この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第55巻収録。ボスの座を手に入れるための秘密計画が上層部にばれて命を狙われるハメになったトーマス。上層部の差し向けた殺し屋がゴルゴだと知ったトーマスは、ゴルゴの子供を生んだという娼婦の情報を入手。子供を人質としてゴルゴに揺さぶりをかけるが……。
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隠し子の存在で試されるゴルゴ
本作のみどころは彼が色々な形による窮地に追い込まれる点だ。窮地、と言われてまず真っ先に思い浮かぶのは、ゴルゴの命が狙われ窮地に立たされるような状況を連想するだろう。
もちろん本作でも後述の強敵による危機一髪のシーンが何度も登場する。それはそれでみどころなのだが、本作最大のゴルゴに関するみどころは彼の子供の存在だ。
男性にとっての唐突な妊娠報告はそれだけでも窮地に立たされそうなものだが、ゴルゴの場合は出産済なので尚更だ。案の定、その子供を人質にとり、ゴルゴの人間性を試してくる本作。果たしてゴルゴは子供を前にどのような選択をするのか、乞うご期待だ。
男気溢れるヘンリーと残虐非道なキム
本作ではまるで正反対な二人の脇役の存在もみどころとなっている。一人はバイカー集団のリーダー格、ヘンリーだ。ゴルゴとは初対面時のいざこざから関係性はよくなく町で再開した際もむしろ溝を深めていた。
しかしゴルゴを襲撃しようとするキムに気付いた際、ゴルゴを逃がすために奔走し匿う等、私怨を捨て去ってでも命を守ろうとする好感の持てる男なのだ。もう一人の男は前述したキムで彼はベトコン帰りの強敵である。
ヘンリーとは真逆で捕虜に対して目を覆いたくなるような拷問の上に惨殺、ゴルゴの泊っている安宿の部屋を躊躇いもなくロケットランチャーを撃ち込むなど一切好感の持てない男である。
が、その実力は確かでゴルゴと対決する際、彼の持つ武器名と残弾を素早く把握し弾切れになったことを認識する等能力も申し分ない。ゴルゴの命を3度奪えた男・キムとの対決の行く末は見逃せないだろう。
二人の親子愛の対比
本作ではタイトルや冒頭のシーンなどに子供が多く描かれている。それもそのはず。本作では前述した通りゴルゴの子供が登場することや、ターゲットとゴルゴのそれぞれの子供に対する考え、愛などの対比が重要なポイントとなっているからだ。
他にゴルゴの子供が出てくる作品には『冷血キャサリン』がある。こちらは回想シーンですでに死亡してしまっていることが語られるため、生存しているゴルゴの子供を終盤の軸にした濃厚な物語を楽しむことが出来るだろう。
冒頭で子煩悩っぷりを見せるターゲットはゴルゴの親子愛を信じる。一方、それを信じないキム。果たしてどちらが正解なのか、衝撃の結末を楽しめる作品となっている。
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小摩木 佑輔
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