のベネディクト十六世時代に発覚したバチカン銀行のスキャンダルを扱った『聖なる銀行』もおさえておきたい。
プールの排水は案外時間がかかる作業
プールに熱湯を入れて陽炎を作り出す作戦。一見地味だが、実は難易度が高い。見たところ25メートル(短水路)のプールと思われるが、それでも全体の水量は250トンと推定(縦25m×横8m×深1.2m+循環水10トン)される。
排水管の径(太さ)にもよるが、プール槽から排出できる水は1時間あたり20トン見当だ。つまり水を抜くだけで12時間以上かかるわけで、家庭風呂の湯を抜くのとはわけが違う。作戦前夜の発注なので、時間との闘いだったろう。陽炎作戦は、『ヒート・ウェーブ』(熱波のインドで連日気温50℃以上)での経験からくるものだろうか。
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片山 恵右
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