この記事の目次
簡単なあらすじ
SPコミックス第162巻収録。テロ組織の幹部・ジェロームを暗殺する依頼を完遂したゴルゴ。が、依頼内容が腑に落ちないゴルゴは調査を開始する。ジェロームの婚約者ドーニャと接触したゴルゴは、ジェロームは普通の一般人であり、ドーニャとの甘い結婚生活を夢見ていたことが判明する……。脚本:夏緑、秋田茜
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典型的な成金の悪役クローソン
レアエレメンツ社社長のクローソン。別荘のプールでトップレス美女に給仕させた上、札びらを水の中にばら撒くという、今時なかなか見ないタイプの典型的成金である。
ゴルゴに虚偽の依頼をしたことでケジメを取らされるのであるが、素直に依頼理由をゴルゴに伝えていれば、こんなことにならずに済んだのではないかと思われる。軍人上がりで腕に覚えがあり、経営も成功してゴルゴですら騙せると自信過剰に陥っていたのか。こんな浅はかな成金クローソンのためにドーニャとの未来を奪われたジェロームが無念でならない。

ドーニャとジェロームの純愛
さて、そのドーニャである。“とう”のたった踊り子のドーニャは、ジェロームと出会うまでは不遇な人生だった。少々粗いところはあるが気立ては良く、世話好き、料理上手な良い女である。仕事一筋のジェロームとの愛が深まっていく様子がさらりと描かれているが、ゴルゴシリーズらしからぬ純愛名場面である。
その一方で濃厚な情事も見どころだ。傷心のドーニャはゴルゴにベッド上でそのはけ口を求める。その際、ゴルゴは珍しく2回戦に応じている。初期エピソード『飢餓共和国』では「二度三度味わえる女はそうざらにはいない」と断っているので、ターニャは例外であったのでろう。
才色兼備。北欧の情報屋
情報屋としてゴルゴを手伝う北欧の金髪美女がこれまた才色兼備である。仕事の能力が高いことは言うまでもないが、情熱的で自らゴルゴを情事へと誘う積極さも持ち合わせている。
ゴルゴ本人もまんざらでもない様子で、彼女との一夜を過ごしているが、後日、仕事で顔を合わせた時には、ゴルゴは彼女の誘いをあっさりと断っている。もともと常人には計り知れない思考を持つゴルゴではあるが、一体全体どうなっているのか……。恥をかかされた北欧の情報屋の怒りもごもっともである。

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片山 恵右

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